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第74話 初顔合わせ

エメリィのセリフを一部訂正しました。(2017/3/21)

 アブリルと《淫魔族》の契約をした魁人。今はアブリルに抱き締められ、魁人の顔はアブリルの豊満な胸に埋まっていた。


 コンコンコンッ。

 「カイト。」


 そんな状態の時、扉を軽くノックする音と共に、エメリィが俺に呼び掛けて来た事で、俺はアブリルの胸から瞬時に顔を離した。

 

 ドンドンドンッ!


 「ちょっと、カイト! さっきキミの部屋からエ、エッチな声が聞こえて来たんだけど、ももも、もしかして、シェリーとやっちゃってる!? エッチな事、やっちゃってる!?」


 「ぶっ!?」


 俺が今返事をしても良いものかと考えていると、エメリィがこの部屋の扉を、今度は叩く様にして、問い質す様な口調で声を掛けて来た。どうやら、アブリルが嬌声を上げてしまった時、聞こえてしまっていた様だ。そして、そんなエメリィが使って来た言葉に、俺は思わず吹き出してしまう。


 『エッチな事、やっちゃってる!?』


 「ちょっ!? まさか、皆いる!?」


 エメリィに続き、他の皆もエメリィのノリに合わせた様に、言葉を繰り返して来る。


 「このままじゃ、カイトの初めてが強奪されて奪われるわ!」


 エメリィは何だかすごく動揺している様だ。同じ様な意味の言葉を続け様に言ってしまっている。


 「エ、エメリィ、大丈夫だって。」


 「カイト・・・。 キミ、シェリーが抱いて! って襲い掛かって来ても我慢出来る?」


 「・・・。」


 俺は、エメリィを落ち着かせようと声を掛けたが、逆に質問され、その質問の内容に思わず黙って、考え込んでしまった。


 「さぁ、ルビアルカ、やっちゃいなさい!」


 「おうさ!」


 「わぁっ!! 待った待った!! 今開けるからー!!」


 どうやら俺の沈黙は、肯定の返事と受け取られてしまった様だ。エメリィが、ルビアルカに扉を開ける様に指示を出した。しかし、その指示は、物理的に扉を破壊させて開けようとするものだと、瞬時に判断した俺は、慌てて止めに入った。


 『・・・・・・・・・。』


 そして皆は、俺が扉を開けるのを黙って待っている様だ。この沈黙は何故かすごく怖かった。俺は、すぐに俺に跨っていたアブリルを退かせてベッドから降り、部屋の鍵を開けに行った。


 「ハァ~イッ。 今日から、カイトちゃんのモノになったから、宜しくねぇ、皆。」


 そして、俺が部屋の扉を開けると、俺の背後でアブリルが、羽をはためかせて宙に浮きながら、皆に笑顔で手を軽く振りながら挨拶した。


 『・・・・・・・・・。』

 『えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?』


 すると、皆は驚きの余りしばらく絶句していたが、それも束の間、大きな驚きを見せた。何せ、皆は俺がシェリーと一緒に居ると思っていたのにも拘らず、そこに居たのは、宙に浮きながら手を振る、マイクロビキニに似た感じの煽情的な格好をした、見知らぬ女性だったのだ。驚くのも無理は無いだろう。


 「カ、カカカ、カイト!! どう言う事!? ねぇ、どう言う事!?」


 「おお~? 全部っ。 話すからっ。 落ち着いてっ。 エメリィ~。」


 エメリィが涙目で俺に掴み掛かり、動揺を表す様に俺を前後に揺さぶりながら、詰問して来た。


 こうして俺は、女性陣の皆に事の顛末を話した。


 「話は分かったわ、カイト。 取り乱して、ごめんさい。」


 エメリィはどうやら納得してくれた様だ。


 「それで、アブリル様はどうしてその・・・カイト様に?」


 すると、リリィが色々な意味を込めた様な聞き方で、アブリルに尋ねた。


 「お姉さんはね、この街に前から居るんだけど、今日のご飯を探しに、ふらふら~と、空を飛んでたら、強大な魔力を感じる様になって、その持ち主を探してたのっ。 少し魔力を分けてもらおうと思ってねっ。 それで、夜になって、その魔力の持ち主が、外を走ってたから、後を付けて、寝込みを襲おうと思ったの。 それで、やっと狙ってた人、カイトちゃんが寝たから、こっそり魔力を貰ったら、余りにもおいし過ぎて、お姉さん気持ち良くなちゃってぇ・・・。」


 「あははは・・・。 あれ? でも俺、全然気付かなかったけど・・・。」


 俺はアブリルの説明から、ふと疑問に思った事を口にした。


 「ああ! それは、ほらっ。」


 『消えた!?』


 俺達は、目の前で突然消えたアブリルに、思わず驚きの声を上げた。


 「ふふっ。 透明化の魔法よ。 私は攻撃系の魔法は苦手だけど、こういう魔法は使えるの。」


 「おぉ、ずごい!!」


 俺はアブリルの透明化の魔法を見た事で気持ちが高ぶり、目をキラキラさせながら感嘆の声を上げた。


 「あぁん! もうっ、君ってば、本当にカワイイんだからぁ。」


 「事情は分かったけど、カイト君、如何する~? 私達、と言うか、カイト君、一応勇者候補だから、何だか無害そうとは言え、《魔族》である、《淫魔族》と一緒に居るのは、ちょ~っと、まずいんじゃないかな~?」


 そんな俺を見て、透明化の魔法を解いたアブリルは、またも抱き付こうとして来たが、ナユカが現状の問題点を口にした事で、阻止される事となった。


 「うん。 それは分かってる。 だから、明日、カミーラさん達に相談しに行こうと思う。 街に出かけるのは止めてね。 それで、「勇者候補辞めろ!」と言われたら、まぁ仕方ない。 最悪な場合だと、捕まったり、戦闘になったりする可能性もあるけど・・・、それは出来れば避けたいな・・・。」


 俺はそう口にしてくれたナユカの疑問に答えるべく、現状の考えを述べた。


 「ご、ごめんね・・・カイトちゃん・・・。 私の所為で・・・。」


 アブリルが、しゅんと落ち込み、申し訳なさそうに謝罪の言葉を伝えて来た。


 「良いって。 俺に好意を寄せてくれる女の子を守れない様じゃ、どの道、勇者なんて務まらないしね。 後は、明日の状況次第・・・、かな。」

 「とりあえず、ルビアルカとククル、クルルは、念のため預けてある竜車をすぐに受け取れるように、車両置き場辺りで待機してて?」


 俺は現状を踏まえた上で、明日の行動の指示を出していく。


 「分かった。」

 『はい。』


 「頼りにしてる、ルビアルカ。 ククルとクルルをお願いね。 ククルとクルルも、ルビアルカを手伝ってあげてね。」


 「お、おう! あたしに任せな! へへっ。」

 『うん!! お兄ちゃん!!』


 『・・・・・・・・・。』


 ルビアルカとククル、クルル以外の女性陣が皆、照れた様に返事をしてくれたルビアルカを、ちょろいと、そう思っていそうな温かい目でルビアルカを見ていた。


 「後の皆は、俺と一緒に女騎士団の詰所に向かおう。 良いかな?」


 『はい!!』


 こうして、魁人達は明日の予定を急遽変更し、明日、女騎士団の詰所へ、カミーラ達に会いに行く事にしたのであった。

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