ともだち(後編)
「金城!金城!」
當間は金城をつるしあげていたひもを解き地面に横にさせた。
「おい、金城大丈夫か金城」
全く反応がない、金城の顔は膨れ上がっており、後頭部の髪がきりとられていて、落ち武者のようだった。2、3分たったころ噂を聞いて仲本と太田がかけつけてきた。
「なにがあった?」
「わからない」當間はもうダメだと思った。それほどひどかったのだ。
このとき、やじ人ほどいたが、だれも助けようともせず、助けを呼ぼうともしなかった。
太田はポケットから携帯を取り出し、119番に電話をかけていた。
仲本はやじうまの中に犯人がいると思い、ずっとやじうま見学をしていた。
おれは何をしていたかって・・・
彼の顔をジーっとみていた。
生きてるの?
死んでるの?
ずっと自問自答をしていた。自分はかってに思っていた。俺たち4人生まれた年、生まれた日、生まれた時間すべてが同じ。数学は得意じゃないが、確率論でいったら分母にどれだけのゼロがならぶんだろう。顔、性格、社会的地位、趣味・・・それらはまったく関係性がないが、でも命をさずかった年、日、時間は一秒もくるいもない。だから勝手に死ぬ時も同じだろうなと思って生きてきた。でも今、僕の目の前には・・・
救急車が到着した。
太田は素早く対応し付添い人として一緒に救急車に乗って行った。
救急車が行くと同時にやじうまたちもサーとその場をあとにしていった。
當間はあいかわらず地面に目線を合わせなにかつぶやいていた。
「きっと、大丈夫さ。あいつ根性あるし・・・いったん忘れよう」
仲本はしゃがみこんでいるオレに手をのばしてきた。
當間はその手をつかみたちあがった。
そしてこう言った。
「おれらってなんなんだろうね」仲本の目はみれなかった。
「おまえ神を信じるか?」
仲本の突然の言葉にびっくりしたが一息置いてこういった。
「おれは信じる。いないというやつもいつが、おれは信じる。」
仲本は、なにかをたくらんでいるかのように、こう言った。
「もし、神になれたら金城をやったやつらとか、ホモとかいうやつらをどうする?」
おれは、仲本の目をまっすぐに見ながらこう言った。
「みな殺してやる」
仲本は不思議な笑みを浮かべた。
続く・・・