表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
屍のカンパネルラ  作者: 仲川たま
1.戌堂倫太郎
3/5

1.戌堂倫太郎 -2

午前の授業終了後、


「おっひるだよー! やすりちゃん!」


待ってました! と言わんばかりに柚月がお弁当箱を2つ持って私の前に現れた。


「今日はカツ丼弁当にしてみたよ」

「ほうほう。何に勝つ気かね」

「5時間目の睡魔」

「一理あるわ」

カパっと弁当箱を開くと、つゆをしっかり吸ったふわふわの衣に包まれたカツが、飴色の玉葱達に囲まれていた。

「いただきます」

「いっただきまー」

食材達に両手を合わせて感謝する。それから大口を開いて一口食べた。

「もぐもぐ」

うむ、美味。

「柚月はほんと、料理うまいねー」

「やすりちゃんがいつもそう言って美味しそうに食べてくれるから上達するんだよ」

「またまた」

「晩ご飯もちゃんとあるから持って帰ってね、ちゃんこなべ(土鍋付)」

ドン! と机の上に土鍋を置かれた。

「ブハッ!!!!!!!?」

「あの土管の中に携帯用ガスコンロあったでしょ? あれで温めて食べて」

「わ、私にその土鍋を持ち帰れと……!?」

「たまには暖かいもの食べないと、風邪引いちゃうよ?」

「いや、有難いんだけどさ、ホント……」

「でしょ!」

「…………美味しく頂くわ」

私は、昔から、柚月の笑顔に弱い。

それを今更ながら痛感していた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