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ラナ markⅢ  作者: ススキノ ミツキ
10/37

第10話 始めての魔法

・・パン屋退治を終えて、昼御飯を食べようと数哉は歩いていた。


--「そう言えばギルドで初歩魔法を習えると聞いていたが、近くのギルドでは何も学べそうな所が無かったな。」


『そうですね、調べてみます。』


--「いや、そう急いで無いから食事処に着いたら聞いてみよう。ラナはどうする?実体化して一緒に食事しないか?」


『いえ、数哉様がレリクスでの会話を覚えるまでは補助させて下さい。』


--「遠慮しなくても良いんだぞ。」


『私の存在意義に反しますから。』


--{まだレリクスには、数哉様の事を害せる存在が多くあります。出来る限り、私が腕輪化して御守りしなくては。}


--「そうか?ラナの思う所があるのなら仕方ないが、悪いな。今の時点では、この地域ぐらいの生活言葉だったら大体分かると思うが。」


『流石、数哉様です!この様な短期間で。』


--「複雑な言葉はまだ分からないぞ。」


『それでも凄いと思われます。全く違う世界でこれ程早く言葉を理解出来る人間は殆どおりません。』


--「単語の並べ方の癖さえ見抜けば、後はどんな言葉でも記憶力だけの問題だからな。」


『仰る通りです。最近、私が数哉様の声で通訳されなくても、お話をされていたので御理解が深まっているのだろうとは思っていました。』


--「まあな、ん?あの看板・・。」


『聞く手間が省けた様ですね。』


--「やはり、そうか。」


『はい。』


 道の端にある巨大な看板に【来たれ!冒険者よ!興味のある方は、こちらへ!初歩魔法講座を行なっています。冒険者ギルドより】と書いた看板を数哉は見つける。


--「あの地図の場所に後で行ってみるか。」


『はい、コーストの話していた場所と思われます。』


・・数哉は、看板ある地図の位置へ進むとそれ程客が待って居なさそうなレストランを見つけた。店の前には、木の看板にメニューが書かれている。


--お!この店の看板メニューがワロー肉って書いてある。此処にするか。


ギイ。


 中は外見からも分かる様に広くはない。4人で座れる木目のテーブル1つに10席のカウンターがある。中年夫婦2人で経営していてカウンターの1席だけ空席だった。


「すみません、1人良いですか?」


 数哉が話すと、前掛けを付けた中年女性が愛想も無く答える。


「好きな所に座りなよ。」


--1席しか空いて無いけどな。


コト。


 数哉が座ると、中年女性が水の入ったコップを置いて注文を取りに来た。


「注文は?」


「このメニューに有るワロー肉のステーキを下さい。」


「あいよ。」


 中年女性は、数哉の前にワローの塊焼きと走り書きした小さなメモを置いてカウンター内に入って行く。厨房に居る夫に入った注文を連絡していた。狭い店の為に、料理の良い匂いが立ち込めている。隣の人の料理もチキン系の肉の煮込みにソースの掛かった料理で美味しそうに見えた。


--アレもワロー肉か?


・・少しすると中年女性が木のお盆に乗せたワロー肉のステーキを持って来る。大きな皿の上に切られた肉がドンと500g程度載っていた。もう一つの皿には、緑の野菜がてんこ盛りである。香草の様で匂いは、かなりキツイ。


--凄い匂いだな。


 肉は切り分けられていてフォークで食べる様だ。フォークを数哉は持ち肉に突き立てる。


ググ。


 肉質は、かなり硬いが数哉の力は強く普通に刺さった。子供の場合は硬い為にもっと細かく切ってあり、スプーンで食べる様である。


 数哉は肉の一切れを口に入れた。


--臭い・・。


『数哉様、それは付け合わせの葉を巻いて食べる料理です。』


--「ん?ああ。これで巻いて食べるのか?こっちの葉もかなりの匂いだかな。」


 数哉は葉を右手で取り、ワロー肉を包んで口に入れる。


--「なるほどな。お互いの匂いが合わさると、それを消しあい食べれるのか。全ての匂いが消える訳じゃないから食べ難い事には違いない。それに、ラナの料理の方が抜群に美味しいぞ。」


『!?それはプロポーズですか!?毎日、俺の料理を作ってくれみたいな!直ぐしましょう!今直ぐしましょう!結婚を!今夜の○ッチは何回しますか!』


--「落ち着け。季語は無いが俳句みたいになってるし、○ッチもしない。」


『新婚で、早くも○ックスレスですか・・?』


--「違う、料理を褒めただけで飛躍し過ぎだ。プロポーズをした訳じゃない。」


ガクッ!


