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第25話 2つの提案

 エメリィとルビアルカを起こす事は、従者のメイドさん達に任せ、その間に俺とククル、クルルは、リリムリアにオークの異変についての謝罪を終えていた。


 「カイト様がそう仰るのでしたら、こちらからはオーク達の件については、もう何も咎めたりしないとお約束しましょう。 皆にもそう伝えます。」


 「寛大な措置、ありがとうございます。」


 「それで・・・と言っては何なのですが、こちらから2つ、ご提案させて頂いてもよろしいでしょうか? カイト様。」


 「へ? は、はい! 何でしょう?」


 急に提案があると言われ、少々警戒してしまった俺は、慌てて返事をした。


 「1つは皆様に、今回のお礼にと思いまして、あちらの湖に移って頂き、お持て成しを。 広いですし水浴び場もあります。 景色が良く、ここの泉と同じ位水も透き通っていて、綺麗なんですよ。」

 

 「ありがとうございます。 それは嬉しいですね。 それで、もう1つの方は?」


 「はい。 もし宜しければ、旅にリリィを同行させては頂けないでしょうか? 」


 「リ、リリィさんを!?」


 彼女の性格を思い出した俺は、少々動揺する。


 「はい。 彼女はカイト様方と違って、体は小さいですが、良く働いてくれますので従者として是非。」

 「ただ、彼女を連れて行って頂きたい本当の理由は、彼女がこの森の外で知った事、それを私に伝えてもらう事にあります。 今回の件で、この森以外の出来事に疎すぎると痛感致しました。 私は《妖精族》の長であるため、気軽に外へ出かける事は出来ません。 しかし、私達《妖精族》、中でも《フェアリー》は同じ種族間でなら、離れていても植物が近くに在れば、意思疎通が出来るのです。」


 (一応言ってくれたことは本心からだとは思うけど・・・念のため見張りの様な者も付けておきたいってところなのかな・・・。)


 「分かりました。 そういう事なら俺も構いません。」


 俺は内心で考察しながら、この提案は受けておいた方が良いと判断して答えた。


 「カイト様・・・。 ありがとうざいます。 今後ともリリィを宜しくお願い致します。」


 リリムリアは、貴族の令嬢が魅せる様な綺麗な姿の礼をして、俺にお礼の言葉を言ってくれる。


 「それでは、今からはお持て成しの時間とさせて頂きます。」


 パンッパンッ。


 「はい。 リリムリア様。」

 「カイト様。 どうぞこちらへ!」


 リリムリアが手を叩くと、何所からともなくリリィを含めた従者のメイドさん達が飛んできて、俺の手の指をそれぞれに取り、先程言っていた湖の方へ引っ張っていってくれる。


 「先ずはここで着替えて頂きます。」


 木の枝から垂れる複数の蔓が、カーテンの様になっている場所に連れらた俺は、リリィにそう言われる。


 「キガエル・・・。 きがえる・・・。 着替え・・・るっ!? ここで!? えっ何に!?」


 いきなり着替えろと言われた俺は、パニック状態だ。


 「カイト様。 お召し物を洗濯しておきますね。」


 今着ている服は、よく見たら汚れが目立っていた。仕方が無いので、今まで着ていた服を下着だけ残して脱ぎ、簡単に畳んで地面に置かれた大きな葉の上に置いた。


 「お召し物をお預かりします。 カイト様。」


 「重いかもしれないけど、持てるかなリリィさん?」


 「大、大丈夫です・・・キャッ!?」


 リリィは、俺の服を途中までは空中に持ち上げる事が出来たが、案の定、途中で力尽きて服と一緒に落ちてしまう。


 「危ない!!」


 ドサッ。 ズサーッ。


 ダイビングキャッチの要領で、両手を前に突き出して、手でリリィを服ごと受け止める。


 「よ、良かった~・・・。」


 「ありがとうございます・・・。 あっ、いや、良くはありません! お召し物に、カイト様までお体がお汚れに・・・。」


 リリィをキャッチで来た俺は、安堵の表情を浮かべる。そんな俺に、リリィが申し訳なさそうに、お礼の言葉を伝えてくれた。


 「気にしないでリリィさん。」


 「あっそうですか? それなら良かったです。 カイト様。」


 「あれ!?」


 俺が掛けた声に対しての反応が、思っていたものとは違った事に、俺は面食らってしまう。


 「さぁ皆さん、今の内です。 今なら下着も脱がせちゃえるので脱がしちゃいましょう!!」


 『はい!』

 「リリィさん!? ちょっ皆! 皆ちょっと待って!」

 「あーーーー・・・。」

 「ありがとうございます・・・。 カイトさん・・・。」


 リリィが小さな声でお礼を言ってくれたのが聞こえたのを最後に、未だ手にリリィを抱えたままの俺では抗う事が出来なかったのであった。

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