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第53話 冒険者組合

 「ラナドの竜車を準備する時間を、少々頂く必要があるので、お客さんは組合で登録されて来てはどうですか?」


 ラナドの竜車を購入した後、俺達はこの大陸について幾つか店員さんに教えてもらった。


 王都には冒険者組合という組織が有り、その支部が各町にそれぞれ配置されている。この町にもあるそうだ。組合は《魔族》の討伐を行い、時に依頼人の護衛などもする。簡単に言ってしまえば何でも屋だ。それを自由にやりたい事だけやってお金が稼げるらしい。さすがに店員さんではこれ位しか分からないとの事だった。


 俺達がお金を稼ぐ手段としては、考慮しても良い案だろう。


 「色々と教えてもらえて助かりました、店員さん。 一度行ってみます。」


 「お気を付けて。」


 そうして俺達は一度店を離れ、教えてもらった道順を辿って組合の建物に着いた。


 組合の建物は、学校の校舎位ありそうな、大きな建物だ。


 「冒険者組合へようこそ。 私は受付担当のレミーと言います。 お仕事の依頼ですか?」


 入り口から入ると、受付担当のお姉さん、レミーが俺の手首をチラッと見てからそう言って来た。どうやら手首を見れば冒険者かどうか判断できる要素がある様だ。


 「ここに居る皆、冒険者組合に登録したいんですけど、可能ですか?」


 「冒険者の仕事についてはご存知ですか?」


 「えーっと、大雑把に言ってしまえば《魔族》の討伐を主にして、他にも色々と自由にやりながらお金を稼ぐ仕事・・・で合ってますか?」


 俺は乗り物を売っていたお店の店員さんから聞いた話を、簡単に(まと)めて伝えてみた。


 「・・・。」

 「そ、そうですね・・・。 大体そんな感じです。」


 「お姉さん今、大体合ってるし、丁寧な説明するの面倒だからもう良いや、って思いましたよね!?」


 「ごご、ごめんなさい。」


 俺に核心を突かれたレミーは、慌てて直ぐに謝って来た。


 「ははっ。 結構気さくな人なんですね。 その方が話しやすいんで良かったです。 それで・・・。」


 『じーーーーーー。』


 俺とレミーが和やかな雰囲気で、冒険者についての話を続けようとしたところで、後ろに居る女性陣が俺をジト目で見て来た。


 「こ、こほん・・・。 そ、それで・・・、他に何か仕事の内容で留意しておく事はありますか?」


 女性陣からの強力な目力に屈した俺は慌てて取り繕い、冒険者についての説明を真剣に聞く事にした。


 「最近、大陸の東の方で《魔族》の活動が活発になって来ているらしいです。 ですので、仕事の危険度が急に上がる可能性があります。 それ以外には先程言っていた様に《魔族》の討伐や、好きな仕事を自由にして頂ければ問題ありません。」


 「分かりました。」


 「次に冒険者登録ですが、手続きは簡単です。 このブレスレットを左右の手首のどちらでも良いので付けていて下さい。 このブレスレットはあなたの能力や実績に応じ、自動でランキングを付けてくれる魔法具です。 手首に付けると、あなたの情報を自動で読み取ります。 装着して一瞬光った後、数字と名前がプレートの部分に表示されれば登録できた証です。 あなたの能力が高ければ高い程、実績を積めば積む程、その数字が減っていきます。 なので、数字が1に近ければ近い程強い方であったり、これまで貢献してきた証となります。 逆に冒険者としての活動不足ならランキングを抜かれて数字が増える事もあります。 数字が増えたからと言ってペナルティなどはありませんのでご安心を。」

 「そして最後に、この貢献度はブレスレットに自動で記録されます。 このブレスレットの記録を読み取る魔法具に(かざ)せば、貢献度に応じて報奨金が支払われる仕組みとなります。」


 「今の内容で問題無いのであれば、登録される方はこのブレスレットを手首に付けて下さい。」


 カチッ。


 レミーに言われ、俺達は皆それぞれに渡されたブレスレットを手首に付けた。


 「お~光った。 これで登録できたって事ですよね?」


 「はい。 これで登録完了となります。 お疲れ様でした。 あの・・・、最後にお名前教えてもらっても良いですか?」


 「そう言えばこっちは名乗ってませんでしたね。 魁人。 《黒峰魁人(くろみねかいと)》って言います。」


 「あの・・・。 こ、個人的に応援してるので、頑張って下さいね。 カイトさん!」


 レミーが頬をほんのりと赤く染めながら、応援の言葉を伝えて来た。


 『・・・・・・。』


 そんなレミーの様子を見ていた女性陣が、黙ったままじーっと俺に、またかと言わんばかりの視線を向けて来た。


 「で、ではまた機会があれば~! レミーさん、さよなら~!」


 俺はそう言って女性陣の視線から逃げ出した。


 『まぁ~~てぇ~~~!!』


 こうして魁人達は追いかけっこをする様に、ラナドの竜車を受け取りに店へ戻るのだった。

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