--「ただ、もうレリクスのワロー肉料理は御免だな。ラナの料理なら食べても良いが。」


『でも嬉しいです!褒めて下さって!今日の晩ご飯はワローを1匹丸ごと料理します!』


--「丸ごとは、いくら俺が沢山食べれる様になったとは言え食べきれないぞ。程々にな・・。」


『畏まりました・・。』


・・数哉は我慢しながら料理を食べ終わると、298ディルを支払って店を出た。看板通りに進むと、大きな通りを右に折れた直ぐに無愛想な模様も無い体育館程の大きさの白めの建物がある。


--ここの様だな。


 建物の前にある木の受付カウンターに3人の冒険者とギルド職員の1人が居た。その前には、新人冒険者が二列で講義を受けようと並んでいる。数哉も列の一番後ろに1人で並ぶが、数哉と同年代の前の男3人と女1人のパーティーが数哉のボロボロの鉄鎧を蔑んだ目で見て来た。数哉が気にせずに並んでいると、その中のパーティーの数哉と同じ年代で少し派手な鎧姿のリーダーが話し掛けて来る。


「お前は冒険者を辞めた方が良いぞ。」


「「ククク・・。」」


 数哉が気にしていない様子で話した。


「どうしてだ?」


「お前、どう見ても弱いだろう。そんなボロボロの鉄鎧着て。弱いベロウレに追い掛けられて、角で穴開けられたのではないのか?」


--「ラナ、ベロウレって何だ?」


『ワローの幼少期の呼び名です。数哉様の仰っていたゲームの最弱魔物的な存在ですね。数哉様・・。』


--又、ラナの怒りが来るか。まぁ馬鹿にされて嬉しい訳でも無いし、ラナが怒ってくれる事で溜飲が下がる所もあるんだけどな。


『申し訳ございません。我慢出来ず、外道男のサイドポーチに爆弾を・・。』


「こら!早く取り除け!どっかに!」


--しまった!声に出してしまった!いや!それ所じゃない!


--「被害の無い所に転送しろ!」


『畏まりました・・。』


「何だ!お前!急に気持ち悪い奴だな!」


『すみません数哉様・・ド外道男のサイドポーチの爆弾が先程よりも増えた様です。』


--「人を殺したら!俺の傍から離れて貰うからな!」


--{転送てんすぅ〜〜!!}


『宇宙の彼方に消えました!というか!サイドポーチの中には無かった様です!私の勘違いでした!サ〜!!』


--「まったく・・今まで通り、行動に移す前に許可を取ってくれ。どんな悪い奴でも今の所、人を殺すつもりは全く無いからな。それに俺も危ないじゃないか。」


『数哉様には被害の無い様な指向性爆弾だったのですが、申し訳ございません・・つい。』


「ウゲイル様・・相手にしない方が宜しいかと。」


「そうだな、俺達には冒険者で億万長者となる夢が待っているからな。」


「・・ハハハ、偽物貴族がよく言うぜ。」


「何だと!?」


 ウゲイルと少女に呼ばれていた者が振り返り、数哉を睨んだ。


「何だ?俺は何も言ってないぞ。」


 数哉の後ろに8人もの新人冒険者が並んでいて笑っている。ウゲイルとは顔見知りの様で数哉を睨んだ後、その者達に気付くと忌々しそうな表情で前へ向き直った。


--偽物貴族か・・何か複雑な事情が有りそうだが、どうでも良いな。


--{パチパチパチ!良いですよ!ハゲチャビン!}


--「何か言ったか?ラナ。」


『いいえ・・。』


--「そうか?」


・・受付が進み、カウンターへ来ると数哉が話す。


「魔法の講義を受けたいのですが。」


 一番左の22歳、D級冒険者の男が数哉に応えた。


「それじゃあ、講義授業料の3千ディルを出してくれ。後はここに名前な。」


 男が受付カウンターに置いてあるノートを指す。


「すみません、字が分からないんです。」


「ん?ああ。名前は何て言うんだい?」


「数哉です。」


「だったら、こうだな。」


 男がノートの端にカズヤと書いた。


「なるほど、こうですね。」


「字が分からないのに君は、字が綺麗だな。」


「ありがとうございます。これ3千ディルで。」


「あいよ。じゃあ、この建物内に入って何処の椅子でも良いから座っていてくれ。」


「はい。」


・・数哉が建物内に入ると、一昔前の大学の教室風景が広がっていた。長机が沢山並んでいて、100人は座れそうである。数哉は3列目の真ん中の席に1人で座った。


・・10分程すると、受付に居た3人の冒険者とギルド職員が教室のの黒板の前に立って自己紹介をしていく。まず1人目の数哉の受付をした少しだけ数哉よりも良い鉄鎧を着ている男からだ。


