やって来ました
主人公、異世界に降臨。
それでは、どうじょ(/・ω・)/
目が覚めると、草原に俺はいた。
どうやら無事に異世界に来られたらしい。
服装を見ると年季の入ったローブを羽織っていて、その下は皮製の長袖長ズボンだった。それに靴も履いている。
とりあえずみっちーさんに感謝する、合掌。
そして周りを見ると、少し遠くに人工物っぽいものが見える。
多分あそこには人がいるのだろう。
ここまで気を遣ってくれたのかと思うと更に合掌。
みっちーさんあざっす。
感謝も程々にして最重要事項に移る。
そう、それは
「鑑定!」
するとお約束を果たしに来ました!とばかりに念願のアレが姿を現す。
名前:未設定
年齢:未設定
性別:男
体力:満タン
魔力:ほぼ満タン
スキル:異世界言語翻訳(非表示) アイテムボックス 鑑定
ユニークスキル(非表示):全自動素材変換
なんか思っていたのと違う。
俺が求めてたのは何と言うかこう、数値で表示されるようなものだったんだけどな。
満タンってちょっとガソリンっぽいよな。
魔力がほぼ満タンってのは鑑定を使ったからだろうか。スキル使用による魔力の減り具合はしっかりチェックしとくか、サボると死にそうだし。
で、名前と年齢が未設定になってるから恐らく設定できるんだろうけど、どうしよう。
本名で、って、アレ?俺名前は?
何だっけ何だっけ何だっけ?
・・・・・・・
駄目だ、思い出せない。
てか、思い出とか記憶はあるんだけど、人名が思い出せない。
人の顔もそこだけ靄が掛かったみたいにはっきりしない。
むむむ、あ、でも、みっちーさんについてはしっかり覚えているな。
だけど、車だったり飛行機だったり人ではない固有名詞はしっかりと思い浮かべられる。
もしや、これが異世界ルールなのか?多分そんな気がする。よし、諦めよう。
で、今は名前を考えないとな。
何が良いかな、う~ん、分からん。
とりあえず日本人っぽい名前はNGですな。
折角なんだから外人っぽい名前で・・・って、マイケルぐらいしか思いつかん。
ここは勘で行こう。
「シンド」
うん、なんかしっくりくる気がするし、これにしよう。
次は歳か。幾つぐらいだろうか。
多分だけど記憶の中では高校生ぐらいだよな。
学年が思い出せないから、ここは一つ、間を取って17ということで。
ほい、もういっちょ鑑定、っと。
名前:シンド
年齢:17
性別:男
体力:満タン
魔力:ほぼ満タン
スキル:異世界言語翻訳(非表示) アイテムボックス 鑑定
ユニークスキル(非表示):全自動素材変換
名前と年齢が表示されたな。
で、スキルについてだけど、異世界言語翻訳は現地人と話してないから何とも言えないな。
鑑定は問題なく使えたからな、今の所は良しとしよう。レベル表記が何れ出ると良いけどなぁ。
で、アイテムボックスだが、どんな感じなんだろう。
ふと、ステータスを見ながらそんな事を考えていると、ピピッとピントがアイテムボックスの文字に合ったような感覚を得た。
アイテムボックス:スキル保持者の魔力量に応じて収納量が決まる。アイテムボックスに回す分の魔力はスキル使用を解除しない限りほかの手段に使用することは不可能。時間停止機能付き。
説明が出て来た。
しかも大体はみっちーさんの言葉通りの内容。
そして目に付いたのは使用条件らしき説明。
要約するとアイテムボックスを使うならその分の魔力は他には回せないってことになる。
これも重要な点だ、心のノートにキチンと記録しておこう。
マメさは大事って女友達が言ってた。顔忘れたけど。
そして次に気になったのが非表示の文字。
俺に見えてるってことは、これは他者から見た場合のことなのだろうか。
これも今一つ判断が付けられない。恐らく解釈は間違っていないと思うが、まぁ、後回しだ。
そして目下最も気になっているのが、【全自動素材変換】さんである。
名前から察するに自動で素材を変換するんだろうけど具体的なイメージができんぞ。
卵を持ったら自動で割れるとか、そんな感じなのだろうか。
それこそアレになってしまうではないか!
うむ、とりあえず何かやってみるとするか。
周りには特に何もないので、地面に生えている草を引っこ抜く。
すると薄い光が手の平で広がり、光が収まると手中に草はなく、
ニガ草の湿布:痛み止め効果極僅か。臭いが強い。
こんなものがありました。
一体どこのわらしべ長者さんでしょうか。
◇
とりあえず、幾つか草を抜いてみたが、どれも引っこ抜くとあっという間に別のものへと早変わりした。
尽くし草の天ぷら:滋養強壮効果僅かにあり。苦みが大人の味。
アマ草の匂い袋:持っていると異性に対してほんの僅か魅力的に映る。効果時間残り一日。
はい、アマ草さ~ん出ておいで~出ないと足元ほじくるぞ~
生憎目に付いたものをパパッと引っこ抜いちゃったもんですから区別がつかない。
鑑定で見れば良いのだろうが、余計な魔力使用はNoWay!
粗方スキルの確認も終わりったし、行くか。
舗装されていない自然の道を歩く。当然凸凹していて歩きづらい。
こうなると人は靴という存在に感謝をするものではないだろうか。
みっちーさんに合掌。
歩きながら手を合わせる彼を見た人がいれば、良くて変人、悪ければ不審者認定されかねない。
しかし、運良く彼の周りに人はいなかった。
そう、人は。
「キュキュッ」
それは白くて丸みを持った一匹の兎であった。
その額には確かに角が生えていた。
正に異世界初エンカウントである。
シンドの前に白い兎(角付き)が現れた!