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ep01

人生で『大きなモノ』との出会いは『三度』あると言われている。


 俺はその出会いをこう考察する。


―――――一度目、家族との出会い。


―――――二度目、現在未定。


―――――三度目、上記と同じく未定。


 そう、これが俺、『加東(カトウ)(ナギ)』中学二年での現状だった。


 そもそもなぜに俺が個の様な考えても全く意味の無いことを考えてしまったのか。


 それはこの目の前に鎮座している一枚のA4サイズのプリントに原因がある。


 『進路について』


 それがこの用紙の主題だった。


 俺は中学二年になったばかりで、将来のことなんて一切合財視野に入れていなかった。


 ただ漠然と直前に広がっているもの、その程度の認識だった。


 その状況でこの用紙の配布が行われ、手元に届いたときには誰しもこのような事を思案するのではないか。


 少なくとも俺はした。


 今している。現在進行形(ing)で。


 『分からない』いや、『解からない』そして、『判らない』。


 もういいや、考えるのは今はやめよう――と席を立った。


「でさぁ、凪はドコの高校を受けるの?あ、もしかして就職か?」


 すると、そんな思考停止したばかりの話をふってくる隣の席の男がいた。


 就職の下りは笑っている様子から、冗談なのだろう。いまどき、中卒の就職など、無理に等しいみたいなもんだ。


「さあ、わまだ分かんないよ。まだ中ニだろ?」


「んまぁ、そりゃそうだけどな」


 そう言って彼は机に顔を突っ伏して寝始めた。


隣の彼は『中頭ナカガミ 隆名タカナ』で、俺と同じ部活に所属している。


「ま、それじゃー先、行ってるからな。お前も寝てないでさっさと来いよ」


俺は机の横にかけていたエナメルの黒の光沢を安っぽく放つバックを左肩に掛けて部活に向かう。


日々の、ただただ変わり映えしない生活のサイクルをロボットのように回した。


はぁ、廊下を歩きながらため息を漏らす。


周りの部活や駄弁っている喧騒もいつもと変わらずただの雑音でしかない。



「はぁ、普通だ」



そう、普通なのだ。

所詮は。


人生の大きな出会いなど――――在りはしないのだ。


そう





人生の『大きな』『出会い』など『そうそう』に訪れるわけない。



俺はそう思っていた。


春の初めての大会を一位に納めて、ついでに大会新記録も叩息出して春の二度目の大会を過ぎて、少し時間がたった頃―――――



『俺は《走ること(ハシルコト)》を止めた』



………そして、


『新しい《部活》に入った』


to be continude

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