「はじめまして!俺はD級冒険者のクランプ。得意魔法は水魔法だ。」


 次は、ムキムキ筋肉の上にタンクトップの中年冒険者が自己紹介する。


「俺はC級のボルナル!得意魔法は氷魔法だ!」


--魔法を使う様には見えないな・・。


 次の20代女性は魔法使いの様なローブを着ている。


「私はD級のガーラよ!得意魔法は火魔法!宜しく!」


 ガーラが基本は講義を行うようで話しだした。


「それじゃあ、始めるわね。知ってるかもしれないけど、まずはこの世界に存在するオストラルエネルギーの話・・・・・・・なの。」


--「ラナが言っていた話だな。」


『はい。』


「・・魔杖を使うと、効率よくオストラルエネルギーを体内から生成出来るわ。ただ、高ランク者の中には外部のオストラルエネルギーも魔杖も使わず魔法を構築出来る人も居る。魔法の達人ね。それでは魔法の初歩魔法陣を3つ教えるわよ。黒板に書くから良く覚えて。まずはこう・・・。」


カ!キ〜〜〜!カ!カ!キ〜〜〜!


「机に紙があるから何度も書いて覚えて頂戴。書き順を間違えちゃあ駄目よ。この魔法は松明の魔法で杖の上に火を起こせる。時間はエネルギーを注げば何時間でも可能よ。キャンプをする時に火を付ける時にも使う事が多いわね。」


・・全員、紙で練習しているが数哉だけ動かない。


『数哉様は書かなくても良ろしいのですか?』


--「ん?ああ、あのぐらいなら一瞬で覚えた。」


『流石!数哉様です!』


「次は俺だ!氷魔法の初歩魔法だ!良く覚えておけ!・・・こうだ。」


 ボルナルが黒板に書いて、数哉以外は全員紙で練習している。


「・・これが小さな氷を作る魔法だ。食べ物の保存や、飲み物に入れると暑い地域では助かるぞ!」


--初歩魔法は生活的な物が多いみたいだな。


「それじゃ俺は、水魔法・・・・こう画く。」


 最後にクランプが黒板に魔法陣を画いた。


「飲み物が無い時に重宝するから、ちゃんと覚えてくれ。この3つの魔法がライセンス無しで人が使っていい魔法になっている。他の魔法を覚えるのなら学校に行ってライセンスを取るんだ。魔法は危険だからな。勝手に覚えて使用すると、衛兵に捕まるぞ。」


--そうなのか?運転免許証みたいな感じなんだな。


「ライセンスはF級からA級まである。どのライセンスを選ぶかで難易度が変わるから覚えて置いてくれ。最後にライセンス試験を合格すれば、こんなカードが貰えるぞ。頑張ってくれ。よし!それじゃあ、裏の訓練場で実際に今覚えた魔法を使ってみてくれ!そこの出口に置いてある魔杖を忘れない様に!」


 3人の教師が出た後を追って外に出ると、運動場並の広さの空き地がある。その中心まで歩きクランプが再び話した。


「よし!皆!半径2m以上離れてくれ。離れたら誰からでも良い!練習を始めてくれ!杖にエネルギーを通すコツは杖の先の空間を握る感じだ!出力を上げるコツは、身体に流れるエネルギーを感じたら、それを太く速くするイメージと相反した凝縮させるイメージを併せ持つ事!良いな!?」


・・全員杖を持ち、言われた通りにイメージするが何も起こらない。約2分経ってウゲイルとその横に居た少女が、魔法陣を画き僅かではあるが炎と水を出した。


「・・松明よ!いでよ!やった!出来たぞ!」


「・・水を出して!私も出来ました!ウゲイル様!」


 ウゲイルがどうだ!とばかりに偽物貴族と呼んでいた者達を見る。男達は、それが気に入らなかった様でウゲイルの傍へ近寄った。ハゲた中年男はウゲイルに怒りをぶつける!


「ウゲイル!ちょっと早く魔法を覚えれたからって!いい気になるんじゃねぇぞ!俺達がこんな事しているのは誰のせいだと思ってやがる!お前の親父が王国の事業を失敗して貴族階級を剥奪されたからだろうが!関係ない俺達までクビにしやがって!」


「何だと!?」


 ウゲイルが男に掴み掛かろうとした所でクランプとボルナルが動いた。2人の首に魔杖を当ててボルナルが話す。


「お前達の事情は知らんが、授業の邪魔をするなら出て行って貰う!」


「く!・・。」


「け!・・何でもねぇよ!」


 ハゲの中年男は振り返り、クビにされた仲間達と自分の場所に戻った。数哉は関係ないと一生懸命魔杖の上を見つめているが何も起きない。


--杖の上の空間を握る・・杖の上の空間を握る・・。


メキ!


