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薬草の悩み

戦いが終わると、セレスは「ありがとうございました!」と笑顔で消えた。俺は若干困惑しながらも、「まあ、気にしてる場合じゃないな」と自分に言い聞かせ、薬草採取を再開した。


薬草採取が終わると町にもどりギルドで解体してもらった魔石とゴブリン肉と薬草を納品する


ギルドの受付嬢が「最近、薬草の需要がかなり伸びてまして、みなさんのおかげで栽培もできるようにはなったんですが、それでも供給が追い付かないようで」とため息をついた。


「そのせいで、薬草採取の報酬が単価があがったってことですか?」俺は尋ねた。


「ええ。この国ではそうでもないのですが他国の魔物の強さや数が増加しているそうなので、ポーションの供給元のうちの町とか大変な状況ですね」と受付嬢は言った


エーテルの話に出てきた、現象だ。魔物の増加という災害、その影響がここまで届いているのだ。


「まあ、そういうことなら、俺たちはもう少しこちらの依頼をやるよ」俺は言った。


「ありがとうございます!」受付嬢はほっとした表情を浮かべた。


こうして俺たちは、薬草採取の依頼を継続することに決めた。薬草は貴重だし、この世界の人々の役に立てるならそれでいい。


町の薬草畑の様子も見に行かないとな、精霊力を地中に注入するおかげで薬草が採取できるが、いつまで持つかわからないし。


森の土と差もあるだろうし、やはり妖狐族が暮らしている森のほうが薬草が育ちやすい、他の薬草採取できる土地も妖精族やエルフなどが森に暮らしてるそうだ、それは良いことなんだろう。


薬草畑は錬金術師と一緒に管理していることだし、薬草採取は、農家にも協力してもらわないとな。


薬草畑を見に行くことにした。


薬草畑にはたくさんの薬草が育っていて、多くの人が働いていた。薬草は豊作のようで、この分ならしばらくは収穫に困らないだろう。


「こんにちは」と俺は農夫に挨拶した。


「やあ、こんにちは」農夫は答えた。


「薬草は順調みたいですね」俺は言った。


「ええ、おかげさまで」農夫は笑顔で答えた。


「よかった。ところで、薬草の生育に必要な肥料とか、何かある?」と俺は尋ねた。


「肥料ねえ……うーん」農夫は考え込んだ。


「まあ、今は特にないかな」


「そうですか」俺はホッとした。


「薬草の生育に必要なのは、精霊力や豊かな土地なども関係しますが、まずは土壌改善ですよ」農夫が説明してくれた。


「土壌改善ですか?」


「ええ、薬草を育てるためには、土壌中の栄養分を適切なバランスに保つことが大切です。あとは砕いた魔石を混ぜる事ですね、なので魔石が大量に必要なのですよ。」


「魔石……なるほど」俺は顎に手を当てて考え込む。「錬金術師と話をしたんだけど、やはり魔石が必須なのか」


小鈴が三本の尾を微かに揺らしながら補足した。「妖狐族の里でも薬草を育てるのには魔石を使いますよ。ただ……」言葉を濁す彼女の表情には憂いが浮かぶ。


「ただ?」

「高純度の魔石ほど薬効が強いんです。でも入手量が難しくて……」


農夫が大きく溜息をついた。「そうですな。ゴブリン程度の魔石では十分な効果が出にくい。理想はオーク以上のランクだが……」視線が空へ泳ぐ。「今のギルド依頼を見ても、あのランクの素材は稀少品扱いで値段が跳ね上がっているでしょう?」


確かにそうだ。ギルドカウンターの隅に貼られていたオーク討伐依頼は銀貨30枚だったが、それも常に埋まっているわけではない。そもそもDランク以下の冒険者が多くを占めるこの町では、Cランク相当の戦力が限られているのだ。

「でも待てよ……」ティナが突然ポンと膝を打った。耳がピンと立つ。「森の奥でアタシたちが倒したスパイダーの魔石ってどうなったっけ?」


俺たちが互いを見合わせる中、小鈴の尾がぴくんと反応した。

「あの時はギルドに全て納品したと思います。でも……」彼女の瞳が鋭く光る。「ギルドが買い取った魔石をそのまま放出するかというと……」


「可能性は低いな」俺が言葉を継いだ。「ギルドとしては独占的に保管したいだろうし、高位ポーションを欲しがるのは王宮や貴族が中心だから」


農夫が重々しく頷いた。「ええ。だからこそ民間向けのポーションすら慢性的に品薄なんですよ。せめて魔石だけでも手に入れば……」


ポーション作成にも魔石が必要で、薬草を育てるにも魔石が必要と。


「じゃあ決まりだね!」ティナが拳を振り上げた。「私たちが直接狩りに行けばいいんだよ!」


小鈴が三本の尾をたおやかに揺らしながら慎重に言葉を選ぶ。


「でも、Dランクの魔物もこのあたりじゃそう多くはないですからね、そこが悩みどころです」と小鈴はしっぽを優雅に振りながら言った。


「うーん、たしかにそうだよね・・・」ティナは考え込むように言った。


「まあ、たまに私達が土壌に精霊力を撒いているおかげで、発育がよくなってはいますからまだましでしょうね。」

小鈴は続けた。


「そうだよね、普通なら数ヶ月かかるけど、私達の場合は半月くらいで収穫できちゃうし」とティナも賛同した。


「ですが、それも魔石の産出量が少ないままではいずれ行き詰まるでしょうね」小鈴は厳しい現実を告げた。


魔物の多い土地では魔石の産出量がもちろん多い、しかしポーションの使用量も多いわけで、現地でポーション作成に使われている。


薬草がとれる地域では薬草を作るのに魔石を使用しているが、魔物が少ないために魔石の産出量が少ない。


そのために薬草畑を増やす事がなかなかできない。


なので森での薬草採取の依頼が常にある状況だ。まあ、森での薬草採取を専門にする冒険者は多くないので、採取量は多くは無いだろうな。


この世界の薬草の採取方法は基本的には、森に行って採取するか、薬草畑で育てるしかない。


薬草畑で育てるには、まず土地を精霊力を注入して、魔石で豊かな土地にする必要がある。


この精霊力の注入を俺たちが行う事で、短期間で豊かな土地にすることができる。


そして、この土地で育った薬草を使ってポーションの原料を作るのである。


薬草の質が良ければ良いほどポーションの効果が上がる。


ちなみに、薬草をそのまま食べると多少の体力回復効果はあるらしいが、味はあまり美味しくないとの事だった。


薬草を育てる土壌作りや精霊力注入についても、まだまだ研究が進んでいないようなので、俺たちが協力できる余地はありそうだ。


とりあえず、ギルドに常設依頼の薬草採取をして精霊力を込めた薬草採取をして少しでも貢献しようと思う。

ギルドの薬草常設依頼の報酬は1個銅貨8枚だ、魔石や肉もあるので森に頻繁に出入りしている俺たちにとっては美味しい依頼だ。



ご購読ありがとうございます。

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