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ラナ markⅢ  作者: ススキノ ミツキ
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第21話 ペリナシア遺跡 前編

・・数哉はマダラグス王都の近くにあるペリナシア遺跡の近く迄、転送して来ていた。ホスナムの母親を心配して早く助けるべく、遺跡の近く迄来ている。1km程先にはランゴアナ帝国の騎士達が遺跡の入口を囲う様に守っていた。火の弾が撃てる魔法大砲の様な物や設置式の大型魔法機関銃も見られる。古代の遺跡から見つけられた物である。


「ホナスムの母親は、あの遺跡の中か?いっていた通り、かなり厳重だな。大量の人間を転送する事が可能なら簡単に救えるのだが何故不可能なんだ?前に巨大なホテルでさえ転送していたと思うが?」


 数哉は大きな木を隠れ蓑にして、ラナと作戦を立てていた。遠くまで数哉は見える為に、双眼鏡の様な物は使わず肉眼で見ている。


「はい、私が宇宙へ飛ばされる前に4つの課題を与えて下さったのを覚えていらっしゃいますか?」


「ん?・・ああ、もし可能なら俺の代わりにと言ってラナに冗談で無茶振りした問題な・・もしかして!あの理論を解明したのか!?」


「いいえ、2つだけですが・・。」


「どれを、解いたんだ!?」


『ニュートリノならぬ、もっと小さな素粒子に分けられ、物質は別構築しただけで全て同じ極素粒子から出来ていると言う理論。言わば超素粒子理論ですね。それと、それを応用したデータをもっと遠くへ一瞬で届けるための異空間超速度通信理論です。』


「あの2つか!」


『はい・・私は宇宙へ旅立った後、どうやって数哉様の課題を解くかと言う事と、数哉様の為に何が出来るかだけを考えながら宇宙を彷徨っていました・・半年が過ぎた頃、突如現れたブラックホールに飲み込まれて私は不覚にも機能停止の状態となり、気付いた時には、惑星デアラールの研究所で修理を行われていたのです。』


「ふむ・・。」


『修理を行ってくれたアンドロイド修理工場のピロルラル所長から聞いた内容では、デアラールが存在するトラール星雲は宇宙戦争の真っ只中で、数えきれない程の惑星間で争っていると当時話をしてくれました。ピロルラルは拾った恩で私にも戦えと、大人の戦闘ポディへと無理矢理改造して来ました。人間も、トラール星雲の殆どが脳以外を機械化していてAIアンドロイドと人間の区別さえつかない程のハイテクノロジー世界です。私は、その惑星デアラールのハイテクノロジーを利用して、自らも改造しつつ数哉様の課題を解く事にしました。』


「それで?・・。」


『先程の2つの課題から』


 数哉がそこで口を挟む。


「転送か?」


『はい、その通りです。』


「という事は、転送とは全てをデータ化してバラバラに非常に細かくした後で転送先で再構築している?」


『はい、本拠地デアラールのスーパーコンピューターを使用して解析し構築データを解析した後、転送先でデータ通りに構築する事で転送が成り立っております。人間の場合、構築を0.00021秒以内で行わなければ記憶が無くなる事や、何故か正体不明の障害が残る可能性があるのです。』


「おいおい、簡単に言うがバラバラにして人体への影響は無いのか?それに、本拠地デアラールを転送したとも言っていたよな?」


『はい。デアラールには先程話させて頂いた通り、脳以外は殆ど機械化していた者ばかりで転送自体が脳の再構築さえ優先すれば問題有りませんでした。・・と言うよりバラクラスと言う惑星の宇宙人が戦争を仕掛けて来た時に、惑星デアラール自身を転送する必要が有ったのです。

 バラクラスは火の粉を振り払っていただけのデアラールの勢力拡大を恐れて、別の小惑星を強力な爆発で軌道を変え、巨大隕石として飛ばして来たのです。構築までの時間がかなり掛かりましたが、その際にデアラールが転送可能な事も確認しております。元々、いつかデアラールを転送させる必要性もあると予想していて、既にデータ化した物を私と数哉様しか入れない秘密施設のメモリーへ保存しておりました。ただ、記憶だけはその時の保存記憶に私以外戻ってましたが・・。