--あ・・しまった。


 数哉は集中する余り、杖を持つ手に力が入って杖を折ってしまう。ガーラが気付いて数哉の傍に来た。


「ごめんなさいね!多分、杖が腐っていたんだわ。予備を持って来ているから、これを使って頂戴。」


「いや、多分俺が折ったと思うので弁償します。」


「ハハ!ただ握るだけで杖が折れる!?そんな馬鹿力の冒険初心者が何処に居るのよ!さぁ!変な事言ってないで練習する!」


--本当なんだか・・。


・・数哉は受け取り練習を続ける。周りでは既に多くの冒険初心者達が次々に成功していた。


--「ラナ、やっぱり地球人の俺では魔法は無理じゃないのか?」


『いえ、そんな筈は有りません。私が思うに杖を守るのを気にし過ぎてエネルギー生成が出来なくなっているのではと?一度、私が杖を保護します。思いっきりやって見て下さい。』


--分かった。人間、一番水が大事だから水魔法にしてみるか。


 数哉の杖が薄い膜で覆われていく・・。


『・・保護は完了致しました、どうぞ。』


--よし!握る感じ!・・握る感じ!・・。


ググググ!


 数哉の杖にも強い力が込められた!・・すると身体の奥底から腕を伝い杖を通るエネルギーが感じられて上空18mの高さに小さな水の粒が生じ、ドンドン大きくなっていく。高度が高い為に他の者はまだ気付いていない。目の良い数哉とラナだけが、それを認識していた。


--「ラナ・・かなり上空に水の塊が見えるんだが錯覚か?」


『いいえ、数哉様が魔法で生成した物に違い有りません。ただ些細な事ですが、これ以上大きくすると落ちた時に他の者達の首にダメージがあるかと?』


 数哉はエネルギーを注ぎ込み過ぎて、既に直径7mの水球となっている。


--あ・・。


 数哉は杖を下ろしてエネルギーを注ぐのを辞めると、巨大な水球が落ちて来る。


--しまった!


--「ラナ!水を何処かの池か湖に転送してくれ!」


『畏まりました、転送。・・完了です。』


--「ふ〜・・練習は誰も居ない町の外でやろう。」


・・数哉は練習する振りをして杖を掲げていた。他の者達はいずれかの魔法を一つは成功させている様である。そこで時間切れとクランプが声を上げた。


「そこまで!後は各自で練習してくれ!魔杖は元の場所に戻す様に!解散!」


 数哉が何も発動出来ていないのを見ていたのか、ウゲイルが蔑む様な笑いでチラリと数哉を見る。数哉は気にしていない。


--{転送・・。}


「冷たい!何だ!?これ!」


 ウゲイルのサイドポーチから水が溢れて片側のズボンが濡れていた。


--「ラナ?」


『申し訳ございません・・。』


--「いや、良くやった。」


『!?ありがとうございます!近くの湖の水、全てをウゲイルに掛けてやります!』


--「それは、するな。」


『畏まりました・・。』


--「それよりも、俺が強く握っても折れない魔杖がこの都市に売っていないか調べてくれ。」


『畏まりました・・申し訳ございません。アルトデルト内には、売っていない様です。』


--「そうか。」


『ただ・・この北にあるギルドの依頼で依頼報酬の中にお金では無く、魔棍棒と言われる魔杖と棍棒を合わせた性質を持つ物があります。それなら現在の力で握っても壊れない筈です。』


