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魔装の冒険者~素材が採れねぇ、このスキル~  作者: うまひ餃子
冒険者になりま章
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状況把握

 説明回、と言ってもややこしい話は特にないです。

 それでは、どうじょ(/・ω・)/




 一人歩きというのは誰にも気を遣わず楽ではあるが、一方喋る相手がいないという訳で。


 「この景色も飽きたな」


 独り言も増えるものだ。



 村を出て数日経った。

 これまでに他の村にも寄ったが何処もおっさんの村(仮称)よりは余所余所しかった。

 荷物を盗られ掛けた村からは逃げるように出て来た。勿論忘れ物はない。

 日本の治安は神懸っていたのだと、おっさんの村は特別であったのだと、痛感していた。


 そんな異世界だが、ガルボロ談によると科学の発展らしきものはやはりないそうだ。

 その代替物が所謂”魔法”と呼ばれるもののようだ。


 その魔法だが、様々な種類がある。

 火・水・土・風の四大基礎属性。

 炎・氷・金・雷の四大上位属性。

 複数の属性を併用することで使用できる複合属性。

 光・闇・空間などの特殊属性。


 夢が広がる、と言いたい所だが、この魔法属性は基本的に一部を除いて生まれついて備わっているのものしか使うことは叶わないそうだ。

 と言ってもその一部の魔法である複合属性魔法も元々持っている属性魔法を駆使する必要がある為、結局生まれついての資質が全てと言う他ない。


 つまり、俺はどんなに頑張っても魔法を使うことが出来ないということになる。

 ただ、歴史上に後天的に魔法が使えるようになった人物も居はするらしいので、可能性が零ではないのだそうだ。

 

 で、その魔法についてだが、これを使うには必要な物がある。

 ”スキル”である。


 スキルにもまた様々なものが存在する。

 魔法系、身体系、生産系、それ以外にも無数と言えるほどに存在しているそうである。

 例えば、火属性魔法を使う為には【火属性魔法】スキルが必要となる。

 しかし、ガルボロ曰く「この広い大陸、探せば未知のスキルで似た様な事できる奴もいるかもな」ということらしい。

 

 因みに彼曰く「お前の持ってるスキルはどれも稀少なモンだ。くれぐれも安易に人に教えるな、例えそれが信頼できる人物であっても、だ」とのことだった。


 スキルとは現代の”生涯に読んだ本リスト”のようなものなのかもしれない。

 流石に穿ちすぎかもしれないが、ああいうのってムフフな動画とか雑誌とは違う趣で絶対他人に知られたくないものだと思うのは俺だけだろうか。


 話が逸れたが、とりあえず「スキル秘匿」は異世界ライフの大前提というのは分かった。


 次にこの世界だが「地球」のような名称はなく、現地の人達にもその様な意識はない。

 そして今俺がいるのはアヴィス王国内ということらしいが、今一つピンとこない。

 国内なのに都市や村々への道が舗装されていないというのは如何なものだろう。

 それとも俺がゆとりなのだろうか。そうではないと信じたいが。


 で、アヴィス王国だが存外王族は真面らしい。

 とは言ってもおっさんも直に会ったことは当然ないので噂半分程度に聞いておくべきだろう。

 近年、国内は落ち着いているとは言っていたが、なるべく高貴な方には関わらないようにするか。

 関わる機会もないだろうしな。


 「お」


 漸く街らしきものが見えて来た。

 そしてここら辺りから道も整ってきた。

 何やら囲いのような物が見える。あれは魔物避けの外壁だろうか。

 テンションが急上昇しそうになるのを堪えて兎に角ゆっくりと進む。

 ここで、「キャッホウ!街だ、街だ!」などと異様なテンションで突進しようものなら即御用になりかねない。


 ここでシュミレーションをしておこう。


 Q来訪の目的

 A冒険者になる為。


 これは良いだろう。


 Q何処から来たのか

 Aこの街から歩いて数日の所にある村。


 これも特に問題はなさそう。


 Q身体検査

 A大抵の物はアイテムボックスの中


 うん、大丈夫だな。

 おっさんには悪いけど、やっぱり便利なのよね、アイテムボックス。


 これなら問題なく街に入れそうだな。

 シンドシュミレーション準拠だけれども。


 街に入ったらどうするか。

 定番の冒険者ギルドへ直行?

 それとも街の散策?

 それとも堅実に宿探し?


 しかし、現状、俺の戦闘力は素で五ホーンラビット。

 奥の手があるにはあるが、人目がつく所では使いにくい。

 これで荒くれ者なんかに襲われた日には・・・


 これはアイテムボックスの奥に潜んでいるあくどい罠シリーズの出番か?

 しかし、やり過ぎると誰かの目に留まるかもだしな。

 あー、武力チートならこんなに悩む事ないのにな。


 そんなことを考えていると、ふと後方に気配が。

 気配察知のようなスキルは持っていない。

 当然、後ろから何かが来る音を聞き取ったに過ぎない。


 「とぉぉぉぉぉめぇぇぇぇぇぇてぇぇぇぇぇぇぇ」


 もの凄い勢いで何かがこちらに向かって来る。

 とりあえず道の端に避けるか。


 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


 ドップラー効果というものを救急車のサイレン以外で初めて体験したが、存外感動はなかったな。

 甲高い声を上げながらソレは通り過ぎていく。


 「頑張れよー」


 とりあえず素通りする、この場合俺が素通りされるのか?

 まぁ、兎にも角にも、声ぐらいかけておくか、ということで声援を送る。

 ゴツイ馬に乗った女の子はその声に恐らく気付くことなく、街の方へと駆けて行ってしまった。

 

 「ぼちぼちいこかー」


 人は人、自分は自分。

 焦らず、急がず、参りますか。



 主人公は自らフラグを叩き落としたのです(´;ω;`)

 さらば青春

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