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魔装の冒険者~素材が採れねぇ、このスキル~  作者: うまひ餃子
始めま章
5/37

兎は気が荒い

 タイトルはテキトーなのでお気になさらず

 それでは、どうじょ(/・ω・)/




 見た目はほとんど兎だ。

 後ろにピンと伸びた耳はどことなく活きの良さを感じる。

 目は円らでウルウルと潤いを持ちながら見る者の庇護欲を掻き立てる。

 しかし、騙されてはいけない。奴の額に生えている凶器を。

 長さは15~20cm程だろうか。

 鋭く尖ったそれは明らかに何かに刺すために発達したものに違いない。


 「キュキュ~」


 奴はこちらを見ても気にした素振りを見せずにその場でもきゅもきゅと頬を動かしている。

 フッ、可愛いもの好きならば、易々と釣られて一刺しになっていたな。

 あの見る者を和ませる姿、動き、全てが擬態なのだ。

 

 事実、奴の口元は赤黒く、足元をよく見ると何かが転がっているのが分かる。


 「肉食獣っぽいな」


 元の世界の記憶では確か兎は草食動物だった筈。

 しかし、ここはファンタジーワールドだ。

 兎が角生やしていても、肉を食べていても不思議ではない。

 いや、寧ろ兎かどうかも怪しいだろう。


 「鑑定」



 種族:ホーンラビット(白)

 性別:雌

 スキル:刺突 



 どうやら兎ではあったらしい。

 名前表示がなく、種族表示になってるからコイツは恐らく野生の動物なんだろう。

 にしてもホーンラビットって、安直なネーミングあざす!異世界万歳!!


 にしても凶悪そうなスキル持ってるな。

 【刺突】とか如何にもすぎるだろうが。

 なんか他にも分からないだろうかと目を凝らすと又してもカーソルが合ったかのような感覚を得た。

 


 ホーンラビット:兎の魔物で可愛らしい見た目をしているが、その気性は荒く、そして雌の個体は狡猾さも併せ持つ。愛らしく弱々しい素振りで敵の隙を作り、角で急所を一突きする仕留め方を得意とする。



 これは種族説明だろうか。

 凡そ予想道理な感じではあったが、流石に弱点とかは載っていないようだ。

 そしてここで新情報。

 このホーンラビットのような動物は魔物と称されるようだ。


 恐らくだが、ファンタジーな生物たちを総じて魔物と言うのだろう。

 とりあえず、思考はここまでにして目の前の危機に対処しよう。



 只今の手札、ニガ草の湿布、尽くし草の天ぷら、アマ草の匂い袋のみ。

 うん、ちょっと詰んでないかな、これ。


 しかし、脅威はこちらの都合なんて構いやしない。

 どうやら俺がほとんど丸腰であることに気付いたのだろう。

 こちらに体が向いた。


 とっさにしゃがんでまとめて草を抜いた。結構な数だと思う。

 すると体の中からごっそりと何かが消える感覚があった。

 恐らく複数の草を手にした分、それに比例した魔力が使われたのだと推測する。

 若干足に来たが、それを何とか堪える。


 「キュイ!」


 目敏く突っ込んで来るホーンラビット。

 そこに最初の可愛らしさなど皆無だ。マジでその顔はNGです。ホラーすぎて子どもが泣くぞ。

 角を突き出し、獲物を仕留めんと襲い掛かって来る。


 「てりゃぁぁ!」


 なんとか横に転がって逸れる。

 格好良さとはかけ離れた回避方法だが、そんなことに拘っていられない。

 すぐさま手に握られたものを見る。


 「鑑定っ!」


 絞め縄ネット:カラミ草を主として作られた縄を網状にしたもの。この網は何かに絡むとその対象を締め付ける。生物がこれに絡まると大抵の場合、対処の仕様がなく命を落とす。


 デンジャラス!

 とんでもない危険物が生まれてしまった。

 だが、この緊急事態においてはとても心強い。


 兎は丁度こちらに向きを直した所だった。

 次は外さない、という意思を感じる。

 

 「来いや、毛玉ァァ!」


 言葉が通じるかは分からないが挑発を試みる。

 絞め縄ネットはこれ一つ。魔力も恐らく残り僅か。同じものはもうこの場では作れない。

 悪口は駄目だって子どもの頃保育士の先生に言われたけど、可能性をあげるためには、なんだってやってやるさ。


 そして、馬鹿にされていることが伝わったのか、歯を剥き出しにして元ゆるふわ動物が向かって来る。

 尖った角が俺にだけ向けられている。着実に一人と一匹の距離は縮まっている。

 

 まだ早い。


 凄く怖い。

 ジェットコースターなんて目じゃないわ。


 まだだ。


 いかん、ちょっとちびりそう。


 まだ。


 これ以上は限界ぃぃ。


 ここ!


 地面を跳ねて宙に浮いた所に絞め縄を広げる。

 突っ込んで来たホーンラビットは見事にそこに突っ込む。


 「ギュギューッ!?」


 嵌められたことに気付いた哀れな獲物が悲鳴を上げる。

 てか、この網スゲーや。衝撃抑えきれずに突っ込まれるの覚悟していた、というより諦めていたのに、見事に何もなかった。


 「ギュアー!ギュアー!」


 尋常ではない声、悲鳴だが、当然放置。

 というより手の出しようがないというのが本音だ。

 どうやった所で、今の俺にこのネットをどうにかする術はない。

 下手に止めを刺そうとして自分も巻き込まれたりしたら目も当てられなくなる。

 だから、放置。


 次第にホーンラビットの声が小さくなっていき、どれくらい経ったか、遂に途絶えた。

 まずは鑑定。


 ホーンラビットの死体:死因は無慈悲な絞殺。これをやった者は血も涙もない。


 死んでいるのを確認する。

 鑑定の説明に意思が宿っているのでは、と思わなくもないがここはスルーで。

 ホーンラビットの死体に触れる。意外にも忌避感の類は感じなかった。

 そして、網に絡まった死体が光る。



 角兎の短剣:ホーンラビット素材とそれらを繋ぎ合わせる素材で作られた短剣。強度に難あり。



 おお、武器が出来た。

 ホーンラビットよ、君のことは忘れないからな。


 それにしても、これで漸く一息つけるな。

 ちょっと休んでから動くとしよう。

 


 ちょいと一言。


 質量保存は何処行った!





 

 

 ふぁんたじー(棒)なので、ね。

 にしても兎と同格とは、ああ、情けないぞ主人公よ

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