--「そんな物があるのか?」


「はい。魔杖としては効果が半分以下しか無い為に使う者が殆ど居ない様ですが、持ち替えるのが面倒と言う者の為に作られた様です。」


--「なるほど。」


『近接戦闘も可能とした物ですので、魔杖の外側を金属で覆っています。数哉様が振り回すと壊れてしまいますが、程々に握る程度であれば耐えれるかと。』


--「それじゃあ明日は、まず魔棍棒の依頼を請ける為にギルドに向かおう。もう夕方だしたまには、町の宿に泊まってみよう。」


『畏まりました。』


・・数哉は通り沿いにあった1階がレストランの宿に入ってみた。数哉と同じ歳ぐらいの女の子が、メイド姿で入り口のカウンターに立っている。


「いらっしゃいませ!お食事ですか?宿ですか?」


「宿を取りたい。いや、食事もかな?」


「1名様でいらっしゃいますね?」


--「ラナ、一緒に食事するか?だったらに2名で取るが?」


『そうですね、御一緒に食事させて頂ければ。』


--{この近くには強いエネルギーを持つ者は居ない様ですし大丈夫でしょう。}


「2名で頼みたい。」


「御2部屋おふたへやをご用意すれば宜しいでしょうか?」


「それで頼む。」


--{!?}


『数哉様!申し訳ございません!私は今日!ダイエットしますので、1部屋でお願い致します!』


--「?ダイエットなんか必要なのか?太ってるようには見えなかったが。」


『ほ!お尻が!ホンの少し!』


--「?・・まぁ、分かった。」


「すまない、やはり1部屋で頼みたい。」


--{ふ〜、危うく添い寝と言う一大イベントが無くなる所でした・・。}


「畏まりました、では前金で4200ディルとなります。」


 数哉は手を後ろに回し、ラナに貯金の中から出して貰った。


「これで。」


「はい、それでは二階の207号室になります。お出掛けの際は貴重品を持ってお出掛け下さい。」


--鍵は無しか。


「分かった、食事は?」


「好きな時にテーブルに着いて下さい。食べ終われば、こちらで精算いたします。」


「了解した。大して荷物も無いし、食事にさせて貰おう。」


「はい、お好きな空いている席へどうぞ!」


・・周りを見ると11卓の丸の木テーブルがあって4卓は既に座っている者達がいる。数哉は1つ離れたテーブルに着いた。テーブルにはメニュー表が置いてある・・メニューを眺めて少し経つと、先程のメイド姿の給仕が注文を取りに近付いて来た。


「ご注文は、如何なさいますか?」


「そうだな・・ワロー肉以外で美味しい肉料理が食べたい。」


「それでしたら、本日モルモルと言う鳥がオススメとなっています。」


「それでは、それを。」


「飲み物は、このミスタルナーロのお酒がオススメです。」


「?・・。」


--「ラナ、もしかしてレリクスでは酒を何歳でも呑んで良いのか?」


『決まりは無い様で10歳ぐらいからレリクスでは呑んでいる様です。』


--「そうか・・では初のお酒としてみるか。」


「そのお酒は、弱い人でも呑み易いのかな?」


「はい。強い人にとっては、炭酸ジュースみたいな物ですから。」


「そうか・・なら、それを貰おうかな。」


「はい。直ぐにお持ちします。」


・・言葉の通り、素早く淡い青色のお酒を給仕が持って来る。


「どうぞ。」


「ありがとう。」


ゴク。


「美味しいな。本当に炭酸ジュースみたいだ。」


--味は青リンゴに近いかな?後味は少しグレープフルーツの苦味を感じるが。


ゴクゴク。


「ふ〜・・。」


『数哉様、少しペースが速い様ですが・・。』


「ん?喉が乾いていたからな。これも美味しいし。」


 数哉が人生初のお酒を楽しんでいると、3人の冒険者姿の男達が入って来た。既に何処かで呑んでいたらしく顔が赤い。


「フハハハハ!お前達には困ったもんだ!タレデック1匹に手こずるとは!」


「いやぁ!クレドンさんは強いですねぇ!もしかしてランクも高ランクで!?」


「まぁな!俺はCランクだ!なかなかギルドがBランクとして認めねぇが!実力的にはBの上、いや!Aと言っても良いだろう!」


--ん?賑やかなのが入って来たな。


 男達は、数哉の隣のテーブルに乱暴着くと給仕の女性を呼んだ。


「おら!姉ちゃん!早く注文取りに来ねえか!?」


「はい!只今!」


 女性が注文を取りに近付くと、クレドンは手を取り引き寄せる。


「キャッ!やめて下さい!」


「何だ!?その客への対応は!・・へへ。」


 クレドンは厭らしい笑みを浮かべ女性のお尻を撫でている。お裾分けを貰おうと2人の男も女性を囲みだす。


「いや!やめて!」


 クレドンは女性の胸を目指して右手を伸ばす。


バシ!


 数哉は男達のスキマから手を伸ばしてクレドンの右手首を握っていた。


「やめろ・・可憐な女性に失礼であろう。」


『可憐?あろう?・・数哉様?もしかして酔ってらっしゃいます?』


--「酔っていないさ、俺の大事なラナ。」


『!?もう世界と共に滅んでも幸せです〜〜!!』


--「滅ぶなよ・・俺の大好きなラナ。」


『ジ!ゴ!ロォ〜〜〜〜!・・・・。』


コテ。


--「?・・ラナ?」


 ラナは何処かに意識が飛んでいる・・。


ギギギ。


 クレドンは振り払おうとするが全く動かない。2人の男が数哉を殴ろうとするがクレドンを軽い人形の様に扱い、腹で2発受け止めさせた。クレドンが女性の手を放した隙に女性は逃げている。


ぐえっ!


「この野郎!」


「ふむ?何故、私を睨む?殴ったのは、お前達であろう?」


「ふざけんな!お前がクレドンさんを動かしたからだろうが!」


シャキ!