 もっとお話しすれば、その前にも多くの実験を必然的に行っていました。戦争中でしたので向かって来たミサイルや爆弾等のあらゆる危険物を、争っていた惑星の戦闘基地中心へ転送して返し、爆破をさせたり。攻撃して来た大型ロボットと戦闘員を、そのまま敵の惑星へ転送させ自基地を攻撃する様に仕向けました。それは、もう数えきれない程です・・。』


--俺と離れていた間に、そんな事を行っていたのか?・・まぁ、殺し殺される世界となると、やり返すのも仕方ないか・・。でも、待てよ・・。


「ラナ。」


『はい、数哉様。』


「転送先の人間がバラバラにした人間に間違いないと、どうして言える?転送された俺は、俺なのか?全く同じ物を作成しているのだろうが俺では無いのでは?」


『いいえ、数哉様に間違い有りません。実は、優秀な人間を増やそうと同じ人間を作ろうとした事が有るのですが作成出来ませんでした。作られた者は人間と言う名前の感情の無いロボットでしか無く、作った者を解析すると作成しようとした者とは違うデータに変換されていたのです。植物や動物以外の無機物であれば同じ物が出来たのですが。』


「無機物以外は同じ物が存在出来ない法則があると言う事か?科学的では無いが魂の理念?・・すまん、続けてくれ。」


『・・数哉様理論を応用した転送機能を使用して、仕方無く降り掛かる火の粉を振り払う内に、私がデアラールの支配者となってしまいました。更に約一年後にはトラール星雲の支配者となり・・勿論!その後、本当の支配者は数哉様であると、全ての民の洗脳しております!』


「・・洗脳。」


 数哉は頭を抱えて呟やき、首を振っている。ラナは数哉の為に貢献出来たと、嬉しそうに返事をした。


『はい!』


「洗脳って・・何をしたんだ?いや!やっぱり、それは言わなくて良い!それよりも、こっちだ。王族の閉じ込められている遺跡内部の迷宮の様子は分かるか?」


『遺跡迷宮の入口付近には約50CM大の火の玉を放つ戦車2台と魔法使いの放射的な魔法を再度3倍にして放つ簡易魔大砲が18台、それとAランクと思われる者が数人見られます。』


「ホナスムの母親は?」


『遺跡内部の迷宮入口から、少し離れたビルを利用して閉じ込められています。』


「そうか、良い作戦はあるか?」


『はい。ペリナシア遺跡迷宮内部へ一気に転送潜入してフレリア・スカーレットと、ある程度魔法と戦闘を行える者1名を救い出します。そして・・そこから更に中央部よりに進み、ある物を手に入れます。』


「ある物?」


『はい、昔の数哉様なら大喜びされたかも知れません。』


「ふむ、もしかしてあれか・・。楽しみにしておこう。ランゴアナ帝国も遺跡の罠を操っていると言うのであれば、中央部にも兵士達が居るんじゃないのか?」


『いいえ。中央部と言ってもかなり広いですし、その場所にはランゴアナ兵士も到達しておりません。罠を回避する様にマダラグス王国の民を奴隷として使い掘っています。こちらには好都合です。遺跡の罠操作にも自信があるらしく、そのフロアにはランゴアナ帝国の兵士は居ない様ですから。』


「分かった。それじゃあ、王族達が閉じ込められている所へ転送してくれ。」


『畏まりました・・転送。』


・・数哉が転送された場所は薄暗く、石畳の広い部屋である。角ばった石レンガの柱が多く有り、柱の影に現れた数哉は柱からそっと顔を覗かせた。既に処刑された者も多く居る為か、殆どの者達が暗い表情で地面に座っている。その中で侍女らしき者を背に、神官服装の金髪女性が毅然と立っていた。侍女は薄汚れた白衣を着て顔も土色に汚れ、下に俯いている。神官服に似ている女性が数哉をチラリと見て近寄って来る。侍女もポジションを変えずに女性に付いて来た。


