表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/122

第4話 初めての

 「ちょっと、エメねぇ! そいつやばいよ!! どうなってるの!?」


 エメラは額を射抜いたはずの魁人が、何事もなかった様に起き上がってきたことに驚愕し、エメリィの背に隠れながら魁人を指さして、エメリィに聞いた。


 「あはは・・。」

 「あの人、クロミネカイトって言うんだけど、気づいたら戦場にいてね。 危ないって忠告したんだけど・・・それでその・・・、あの・・・、さっきメテオの魔法が直撃したのに、爆心地でピンピンしてたんだぁ。 ははっ。」


 エメリィは困った顔を浮かべ、自身の頬を軽く掻く仕草をしながら、エメラに俺との出会いを簡単に説明した。


 それを聞いたエメラが、ギョッとした顔をして、俺を見て来た。


 「そんな怪しげな奴、信用でき・・。」


 そうエメラが言いかけた時だ。


 ガサッ。

『プギィィィィィィー!』


 生い茂る木々の中から、魁人とは違う本物の追っ手であるオーク達が、雄たけびを上げて現れた。


 『キャッ。』

 

 いきなりの事で、咄嗟に反応出来なかったトワイライト姉妹。2人は、そう小さく悲鳴を上げ、目を瞑る事しか出来なかった。


 ザッ。

 ザシュッ! ガンッ! ゴンッ!


 オーク達のそれぞれに持った武器によって放たれた攻撃が、全て当たった音が響く。


 しかし、姉妹の2人には痛みも含め、武器が当たった様な感覚は全く無かった。


 恐る恐る2人が目を開けてみると、そこには右腕を盾に自分達を庇って立っている魁人の姿があった。


 「カ、カイトッ! キミ、だいじょう・・。」


 エメリィが心配そうにそう言いかけた時、


 「女の子に何すんじゃー!! ブッ飛ばす!!!」


 俺は襲ってきたオーク達にキレた。


 その時、オーク達はというと、全ての攻撃をその身で受け、そして尚ピンピンしていた魁人に驚き、茫然と立っていた。


 ザッ。 ヒュンッ。

 メキァッ!!

 

 魁人は常人には視認できないほどのスピードでオークの1人に近づき、顔面に拳を減り込ませる。


 「ブキャァァァァー。」

 「ブっ、ブキャァッ。」


 魁人に殴られたオークの1人は断末魔を上げ、更に仲間を巻き込みながら吹き飛んだ。


 「カ、カイトさーん? だ、大丈夫そうね・・・。」


 エメリィは苦笑いを浮かべながら、俺にそう聞いて来た。

 

 「あっ!」

 「ふ、2人とも大丈夫!? どこか怪我は!?」


 そんなエメリィの言葉からふと我に返った俺は、2人に振り返りつつ、珍しく慌てた様に聞いた。


 「はは! 大丈夫! 大丈夫! キミのおかげでエメラも無事!」

 「ありがとう! カイトッ!」

 チュッ。


 慌てる様子の魁人を可愛らしく思い、笑顔を見せたエメリィは魁人に抱き付きながらお礼を言い、頬にキスをした。


 「わっ!? へへっ。 どういたしまして。」


 女の子から初めてキスしてもらった俺は嬉しくもあり、少し恥ずかしくもあって、照れながら返事をした。


 「それで、そこに転がってるオーク達はどうしよっか?」


 俺は、気を失っているオーク達の処遇を、エメリィに聞いてみた。


 「そうね。 とりあえず集落の仲間が来たら、牢にでも運んで入れておきましょうか。」

 「でもその前に・・。」


 ポキッ。 ポキッ。

 ポキッ。 パキッ。


 そう言いながらエメリィはニコッっと笑い自身の拳を鳴らした。


 「エ、エメリィ? エメリィさ~ん?」


 俺はそんな彼女の笑みに、少し恐怖を覚えた。


 「よくもやってくれたなっ! お返しっよっ!!」


 ボグッ。

 バキッ。 ボグッ。


 エメリィがオークの顔面を力いっぱい殴った。いや、殴り続けている。


 「ほらっ、エメラッ! 今の内にあなたも殴っときなさい!」


 エメリィはエメラにまで殴るよう勧めた。


 「エメリィィィ!?」


 今回は、俺がその発言にびっくりして、思わず叫んでしまった。


 ガバッ。

 「すんっ」


 しかしエメラは殴りにはいかず、俺の腰に抱き付き、目尻に涙を浮かべて鼻をすすっていた。


 「よしよし。 もう大丈夫だからね。 安心して。」


 俺はそう言うと、エメラのエメリィと同じく綺麗な翠色をしたさらさらの長い髪を撫でつつ、微笑んであげた。


 「うん・・。」


 エメラは少し安心したように俺に可愛い笑顔を向けてくれた。


 「しょうがないな。 じゃあエメラの分まで私がやっといてあげっるっ!」


 ボグッ。

 バキッ。 ボグッ。


 そう言うと、エメリィはまた気を失っているオーク達を殴り始める。


 「ほ、ほどほどにね・・。」


 俺は苦笑いを浮ながら、オークを殴っているエメリィに提言した。


 『こ、これは・・・どういう・・・・?』


 それから少し経った頃、駈け付けた姉妹の仲間達は、魁人と姉妹の3人の状況を見て、言葉が上手く出せずにいたのであった。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