 2人が腰の剣を抜く!客が引いていて、メイド姿の娘が止めようと声を上げる。


「店で暴れるのは、おやめ下さい!」


 数哉はクレドンを床に投げ右手人差し指を口に当てた後に、男達を指差しながら澄まし顔で答えた。


「フフ・・このソールマスターとやり合うつもりかい?」


・・格好良く話しているが、翻訳すると凄く上手な足の裏使いである。勿論、数哉の顔はお酒で赤い。床に放り投げられたクレドンも直ぐに立ち上がり、剣を抜いた。


「・・意味の分からねぇ事を言いやがって!そんなボロボロの初心者鎧を着た奴が!おら!」


ブオッ!バダン!


 クレドンが剣を数哉へ振る途中で、クレドンは地面へと勢いよく倒れた。数哉が足の裏を使って倒したのである。クレドンの足は何故か折れていない。倒れた衝撃で身体の痛むクレドンは足に何かが当たった感触はあるが、数哉の高速足捌きに何が起きたか分からず叫んだ。


「ぐぅ!何しやがった!?」


 クレドンと2人は一気に遅い掛かる!


バタン!バタン!バタン!


「「「ぐぁ!くそ!」」」


 クレドン達は何度も立ち上がっては数哉を襲おうとするが、その度に軸足を払われて倒れた。


バタン!バタン!バタン!・・バタン!バタン!バタン!


「ぐお!」


「ぐ!な!」


「つあ!」


バタン!バタン!バタン!・・カラン。


 身体の痛みに剣を転がすと、クレドン達は数哉が分からない何かを行なっている恐怖に怯えだす!


「・・分かった!すまない!何もしないから、もう許してくれ!」


「ふむ・・悪いが、剣で斬りつけられそうになったしな。悪い奴は殺した方が世の中の為であろう。」


 数哉は、そう話してクレドンの剣を拾った。そして、倒れているクレドン達に剣を突き付ける。


「も!もうしません!この通りです!」


 3人は酔いも冷めて、急いで土下座を行なった。


「私に謝らなくても良い。お前達が謝るのは、こちらの女性にではないのか?」


「「「申し訳ございません!」」」


 男達の土下座に女性は許したらしく、もう構いませんと片手を少し振っている。ラナも男達の声の後に目覚めた。無意識に数哉の通訳だけは行なっていたが記憶が少し飛んでいる。


『は!私は何を?』


 男達が店から逃げて行き、数哉は男達を倒す時に動いたテーブルと椅子を戻そうとした。メイド姿の女性は恐縮しながら慌てて手を伸ばす。


「お客様!私がやりますので!あ!」


 女性は急ぎ過ぎて躓き、数哉へ飛び込む形に倒れた。数哉は、怪我をさせない様に両手で支えようとする。その両手に丁度、女性の柔らかな胸が伸し掛かった。


ムニョ。


「ごめんなさい!」


 女性は顔を真っ赤にして数哉から離れる。数哉は胸を触った事を謝った。


「すまない・・私もアイツ達の事を言えないな。」


「いえ!お客様はワザとでは有りませんし!私が勝手に躓いてしまったので!それよりも助けて頂いて有難うございます!私の名前はエレサと言います。」


「数哉だ。礼は構わないが、君みたいな可憐な女性は気を付けた方が良い。」


ボッ!