「あなた・・この牢屋に居なかった筈よね?」


 女性がしっかりした口調で問い掛け、数哉は答える。


「ええ。それよりも聞きたいのですが、フレリア・スカーレットと言う方を知りませんか?」


「あなた?何者なの?」


 女性が美人顔を顰めて再び尋ねた。


「俺はコーネットさんの知り合いから頼まれて、フレリアさんを助ける為に来ました。」


「え!?コーネット!・・私がフレリアだけど。本当なの?」


 それを聞いた男性がバッ!と立ち上がり、数哉に詰め掛けた。


「おい!小僧!フレリアより俺を助けろ!俺を助けたら大金をくれてやる!」


 数哉は男に答えず、フレリアに聞いた。


「この人は?」


 男がそれに腹を立てて数哉の肩を持ち、男へ向かそうと力を入れる。


「俺は王族だ!本来なら冒険者初心者のお前なんぞ話しも出来ん様な高貴な者だ!こちらを向いて話せ!うぅ〜!動かん!お前は石か!」


ドン、ドサリ。


 数哉はうっとおしいと、軽く胸を押した。男は尻餅を付き顔を赤くして怒っている。


「貴様〜!この俺を突き飛ばすとは!極刑だ!」


 数哉は下の石畳の隙間に手を突き立て、1個の石レンガを男の顔に近づけると握り潰した。


ズボッ!・・・ガシュ!・・コロコロコロ。


「な!」


「静かにしろ。俺はフレリアさんと話している。お前の声を聞いていると助ける気が失せそうだ。お前だけを助けない方法もある。」


 男は数哉の力を見て青褪めつつ、無言になる。


「フレリアさん、それよりも今から俺に付いて来て下さい。出来ればもう一人、オストラルエネルギーの強い優れた方で戦闘可能な方も。」


「どうするの?」


「ペリナシア遺跡の兵器を、この近くの隠し通路から取りに行きます。それを使ってランゴアナ帝国の兵士達を蹴散らし全員脱出しましょう。」


「この遺跡迷宮は罠だらけなのよ。その遺跡兵器を使っても脱出出来ないわ。」


『罠は全てこちらで操作が可能です。』


「・・大丈夫です。罠は全て解除します。」


「ランゴアナ帝国でも操る為に多くの労力を費やしたと言うのに、そんな簡単に?・・とても信じられない。」


 侍女らしき汚れた着衣で歳の頃は、香澄と同年代らしい女性がズイッ!とフレリアの前に出て来た。フレリアがマズい!と言った表情で手を侍女らしき手を取ろうとしている。自身の後ろへ戻そうとしているらしい。侍女はフレリアの思いとは反対に頭と顔の布を取り、決意を秘めた強い目で話し出した。


「フレリア、下りなさい。」


「ですが!?」


「良いのです。このまま待っていても正体がバレて、いずれは殺されます。コーネットの知り合いに頼まれたと言う、この方に掛けましょう。」


「・・分かりました。」


 フレリアに向いていた顔を数哉に戻す。


「私はマダラグス国王陛下の第5王女ミールマーレです。」


 他の者達も騙されていたのか、声を聞いてかなり驚く様子をみせていた。フレリアは言ってしまったと、額に指を3本当て目を閉じている。


--侍女じゃなく、王女だったのか。それも、かなり位の高いのか?さっきの王族と言ってた奴の気不味きまずそうな表情を見ると。


「・・俺は数哉。」


 コクリとミールマーレは頷いて話す。


「身分を隠して侍女に扮して来ましたが、立ち上がる時が来たのです!私も連れて行って下さい!これでも魔法のB級ライセンスを持っています!」


「分かりました。それじゃあ、フレリアさんとミールマーレさん2人共付いて来て下さい。」


 他の貴族の1人が縋るように話す。


「私達は!?」


「兵器を手に入れた後で迎えに来ます。迷宮を出ますので後ろから付いて来て下さい。迷宮入口手前付近で隠れた後で、迷宮入口に陣取っている兵士達を蹴散らしたら合図するので、何処かへ避難して下さい。」


 数哉へ尋ねた貴族が渋々と言った様子で返事する。


「・・分かった・・。」


「それでは、行きます。」


 フレリアとミールマーレは頷き、牢屋から更に奥に行く数哉に付いて来る・・数哉が迷宮の牢屋から進もうとした所でフレリアが叫んだ。


「待って!ここから向こうには行けない!この部屋には強力な火炎放射で攻撃される罠があるのよ!」


--「ラナ?」


『はい、大丈夫です。既に解除済です。罠等、気になさらずお進み下さい。解除不可能な機械的罠があれば事前に報告致します。』


--「ふむ。」


 数哉が2人へ振り向く。


「ここの罠は解除済です。と言っても恐怖があるだろうから、少し待っていて下さい。」


 そう話しながら数哉が普通に部屋へ入って行くのを2人が少し警戒した顔で見ている。既に他の者達が奥へ逃げようとして罠に掛かり亡くなっていた。数哉は部屋の奥まで躊躇せず進み、振り返る。数哉の姿を確認するとミールマーレは進み出した。フレリアもミールマーレより先に行かなくては守れないと、急ぎ緊張した様子で進む。石畳の続く20m四方程の部屋を4つ進んだ部屋で、突如として部屋全体から音が発生した。


ゴゴゴゴゴゴ!


