第48話 次の選択
「さて、気を取り直して次どの大陸に行くか決めようか、皆。」
あれから、皆が正気に戻るのに少々時間を要したが、改めて次の指針を決めるべく、皆に相談を持ち掛けた。
「私は皆が・・・と言うか、カイト。 キミが行きたいと思ってる所で良いよ? 何所に行くにしたって、私は何所へだってカイトに付いて行くもん。」
「まぁ、あたしもエメとほとんど同じ意見かな。 しばらくあんたと旅してみて、意外と悪く無かったしさ。 これからも付いて行こうと思ってる。」
『私達もカイトお兄ちゃんに付いて行きます。 ここまでお兄ちゃん達と旅してきて、すごく楽しかったもん。』
「私もカイト様にご同行させて頂きます。 リリムリア様のお言い付けでもありますが、カイト様は私のお気に入りですからね。 ふふっ。」
「は~い! 私も、私も~!」
「キューー! キュゥ!」
皆それぞれに自分達の意見を言ってくれたが、一貫して俺と一緒に居たいと言ってくれている。男として女の子達がその様に言ってくれるのは、嬉しい限りだ。
「分かった。 皆がそう言ってくれるなら、俺はこの世界、《パンテオン》の中央辺りにある最も大きい大陸、《ディレスティナ大陸》に向かいたいと思う。」
自身の中で考えていた、次の行き先を皆に告げた。
「分かったよ、カイト。 でも何か理由があるの?」
エメリィが次の行き先について了承してくれた上で、その理由を聞いて来た。
「理由は3つ・・・かな。」
「1つ目。 これは単純でこの《ルミリア大陸》から一番近いから、乗船料が安く済む事。」
「2つ目。 俺はどこかの大陸で、拠点・・・というか皆で住めるような家を持ちたいと考えてる事。 お金を稼ぐ必要もあるけど、まだまだこの先も色々な大陸に皆で行ってみたい。 家が中央の大陸にあればそこから行きたい大陸に向かいやすいしね。」
「3つ目。 これが一番大きな理由なんだけど・・・。 以前エメリィが言っていた、中央辺りにあるとても大きな大陸、《ディレスティナ大陸》は《ヒューマン》が創った大きな国があるって言ってたよね。 《ヒューマン》が創ったという事は《教会》とかがあるんじゃないかな? 俺はそこで皆ときちんと結婚式的なものを挙げたいと考えてる。 ちゃんと俺の嫁として迎えられるように・・・。」
「と言うのが行きたい理由なんだけど・・・。 皆、このまま《ディレスティナ大陸》が次の行き先で良いかな?」
次の行き先を《ディレスティナ大陸》へと決めた理由を皆に話し終えると、一度皆の顔色を窺ってみた。
『・・・・・・。』
すると、皆顔に両手を当てて、赤々とした夕焼け空の様に顔を真っ赤に染めている。そうして、嬉しそうな表情を隠していた。
「あ、あれ? 皆大丈夫?」
「カ、カイト・・・。 キミってば・・・。 嬉しさで顔が熱くなり過ぎて鼻血出そう・・・。」
「ほんと大丈夫!?」
俺はそう心配する声を掛けしながら、皆に近付いて行った。
『お兄ちゃん!!』
すると、ククルとクルルが腰のあたりに、飛び掛かる様にして抱き付いて来た。
『あーーーー!!』
『・・・・・・。』
それを見ていた他の女性陣が驚いた声を上げた。そして今度は、黙ってお互いの顔をチラチラ窺いながら、互いに視線で牽制を入れている。魁人に抱き付きに行くタイミングを計っているのだ。
『じゃんけん! ぽん! ぽん! ぽん!』
エメリィ、ルビアルカ、ナユカが魁人に抱き付くスペースを掛けた真剣勝負、じゃんけんを始めた。
「まさかのじゃんけん!?」
俺はククルとクルルの頭を撫でながら、俺に抱き付きに来る勝負をしている事よりも、滅茶苦茶馴染みのある勝負方法が出て来た事に驚く。
「カイト様~。」
「キュィィィィィー! キュ~。 キュ~。」
その隙を突いた様に、リリィとアルカメリルが、それぞれ俺の左右の肩に止まって頬擦りしてきた。
『あーーーー!!』
じゃんけんをしていた3人がそれに気付き、リリィとアルカメリルを非難する声でもあり、抱き付きに来るスペースが無くなった事への悲嘆の声でもある、そんなを叫び声を上げる。
「ははは・・・。 あ、明日の朝出発だから~。」
皆は聞いているか非常に不安ではあったものの、
こうして、賑やかな雰囲気で次の行き先を決めた魁人達は、次の日、《ディレスティナ大陸》へ向けて出発する事にするのであった。