 再びエレサはお辞儀をすると、顔を真っ赤にして去って行く。


--{?数哉様が肉食系男子に目覚めた?}


・・数哉は、熱い視線を送ってくるエレサの持って来た肉料理とミスタルナーロ酒2杯を呑んで部屋に戻った。そのまま数哉はベッドに腰掛ける。


「ふ〜・・ラナ、実体化してくれ。」


 ラナが数哉の前に近代化したセーラー服姿で姿を現した。


「大丈夫ですか?数哉様。水をお出ししましょうか?」


 数哉は応えずに立ち上がる。


「こんな魅力的なラナが傍に居てくれて嬉しいよ。」


「え?」


 数哉はラナを抱き寄せると、セーラー服を少し上げて手を綺麗な肌へ添わせた。手は添わしたまま少しずつ上へと上がっていく。ラナは数哉の手の温もりをかんじた。


「・・あん・・数哉様・・・。」


 ラナは抵抗せずに数哉に身を任せようとしている。


ガバッ。


「あ・・嬉しいです、数哉様。」


 数哉はラナに凭れ掛かる様に抱き着いた。


「・・ぐぅ〜・・ぐぅ、ぐぅ。」


「数哉様?もしかして、寝てらっしゃいます?」


--{うぅ・・もう少しだったのに・・・。}


・・次の日、ラナの添い寝の横で起きた数哉は反省していた。


「・・いつの間にか寝てしまっていたのか?記憶も曖昧だし、お酒は程々にしないとな。」


・・朝、宿の水浴び場で身体を洗ってチェックアウトをしようと受付に向かう。受付にはエレサが立っていた。


「チェックアウトですか?カズヤさん。」


「ああ。」


 エレサは、一晩考えた言葉を勇気を出して話す。


「又、是非!泊まりに来て下さい!私!待ってますから!」


「ん?ああ。機会があれば。」


 鈍い数哉は、そう話して宿を後にした。エレサは残念そうに数哉の背中を見ながらポツリと話す。


「機会があれば・・か。」


・・数哉が魔棍棒を得るべくギルドを訪ねると、依頼受付カウンターに見知った者達が居た。ウゲイル率いる4人パーティーである。


「この依頼を受けたいんだが。」


「申し訳ございません。余りにも冒険初心者の死亡が多い為に、この依頼は5人以上が条件となっています。ウゲイルさん達は4人パーティーですよね。もう1人誰かを連れて来て下さい。」


「私達がベロウレ如きにヤラれると言うのか!?」


「そう言われましたも・・実際、Gランクの4人パーティーが多くのベロウレに殺された事例が幾つか有りますので。」


「私達は確かにGランクだが!ただ単に冒険者としての経験が無いと言うだけだ!戦闘の訓練は日頃から行なっていたし、Dランク以上の実力がある!」


「決まりですから・・。」


「全く!融通の利かない奴だ!」


「誰か!?私のパーティーとアモワナ鉱石輸送依頼に行ってくれないか!1人で良い!」


 後ろに振り向きながら話すと、丁度カウンターへ向かう数哉と目があった。


--「ん?又、アイツか・・。」


『又ですね。出直されては?』


--「そうだな、そうするか。」


 数哉が踵を返すと後ろから声を掛けられた。肩を持たれそうになるが、数哉はそれを避けながら振り向く。


「おい!オマエ暇だろう!」


ヒョイ。


「いきなり失礼な奴だ。暇じゃない、他を当たれ。」


『又、ビショビショにされたい様ですね。』


「少しだけ、私の素晴らしい冒険を経験させてやろう。」


--「まったく俺の話を聞いてないな・・。」


『耳が腐っているのでは?』


--「有り得る。」


「報酬は、私の冒険に付き合える事と報酬の一部の魔棍棒をやろう。」


--「ん?魔棍棒?」


『どうやら、数哉様の狙っている依頼ですね。』


 横の少女がウゲイルに向かい、報酬が間違っていると話した。


「ウゲイル様。パーティーの助っ人を頼む場合は、人数割した上に2割乗せた報酬以上が基本となっています。ただ頑丈なだけの魔棍棒の報酬では誰も雇えません。」


「しかし、パーティーが5人以上が条件の依頼であるし、初歩魔法も覚えれない様な初心者にその報酬は可笑しくないか?」


--5人以上が条件なのか・・?此処は乗っておこう。他の者達を雇うのも面倒であるし。


「分かった・・俺は冒険初心者だし、魔棍棒の報酬で助っ人を引き受けよう。」


 数哉の応えにウゲイルが話す。


「そうだろう!本当は冒険の仕方を教えて貰えるだけで感謝して欲しい所だ。まぁ、オマエには助っ人として期待していない。戦闘の邪魔であるから、後ろで私達の戦闘を見て見習うが良い。」


『戦闘中、後ろからウゲイルの尻を宇宙まで蹴り上げる事をお許し下さい。』


--「ダメだ。尻だけと言っても死ぬぞ、それ。ウゲイルは、こういう奴なんだろう。出来るだけ聞き流してくれ。」


『畏まりました・・。』


「・・分かった、後ろで居よう。」


「よし!それでは依頼を受けたら直ぐに立つ。一時間待つからアウラ山へ行く準備を整えてくれ。予想では5日間程、帰って来れないからな。」


--「ラナ、遠いのか?」


『片道約20km程しか有りません。』


--「近いな・・。」


『歩くつもりでしょうか?』


「このギルドの前に馬車を用意して待っているから来てくれ。」


--「馬車なのに5日間もか?」


『牛系と間違えているのかも知れません。』


--「それは無いだろう。まぁ、後で分かるさ。」


「・・分かったが待つ必要は無い。冒険の準備は出来ている。」


--「ラナ、背中に大きい山用リュックサックを出してくれ。」


『畏まりました・・転送、完了です。』


「・・ほら、これだ。」


「!?そんな物、さっき背負って無かっただろう?」


「いいや・・だったら、この荷物は何処から出したと言うんだ?」


「そ、そうか?私の目の錯覚であったか?・・それでは遅くならない内に出よう。」


「ウゲイル様、一応その前に自己紹介をさせて下さい。」


「そうだな、名前を知らないのではフォローしてやる時に困るか・・私はウゲイルだ。」


 次に話すのはウゲイルのフォロー役と言う感じの少女が愛想もなく話す。


「私はウゲイル様の従者ミオネです。こっちの剣を持っているのは弟のホスで、こっちの短剣と弓矢を持っているのは私の従兄弟のフネト。いずれもウゲイル様の従者よ。」

 