 両端の壁が勢いよく迫り来る!このまま3人共潰れるのでは?とフレリアはミールマーレの手を取ろうとした。引き返すつもりである。


--「ラナ!」


『大丈夫です。途中で止まります。隠し通路の入口が壁を出した後で開けるようになっています。』


 数哉は引き返そうとするフレリア達に話す。


「大丈夫だ!もうすぐ止まる。」


 数哉がそう話した瞬間壁は止まった。3人から二メートルずつ離れた所で壁が止まっている。壁の一部が下に降りて下へ降りる階段が現れた。


『あの階段を降りて下さい。』


--「分かった。」


 数哉が進み、2人も緊張を解いて進んで行く・・5分程階段を降りると3m四方で正方形状の何も無い白い部屋へ着いた。


--「何も無いぞ。」


『今から部屋毎、移動させます。移動開始と到着時に少し揺れますのでお気を付け下さい。』


--「分かった。」


「今から、この部屋毎移動します。問題ない筈ですが、少し揺れますので怖いなら座っていて下さい。」


 ミールマーレが先に話し、フレリアも大丈夫と後に続いて頷く。


「大丈夫です。」


コクリ。


 少し2人共、身体が揺らぐが問題なく部屋が動いている。動く振動が身体に伝わって来ていた。動く間にフレリアが疑問をぶつけて来る。


「聞いていいかしら?」


「答えられる質問であれば。」


「あなたは、何処の誰なのかしら?コーネットの知り合いって誰なの?」


「まず俺も、コーネットさんとは会った事があるんです。」


「コーネットに?」


「ええ、コーネットさんのパーティーに居たレモルと言う女の子が、特殊な毒を受けた様で薬を探されていました。」


「それで!レモルは助かったの!?」


「大丈夫です。あの女の子の事も知っているのですか?」


「ええ、あの子が生まれた時からね。良かった、助かったのね。」


「はい、あと俺が言っていた知り合いはアラルナと言う少女です。知っていますか?」


「・・いいえ、誰かしら?」


--でも、アラルナ・・まさかね?あの御方が戦争に参加される筈が無いし。それにアラル系の名前はこの国に結構多いから、気のせいよね。


「そうですか・・。俺は因みに、遠い日本と言う国から来ました。」


--嘘は付いてないしな。


「ごめんなさい、知らないわ。」


「いいんです、遠くて小さな国ですから。」


「冒険初心者を装っているのは何故なの?」


「?装っているんじゃなくて、冒険者ランクGの初心者ですが?」


「??・・本当なの?」


「はい、この通り。」


 数哉はギルドメダルを見せ浮かぶGランク文字を見せた。


「あなた、さっき硬い石を簡単に潰していたわよね?」


「ええ。」


「冒険初心者どころかベテラン冒険者だって、あんな簡単に石を粉々に潰せないわよ。」


・・五分程経ち到着した様で、少し振動が強くなった。


『数哉様、着きました。奥へお入り下さい。』


 部屋の一部が上に開いて、数哉達は部屋から出て行く。今までの部屋は天井に付いていた照明魔法具で明るかった為に薄暗い部屋が、余計に薄暗く見えた。しかし、空気の感じが数哉には懐かしく思え何処か昔を思い出す。


『今、部屋を明るくします。』


--「ああ、もう俺には見えたがな。凄い!・・大型ロボットか?昔・・オモチャではなく、いつか本物を作りたいと思っていた。」


『はい、遺跡兵器で名前はオストレイド二型です。破壊神が出た時に、破壊神に対抗する力として作られたと有ります。結果は無惨な様でしたが。』


「大丈夫なのか?」


『はい。並のS級冒険者でさえ、この装甲を破るのは難しいと思われます。』


「並の?S級冒険者成り立ての者には・・と言う事か?」


『はい。あと、数哉様はいつもの如く壊さない様に動かして下さい。ゆっくり動かしても、オストレイド二型はおよそ3倍の速さで動きます。数哉様が力いっぱいに動かすと壊れる事、間違い無しです。』


