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第47話 口付け

 にへら~~~~~。


「さて、カイト君。 これは一体どういう事かな~?」


 祝宴が開かれた次の日、俺は次に向かってみる大陸を決めようと、皆に相談を持ち掛け様としていた。しかし、俺が相談するよりも先に、ナユカが他の女性陣を見ながら問い掛けて来た。


 「え、え~っと・・・。 ははっ。」


 皆の様子がおかしい理由は、察する事が出来るものの、答えられるはずも無く、笑って誤魔化そうとする。


 「何で皆とはキスしたみたいなのに、私の所には来ないの!?」


 「えっ!? そっち!?」


 明後日の方向からの問いに驚いた俺は、思わず突っ込みを入れていた。


 「俺はてっきり「複数の女性とキスするなんて不潔よ!」的な事を言われるのかと思ったよ・・・。」


 「それはお互いがちゃんと好き同士なら全く問題ないよ~。 結婚だって一夫多妻、その逆でも問題無いしね~。 そんな事より私の所に来なかった事だけが問題なんだよ・・・。 何で? 私の事嫌いになっちゃった!?」


 話していて感情が高ぶって来たのか、ナユカの表情と声色が心からの叫びをそのまま表した様なものに変わっていく。


 「ナユカ・・・。」


 そんな様子のナユカを見て、俺は小さくナユカの名前を口にして覚悟を決めた。

 

 「ナユカ、正直に言うよ? 俺はナユカの事好きだよ。 一緒にいて楽しいし、いつも楽しそうにしてるナユカの笑顔は可愛くて素敵だ。 勿論女性としても意識してる。 俺だって男だ。 エロい事だってしたい。 心より体の関係を迫られて流されてしまう事だってあるかもしれない。 でも、だからこそ、俺の事をこんなにも好きになってくれたナユカの事を、俺はここに居る皆と同じ様にちゃんと大切にしたい。 一緒の時間を過ごして心から繋がりたい・・・。 そう思ってる。」


 俺はナユカへの今の気持ちと、自身の考えを吐露した。


 「カイト君・・・。」


 ナユカは頬を染めて、目尻に涙を浮かべながら俺の名前を小さく口にした。


 「だって~、お父さん! お母さん!」


 それも束の間。ナユカが俺の背後に向けてそう呼びかけた。


 「えっ!? お父さん、お母さん!?」


 そのナユカの呼びかけに対して、俺は驚きつつ引き()った様な顔をして後ろを振り返る。すると俺の背後には、いつの間にか《キリンの街》に帰って来ていたナユカの両親らしき人達が立っていた。


 「いや~、実に良い青年じゃないか、ナユカ! 容姿が良い事に加え、デビルクラーケンを倒せる強さ、そして娘の心からの問い掛けに、きちんと自身の思いや考えを飾らずに伝えてくれる誠実さ。」


 「本当ね~、あなた。 寂しくはなっちゃうけど、この子になら娘を任せられそうね~。」


 『という訳です、カイト君。 娘を宜しく頼みます。』


 「えぇぇ!?」


 この大陸で最後に出会った《キリンの街》の長も、どうやら実に大らかだった様だ。だが、これで再び俺は覚悟を決め、必要な言葉をナユカの両親に伝える必要がありそうだ。


 「コホンッ・・・。 俺は娘さん、いえ、ナユカさんの事をこれからも大切にし、幸せにしてみせます。 こちらこそ宜しくお願いします。 お義父さん。 お義母さん。」


 こうして成り行きではあったが、ナユカの両親にも挨拶を終えた。これでナユカとの関係はあっさりと親公認の下となったのだ。


 「そう言えば・・・ナユカ・・・。 まさか、さっきのは演技だったんじゃ・・・?」


 だが俺はこの時、この街で初めてナユカに出会った時の事を、ふと思い出していた。あの時ナユカは、俺達がどんな人物達かを見定めるために、街の人と協力して一芝居打って来たのだ。そのため、両親とこの事を相談していたのでは無いかと思った俺は、ナユカに聞いてみる事にした。


 「違うよ~。 9割9分本気だよ!!」


 「1分は演技!? どの部分が1分なんだろ・・・。」

 「はぁ・・・。 しょうがないな・・・、ナユカは。 ははっ。 これからよろしく!」


 そう言って俺は右手を差し出し、握手を求めようとする。


 「宜しくね。 カイト君! 」


 ナユカもこちらに右手を差し出し、こうして互いに握手を交わした。


 「んっ!」

 「んむっ!?」

 チュッ。


 だが次の瞬間、ナユカが思いっきり自身の方へ魁人を腕ごと引っ張った。それにより、前のめりになった魁人はナユカに唇を奪われていた。


 『おお~!』


 ナユカの両親は、そんな俺達を見て怒るでも無く、感嘆の声を上げている。


 「ぷは~! ご馳走様、カイト君! えへへ・・・。」


 にへら~~~~~~。


 こうして、今までの遣り取りをしている間もずっとニヤニヤと表情を崩したままのエメリィ達に加え、ナユカも仲間に加わる事となるのであった。

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