 男で似合っていないロング髪を後ろで束ねているフネトが不機嫌そうに話した。


「その紹介は間違えている。俺はもうウゲイル様の従者じゃない。お金も貰っていないし稼げる他の話があればパーティーを抜けようと思っているからな。」


 ウゲイルは忌々しそうにフネトを見て、ミオネはフネトを攻める。


「フネト!ウゲイル様からの、今までの恩を忘れたの!?」


「恩は感じている。だが、それだけでは食べていけない。俺には酒ばかり呑んでいるクズの親父もいるからな。」


 溜息をつく様に首を軽く振り、ミオネが話した。


「・・自己紹介は終わりよ。そちらは?」


「俺は数哉だ。」


「分かったわ。」


「ウゲイル様・・。」


「それでは行くぞ。」


・・ギルドを出て、壁沿いに少し歩くと馬車と馬の停留所が見える。レンタル馬車で、馬はホスが運転する様だ。数哉はウゲイルと一緒に乗る事を嫌い運転席へ乗り込む。ホスは数哉をジロリと見る。


「運転出来るのか?出来ないなら邪魔だし、後ろに乗ってくれ。」


「安心しろ、運転出来る。」


「それは疲れたら代わって貰えるのか?」


「ああ、勿論。ずっと運転しても構わない。」


「なら、乗ってくれ。」


--この冒険初心者、以外と使えそうだな。

 

 ホスは数哉の評価を上げた。


・・公都を西に出て壁沿いの道を北に進んで行く。数哉は北西にあるアモワナ山に何故そのまま向かわないのかを不思議に思った。


「山の方向は向こうじゃないのか?」


「流石、初心者だな。公都周りを北上した方がエルラが少ない為に安全なんだ。整備されてない荒野を行く命知らずなんて何処にもいない。途中でキャンプする時も当然道沿いに建てる。高ランク者でも無い限り命が幾つあっても足りないぞ。覚えておくんだな。」


「覚えておこう。」


--「・・らしいぞ、ラナ。」


『お強い数哉様には、必要有りません。数哉様に危険が及ぶ様なエネルギーの物は、私が感知可能ですから。』


--「そうか、それにしても馬車って言うのは遅いな。馬は地球に存在する物と同じみたいだな。」


『地球の馬よりも一回り大きいですが速度は大体同じですね。身体が大きい分、力は少し強いみたいです。』


--「まぁ、仕方ないか。」


『宜しければ、時間潰しに何か食べられますか?』


--「そうだな・・そう言えば、アルトデルト公都で買ったモロ芋でポテトチップスを作ったと言ってたよな?」


『はい。数哉様の買われた地球産のポテトチップスに成分が似ていましたので作りました。初めて作りましたから、上手く作れたかどうかは分かりませんが。』


「それを横のリュックに出してくれ。」


『畏まりました・・転送。』


 数哉はリュックから白い布に包まれた物を出すと、口に入れてみる。


パリ。


--「中々、イケる。」


『地球産と比べて如何ですか?』


--「そうだな・・サクサク感は負けている感じがするな。味は、でもこちらが勝っているか?こちらの方が塩の中に甘みを感じる。」


『流石数哉様です。仰る通り、塩はミネラル分を多く含んだ海水から作りました。食感の改善に努めます。』


--「いや、こういう食べ物として考えれば十分美味しいぞ。」


パリパリ。


『有難うございます。』


 ホスが数哉の食べ物に興味を示し話した。


「何を食べているんだ?」


「ポテトフライだ。」


「芋の揚げ物にしては硬いんだな。パリパリ聞こえる。」


「いや、硬くは無いぞ。薄いからな。食べてみるか?」


「良いのか?」


 数哉は応えとしてポテトチップスを1枚持ちホスの前へ手を伸ばす。ホスは受け取ると、そのまま口に放り込んだ。


パリパリ・・。


「美味い!何だ!?これ!」


「そんなにか?良かったら、ほら。」


 数哉が数枚渡すとホスは顔を綻ばせて、数哉より3歳程若い年齢相応の顔を見せる。


「ありがとう!」


「ああ。」



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