-侵略者-
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私たちは、BADたちと合流してアランのいる敵地へ向かうことを決断していた。アランには、伯爵にお願いしてこのことを何とか伝えてもらえることになったので向こうで待っていてくれるはずだ。
「チェリー、本当に覚悟は出来てるんだな? 今回ばっかりは命の保障なんて出来ないんだからな!」
「わかってる。危険なことは理解してるわよ……」
「心配するな! オレが守ってやる。それに…この世界に命の保障なんてもともと無いんようなものだしな!」
「……北斗。……ありがとう」
BADに念を押すように覚悟を問われて…ユーチェンや琥太郎まで巻き込んでしまうことへの罪悪感に苛まれている私の肩を北斗が、しっかりと抱きしめて少しでも不安を吹き飛ばそうとしてくれていた。
そして、リーとBADを先頭にして私たちは、伯爵の計らいで地下道を行くことになった。
「伯爵が地下を使わせてくれたお陰でかなり助かりましたね。地上を行けば、どんな敵がいるかもわからないですし…良かったです」
「それでも、そろそろ地上へ出ないといけねえからな! 気を引き締めていかねえとな…(笑)」
「あっ! もう少し先に行ったら、アランが待ってるよ♪」
目的地が近くなってユーチェンが、自分の能力でアランを見つけて嬉しそうに叫んでいた。
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無事にアランとも合流することが出来た私たちは、地上に出る前に念入りに作戦を練ることになった。念には念を……ということに関しては、リーとBADは気が合うみたいだしね。
「奴らに捕まってる子供たちの数は、内部に入って調べてる奴らからの情報によると…ここには、5人だけらしい。やっぱり、生き残ってる子供は少ないらしくてな…だから、高く売り買い出来るんだそうだ!」
「5人……思っていたよりも少ないね。それにしても、買い手はどんな奴らなんだろう?」
「それが問題なんだ! オレも驚いたんだが……どうやら、この世界の奴らじゃないようなんだ!」
「えっ!?」
アランの言葉に驚いている私の肩をポンっとアランは軽く叩いて…また、話を続けた。
「この中国のどこかに異世界に繋がる穴が開いて……そこから奴らがやって来たのがちょうど…あの戦争が始まる1年ほど前だったようだ。どうやら、異世界の奴らに軍の奴らがそそのかされちまったんだな」
「……異世界!? 本当にそんなものあるの?」
「ある! スマホの画像でその穴をオレは見せてもらった。……魔導士みたいな格好した変な奴の画像もな!」
想像もしていなかったアランの話に私も北斗も…そして、リーたちもすぐには言葉が出てこなかった。
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合流したアランから異世界からやって来た奴らの話を聞かされた私たちは、その突拍子もない現実をどう受け入れたら良いのかがわからなくて…しばらくその場に座り込んで動けなくなっていた。
「それで? 奴らもここにいるのか?」
「ああ、聞いた限りでは軍のお偉方と行動している奴がいるようだ」
「奴らの目的は?」
「子供の能力者の確保と新しい世界の構築みたいなことを話していたらしい」
確かに……私たちが得た能力や、あの大きなモンスターに地下に住む吸血鬼…のことを頭に浮かべると『異世界』っていうものが関わっていても不思議ではないのかも知れない。いや、それどころか…全てに納得することが出来た。
「私たちは、どう動けば良い?」
「まずは、ユーチェンと琥太郎には地下に残ってもらう。BADの仲間に千里眼を使える奴がいるからな! 子供はマジで危険なんだ。ここの奴らが面倒見てくれっから、少しの間だけ待ってろ!」
「「わかった!」」
「オレたちは、北斗に時間を止めてもらいながら奴らが監禁してる子供たちを救出する! ついでに何か奴らの情報も探ってやろうぜ!」
アランは、白い歯を見せて笑うと荷物を肩に背負って地上へ出る梯子に足をかけて私たちに手招きしていた。
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内部に潜入している仲間から得た、作業服に急いで着替えて地上へ出た私は、その場所があまりにも今までいた場所と違っていることに驚きを隠せず声をあげそうになって、慌てて自分の手で口を塞いでいた。
「何なのよ? どうしてこの場所だけ……」
「驚いただろ? オレも最初は夢でも見てるのかと自分の目を疑ったからな!」
「これも、異世界の奴らの能力なのかよ?」
目の前に見える近代的な街。……そう、あの戦争前にあった……あの街並みが何も無かったかのようにそこには、広がっていた。
「異世界からの侵略者ってやつだな……へへへ♪ マジで昔遊んだオンラインゲームだな……(笑)」
「北斗! ここ…笑うとこじゃないわよ!」
「いや、笑ってでもいないと……頭が変になりそうなんですよ!」
「そういうことだ!!」
珍しくリーも北斗に同調したようで、クスクスと肩を震わせて笑っていた。
それから、男たちは…皆それぞれ目の前の現実を受け入れてこれからどう動くのかをまた、考え直しているようだった。




