第24話 原因の浄化
「ふぅ~。 さてと・・・。」
「あ、あの~? よ、宜しいのですか?」
「ええ、構いません。 しばらく静かにしていてもらいましょう。」
俺はニコッと笑顔でそう返すが、リリムリアは、寝ているエメリィと、気絶しているルビアルカをちらちらと見ながら心配している。
「それで、今回のリリムリアさんの体調不良の原因は、この黒い靄の様なものの様ですね。 薬師ではまず治せない。 光属性の治癒魔法でも治せなかったのは、原因が見えなかったから。 その為適切な魔法が使えていなかったのでしょう。 俺と、この2人は闇属性の魔力が高い方なので原因が見えたのだと思います。」
「カ、カイト様は、闇属性の魔力も高いのですか!?」
エメリィにも言われた事があったが、やはり光と闇属性の両方の魔力が高いという事は、すごい事の様で、リリムリアも驚いている。
「ええ。 エメリィにも驚かれました。 俺はこの世界とは別の世界から来た者なので、もしかしたらそれが関係しているのかもしれません。」
「ですが、俺の事は一先ず置いておいて、浄化に移りましょう。 ククル、クルル。 あの黒い靄が逃げたり・・・するのかは分からないけど、念のため見張っておいてくれるかな?」
『うん!』
「ありがと。」
『えへへ。』
2人にお礼を言った後、俺は軽く2人の頭を撫でてから魔法を使うための集中に入った。
「・・・。」
魁人は右手の人差し指に、暖かな白い光が指をコーティングする様に、魔力を集めていく。
「リリムリアさん。 肩を少し撫でます。 失礼しますね。」
「よろしくお願い致します。」
了承を得た俺は、そっと右手の人差し指で、リリムリアの肩を撫でる。また、その様子をハラハラした様子で、妖精族のメイドさん達も見ている。
シュオォォォォォ。
「お兄ちゃん。」
「消えました。 成功かもです。」
音を立てて、リリムリアの肩辺りに付いていた、人の形の様なそれでいて黒い靄の様なものが消えていく。それを見ていた、ククルとクルルが、俺に浄化の成功を伝えてくれた。
「ふぅ・・・。 どうですか? リリムリアさん。」
「・・・。」
俺達の言葉を聞いた、この場に居る《妖精族》の皆は、リリムリアの様子を固唾を吞んで見守る。
「リリムリア様。 お加減は如何でしょうか?」
ここに俺達を連れて来たリリィが、《妖精族》を代表してリリムリアに声を掛けてみる。
「す、すごく体が軽いです! あんなに苦しかったのが嘘の様・・・。 これなら、私も飛べそうですね。」
自身の体の調子を確かめていたリリムリアが、嬉しさで気分を高揚させながら言ってくる。
「良かったです! リリムリア様!」
「お元気になられて、本当に良うございました!」
リリムリアが元気な様子で伝えて来た言葉に、《妖精族》の皆が喜びの声を上げる。
「是非とも皆様にお礼・・・をと思うのですが・・・。 ど、どうしましょう?」
「はっ!? そ、そうだった! 2人共、もう大丈夫だから起きて!」
魁人はリリムリアに言われ、少しの間忘れてしまっていた、眠っているエメリィとルビアルカを慌てて起こすのであった。