「それは困るな・・外にはミロアやイロアレベルの兵士達も居るんだろ?」


「はい。」


「このオストレイド二型が無いと俺では歯が立たなさそうだし、出来る限り壊さないように気をつけるか・・。」


 ラナは説明をしながら工場を点灯させ、明るくしながら話した。フレリアとミールマーレは、急な眩しさに手を翳している。


 中は巨大な工場を思わせ、7m近くある3体の二足歩行型が大きな黒の金属柱へドッキングされ、固定されている。右手の部分は5本の金属指が出ていて、器用にとはいかないが物を掴めそうだ。左手部分には手は無く、大きな円形の盾が付いている。ロボットの色は真っ黒であり、闇であれば明かりがなければ気付かないだろう。足は人間として身体の大きさから考えると、安定性を保つ為に大きい。片方の足が多くの年月を経た大樹を連想させる程の大きさである。足の裏にキャタピラが2本、片側ずつ付いていて移動はそれで行えるみたいだ。足の太もも部分には魔法大砲が付いていて、両足の外側に設置されている。可動出来そうなので上手く使用すれば空を飛ぶ敵にも使えそうだ。右肩には太腿部分で細かくした物を吐き出す機関銃もある。


 胸の部分が開いていて、人が乗れるようになっていた。手や足を入れるグローブが付いていて、頭につけるゴーグルも上から降りていて、線と金属シャフトでそれぞれ繋がっている。立って自身が動く事でロボットへ伝達し動かせるようになっていた。


--「ラナ、エネルギー源はどうなっている?」


『はい。外部からオストラルエネルギーを補充するか、自動で空気中のオストラルエネルギーを吸収する機能も付いています。但し、一日使えば身体部分の満充填まで3日は掛かる様です。兵器の方は一度空になると一週間は使えません。』


 数哉がオストレイドを見ながら、ラナと話しているとフレリアが何を考えているのか?と数哉に話し掛けた。


「どうしたの?あれが遺跡兵器なのでは?」


「・・そうです。遺跡兵器の名前はオストレイドⅡ型です。」


『私がオストレイドの通信装置でレクチャーしますので、乗り込むように話して下さい。』


--「分かった。」


「2人共、アレに乗り込んで下さい。使い方はオストレイドからアナウンスされるので、それに従って下さい。」


「分かりました。」


「はい。」


 3人共、それぞれ右手とロボットの節々を利用して乗り込んで行く。数哉はミールマーレだけはお嬢様の為に1人で乗れないのでは、と心配して眺めていたが問題無さそうである。軽やかに登る姿を確認すると、ロボットを見上げて自身も乗り込んだ。頭の上にあるヘルメット型のゴーグルを装着して足を固定した後で手袋型のグローブに、それぞれの指を入れる。


『・・では、魔法を使用する時の様にオストラルエネルギーを両手から流しオストレイド二型壱号を起動と唱えて下さい。』


 数哉以外のオストレイドは弐号機、参号機としてラナが調整し直している。


「オストレイド二型壱号機、起動!」


ガシャン!ギュン!ガチャン!ガチャン!


 柱から固定用の金具が離れ、それぞれのオストレイド二型が立ち上がった。


「ラナ、これでさっきの道は戻れないぞ?大き過ぎる。」


『大丈夫です。先程の道は通りません。右手方向を見て下さい。』


「ん?」


グイン。


 数哉が右へ首を振るとロボットが乗れるサイズのカタパルトの様な物が見える。


「あれで出るのか?他の救助者を迎えに行くと言ったのはどうする?」


『数哉様がある程度外のランゴアナ帝国兵を蹴散らした後に頃合いを見て、あの牢屋に外へ逃げる様に数哉様の声で放送致します。』


「分かった。」


 数哉がカタパルトへ移動して行くと、2人共ラナの指導の下で付いて来る。以外と簡単な操作で、その方向を向いてエアーウォークの様に動かすと、そちらへ動いていった。3体がカタパルトに乗ると、足下の台から手錠の様な大きな固定具が出て来て、足を固定される。


ガチャン!


