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ep04

この俺、加東凪は初体験を済ました。


「灰鈴 揚羽」という黒髪の女子中学生だ。


彼女と―――初体験をした。


俺たちはあれから、部を創った。


『指使い部』


それが―――初体験という名のモノ。


一層、一層、一層、一層と俺には分からなくなった。


自分の事が。


走ることを止め、俺がすることが。


分からなくなった。


一時休止。


俺たちはあれから二人で職員室へ行き、部の作成用紙を貰い、書き込み、提出した。


即、即日許可認証だった。


校長室へ乗り込み、直々に判をもらった。


普通はあり得ないことなのだが、まーいいや。


それでもって俺たちの部にはまたも即部室を貰った。


「第二音楽室」


これから恐らく俺たちが頑張るであろう場所だった。


揚羽は第二音楽室に入り、俺にこう言った。


「明日の放課後、必ず来て。と、今から少しやるよ」


彼女は凛として鈴が鈴と鳴ったような張った声で言い放つ。


右手で黒の薄いカバーが掛った『グランドピアノ』に触れて。


「さぁ、始めましょうか、素人さん」


「………はぁ」


力なく俺は呟いた。いや、溜息を吐いた。


少し、雀が鳴いたくらいの小ささだったのに、


「『はぁ』ッて何だぁ?ごらぁッ!!!!!」


眼の前の揚羽はブチギレた。


マジギレという言葉はこんな時に使用するのだろうと、つい思ってしまった。


「………………………………」


「てへっ!」


端正且美麗な彼女の顔が、ものすごい歪んで、戻った。


恐ろしいッ!!


というか何っ、さっきの!!!!


「あー、ごめんね。あたしの前でピアノを馬鹿にするような事、行動は起こさないでね。キャラが変わっちゃうかも、じゃぁ始めましょうか」


「―――はいっ」


彼女はアゲハ蝶の羽根のような性格を持っていた。


――黒――赤――黄――橙と言ったところだろう。


本当、厄介だ。


だけれども、付き合ってやってもいいと思ってきた。


俺は、グランドピアノへ一歩踏み出した。


to be contenued

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