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Friends  作者: リョースケ
8/10

Seven Friends〜抜け道〜

―翌日―

昨日の新入生歓迎パーティーが中止になったため、今日やることになった。そのため、また朝早く家を出る羽目になった。

彰『ったく、授業が潰れるのはいいけど2日連続で早出は面倒いな。』

そい言いながらリビングのテーブルについて、さっき焼けたばかりのトーストをかじる。

宏『まぁ、昨日みたいにギリギリじゃないからいいじゃん?』

壁に掛けてある時計を指差しながら余裕の表情を浮かべながら、宏は答えた。

その時計には6:05と表示されていた。

彰『昨日は色々あったから、今日は何もなければいいがな。』

宏『確かにそうだな。まぁ、俺からすれば結構楽しかったけどな。』

ケラケラ笑いながらそう言うと、彰の向かい側に座る。

彰『人事みたいな言い方するなよ。美鈴はともかく、工藤の事はお前も関係者だろうが。』

宏『そうだっけ?俺はこの家に住んでるだけで、この家の持ち主じゃないから、鍵が工藤に開けられても、工藤すげーでおわりだけどな。』

彰『宏お前、この家から追い出されたいのか?』

宏『ハハハ、冗談だよ。』

彰『ったく、面倒くせーから人からかうのもいい加減にしろよ。』

宏『悪い悪い。』

そう言う宏だが、顔は全く反省の色が見えなかったため彰は小さくため息をついた。

彰『まったく、困った奴だなぁ。』

宏『それはお互い様だろ?』

彰『それはそうかも知れないけど、俺はお前と違って……』

ピンポーン ピンポーン

不意にインターホンのメロディーがなった。彰にしてみればタイミングは最悪だったが、来客を放っておく事は出来ないので、何がおかしいのか声を殺して笑っている宏をリビングに残し、玄関へと向かった。

玄関についた時に二回目のチャイムが鳴った。

彰『今あけます。どちら様ですか?』

そういうとドアを開けた。しかしそこには誰もいなかった。

彰『ん?…あれ?どこに行ったんだ?』

念のため2,3歩おもてまであるいて回りを見渡したが、案の定そこには誰もいなかった。

彰『今時ピンポンダッシュかよ。ったくどこの子供の仕業だ?』

もう死語になりつつある言葉を吐きながら玄関を閉めてリビングに戻った。

宏『遅かったな、彰。』

彰『ああ、今時ピンポンダッシュをされたからな。』

工藤『それで、犯人は捕まえたのか?』

彰『いや、捕まえるどころか、影さえ見てない。』

宏『ダセー。』

工藤『全くだ。情けないとは思わんのか、上条?』

彰『うるせー、ドア開けた時には誰もいなかったんだからしょうがないだろ。』

そう言いながら彰は自分の席について、食べかけだった朝食を食べ始めた。

いつもの様に3人で食べる朝食………ん?いつも?3人?

彰『って、工藤!お前なにちゃっかり人ん家でメシ食ってんだよ!!!』

宏『今更突っ込むか彰。俺はてっきり何も言わなかったから、居るのを知ってるかと思ってたけど。』

彰『工藤お前、いつどうやって入った?』

工藤『上条、お前がドアを開けるのが遅いのでな、抜け道から入ってきた。』

彰『抜け道なんてあるわけねーだろ!!』

工藤『そう思うがいい、ならばそれもいいだろう。だが、お前がどう考えようが抜け道は存在するがな。どこかは教えられないがな。なぁに案ずるな、そこからお前たちの留守の間に忍び込むことはしない。それは俺の美学に反するし――』

彰『……もういい。聞くのがめんどくさい。』

彰は工藤の長い話しを聞くのがだるくなって、途中で中断させた。その間宏は2人ね会話を聞きながらさも、自分は関係ないよと思うように黙々と朝食を食べていた。

彰『で、ここに来たって事は何かあるんだろ?』

工藤『まあな、実は今日の大イベントの最終打ち合わせにきたんだが、』

宏『で、どうする?』

今まで黙々と食べていた宏だったが、待ってましたと言わんばかりに会話に割り込んできた。

彰『マジでやるのか?あれを。』

工藤『今更なにを言うか上条。今までの準備を無駄にするとでも言うのか?』

宏『そうだぞ彰。せっかく工藤がバレないように教員やら風紀委員とか、え〜と、』

彰『裏風か?』

宏『そうそう、裏風やら生徒指導部、生徒会などの情報を集めてバレないように色々としてくれているのに、止めることはそれらを無駄にする事になるんだぞ。』

彰『それって、学校中の主要機関を全て敵にするって事だよな……』

宏の熱弁を聞いて前にも増して不安が募ってきて彰の顔色は不安一色になっていた。それを見た工藤は不安を取り除くように補足した。

工藤『案ずるな上条よ。今回は調査だけでなく主な所には我々の賛同者をあつめ彼らをエージェントとして送り込んでいる。エージェントの中には裏風や生徒会の奴らも混じっている。これなら防御の方に問題は無かろう?』

彰『それは――そうかもしれないけど……』

工藤『今までだって色々とやってきたではないか。今や生徒達の間では恒例行事の一つにもなっているのだぞ。』

宏『ああ、イベントのたびに生徒達は喜んでいるからな。』

彰『まじかよ…』

彰はふと前回のイベント――つまり悪戯の内容を思い浮かべてみた。

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