『発進します。Gに備えて下さい。』


「おいおい。エレベーターの様に始めはゆっくり、途中速くて、最後ゆっくりと出られないのか?」


『申し訳ございません。機械式で組んでおり、変更不可能なプログラムです。』


「分かった。2人にも、フォローを頼む。」


『畏まりました。』


 ラナがミールマーレとフレリアのコックピットへ声を流した。 


『あなた達を、今から迷宮外へ放り出すので気をつけなさい。では』


プチ・・。


 数哉以外は興味の無いラナが、かなり粗雑なアナウンスを入れた。フレリアとミールマーレは急なアナウンスに戸惑う。


「え!?待って下さい!急に帝国兵の中に放り込むつもりですか!ミールマーレ様も居るのですよ!それに放り出すって、おかしいでしょう!もっと丁寧にアナウンスして下さい!聞いてますか!?」


「え!?えぇ?私・・放り出されるのですか?」


『・・発進。』


ギュン!


「「きゃああぁ〜〜〜!!」」


「・・このぐらいのGなら、大した事は無いな。2人共、大丈夫だろう。」


 最近異常な速度で走っていた数哉は、そう感想を呟いた。


「「きゃああぁぁぁ〜〜〜!!」」


・・2人が加速の脅威から開放された18秒後、遺跡外部へ続く道の分岐があったらしく下のレールが円形通路に沿って左回りへ回って行く。3人は上部の通路へ変更されて一時逆さまの状態となった。2人の髪は地上の重力に逆らえず垂れ下がった状態である。


「これか、分岐と言っていたのは?」


『はい。こちらが遺跡迷宮出口付近に出るルートです。後、2秒で逆さまから通常の姿勢に戻ります。』


「分かった。」


「「きゃああぁぁぁ〜〜〜!!」」


『・・あ。』


「ん?」


『なんでも、ございません。』


「そうか・・。」


・・・3人は遺跡迷宮の出口を出る直前まで進んた。


『出口を開きます。』


「ああ。」


 既にぐったりとしている2人にも、アナウンスされる。


『出口です。』


「え?もう!?」


「いっ!今から放出されるのですね!」


ゴクッ。


 遺跡迷宮の隠し出口が開いて行く。


ゴゴゴ!ゴゴゴゴゴゴ!


 その音に遺跡迷宮出口を守っていたランゴアナ帝国兵士の精鋭27名が振り向いた。


「どうした!」


「なんだ!まさか、抵抗軍か!」


「あそこだ!地面が割れていく!何か出て来るかも知れん!気をつけろ!」


 兵士達がそれぞれ得意な武器を構え、割れている箇所と並行に一列で整列していく。一瞬で戦闘態勢が整えられ、兵士の顔も歴戦の戦士の表情へと変わった。


ビュン!ビュン!ビュン!


 数哉の壱号、弐号機のフレリア、そして参号機のミールマーレが発射された!兵士達とは逆方向へ、勢いのまま200m飛ぶと慣れていない3人の操縦するオストレイドは、うつ伏せ状態のまま着地して派手な音と共に滑って行く。


「これ、空中で態勢整えるの難しいぞ!」


「「きゃあああぁぁ〜〜〜!」」


 更に、勢いよく前にあるビルへ突っ込んでいく。


ズザザザザ〜〜!ドゴォ!ガラガラガラ・・・・。


 ビルへ突っ込み瓦礫に埋まった様子を見て、兵士達が気の抜けた感じで武器を降ろした。


「・・自滅か?」


「なんだ?あれ・・?」


「何もせずに終わったな・・。」


ガラガラ!ガラガラガラガラ!


 ビル内では、3体のオストレイドは自動バランス機構で大きな手と盾を着いて起き上がっていく。


「ラナ、二人は大丈夫か?」


『はい。宜しければ音声を繋げますが?』


「ああ、頼む。」


『畏まりました。』


「フレリアさん、ミールマーレさん大丈夫ですか?」


「なんとかね。」


「はい。」


「では、ビルから出ます。このオストレイドの装甲はあそこに居る兵士達には破られません。相手の魔法や剣等は気にせず、体当たりや盾の振り回しで倒して下さい。」

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