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町に戻っての日常

朝、冒険者ギルドの依頼版を見ていた、特に変わった依頼はないようだ。いつもの常設依頼が貼ってあるだけだ。

なのでいつものように薬草採取の依頼を受けることにした


薬草採取にはいつも行く森に出かける事にした、森で採取しながらオーク等を討伐できればいいなと考えながら歩いていくと、オークが一匹歩いていた。

「小鈴!ティナ!オークだ!」と声をかけると、ティナが武器を構えた。


「任せて!」


オークとの距離が近づくにつれ、ティナは剣を構えた。相手は棍棒を持ち、鼻息荒く進んでくる。だが動きは遅い。狙いどころは明白だ。


「捕縛陣!」小鈴が魔法でオークを拘束する


そしていつものようにティナがオークの首筋を剣で切り裂いた。鮮血が地面に飛び散り、オークは一瞬で崩れ落ちた。


「……呆気ない」ティナが呟く。かつては恐怖を感じた敵も、今や日常の一部になった。


しかし今日は違う所がある、オーク肉の脂身からラードを作るのである。普段は脂身とはいえ、食されているので油としてはあまり出回っていない。

脂身だけを焼いて油を回収するのだ



脂身を回収しつつ、小鈴が淡々とオークの解体を始めた。


「手際いいよね」ティナが感心したように言った。


「慣れですよ、村で暮らしていた時、解体することもありましたから」小鈴は腕まくりしながら答えた。


脂身の塊を取り出すと、小鈴が丁寧に皮膚を取り除いた。続いて巨大な鍋を準備し、そこにオークの脂身を入れる。しばらく煮ると、脂肪が溶け出し透明な液体に変わった。


「これでラードはできましたね」小鈴が尋ねた。


「これで揚げ物ができるな」と俺は答えた、じゃがいももあるしポテトチップスとか作るのもいいかもしてない、あとやはり唐揚げか。


夕方になり、アイテムボックスの中に入れておいたラードを取り出した。見事に固まったラードを見て、三人は顔を見合わせた。


「これでいろいろな料理がつくれるんですね?」と小鈴は3本の尾がゆらりと揺れている。


「そうだね、まずはあげパンを作ってみようか」と俺は答えた。


「楽しみ!」とティナは笑顔を見せた。


翌日、冒険者ギルドに行くと、新しい依頼が出ていた。内容は素材採取だった。


「今回は珍しく依頼残ってるね」とティナは言った。


「そうですね、最近は常設依頼ばかりでしたから、どうしても常設以外の依頼は取り合いになりがちですし」と小鈴も同意した。


・・・依頼内容は・・・なるほど森の奥での素材採取か、低ランクだと嫌がられるな、依頼者は神殿からの依頼か。ギルドの報酬が大半だな。


依頼書を眺めていると、受付嬢が近づいてきた。



彼女は美しいが、どこか冷たく見える女性だった。


「冒険者の皆さん、これは神殿からの重要な依頼です。森の奥深くでしか取れない特殊な薬草が必要なのですが、誰も手を出さないので困っているんです」


「お願いできるでしょうか?」受付嬢は少し微笑んで言った。


俺たちは依頼を受けることにした。そして、これから向かう森について準備する時間が必要だと判断し、一度宿に戻ることにした。


数日分の食料を作るぞと意気込み、宿の庭で料理をする準備をする。


揚げ物を宿の部屋で料理するといろいろとね・・・で、調理場を借りようとしたが、長時間借りる事になりそうなので庭で調理することにしたのだ。



道具一式はアイテムボックスに入っているので、さっそく庭で調理を開始する。

油はラードを使う、オークの脂身から作ったものだ。


まずは揚げパンを揚げる、ティナと小鈴の2人は好奇心いっぱいで俺の手元を見ている


「パンを切ってから油に投入するんだ」と俺は説明した。

「パンは柔らかいのに、どうやって揚げるの?」小鈴が尋ねた。

「パン生地は熱で固まるから大丈夫だよ」俺は説明しながら手際よく作業を進めた。


「油が跳ねないか心配だなあ」ティナが少し離れて観察している。

「油の温度管理が重要なんだ」と俺は続けた。

「すごいなあ……」小鈴が感心したように言った。


そして、最初の揚げパンが完成した。香ばしい匂いとともに、カラッと揚がったパンが皿に乗っている。


その出来をみて、次々にパンを揚げていくそしてひたすら小鈴にアイテムボックスに仕舞っていく。


味見をする必要はないのだ、パンを揚げ、その次はオーク肉を揚げていく。


さっきから神託でエーテルが「酒と、酒のあてに揚げ物がほしいんだよねぃw」と何度も催促があるのだ。今回は「オーク肉のカツ」「フライドポテト」を酒のつまみにするようだ。

「さけ……さけ……さけ・・・」と遠くから念話が来てるような気がする。


酒のツマミか・・・

油で揚げるという行程があるので、今回は少し工夫を凝らす事にした。

まず、オーク肉のブロックを塩水で洗い、余分な脂を取り除く。

次に、塩と砂糖で味付けし、香草で香りを付ける。

ここで、ちょっとだけ隠し味として蜂蜜を加える。これは甘辛い味付けにすると聞いたからだ。

最後に、小麦粉をまぶして、高温の油で揚げる。

油はさっきのラードを使用する。

「これで完成かな?」と俺は言った。


「美味しそうな匂いですね」と小鈴は言った。


「うん、見た目も美味しそうだね」とティナも頷いた。


続いてじゃがいもを揚げていく、細い棒状に切り、塩を振り揚げていく。

「いい具合に揚がった」と俺は言った。そして早速、皿に盛り、酒を添えてエーテルへのお祈りというお供えをすることにした。


光と共に料理と酒が消えていった。


「さて、俺たちは明日に備えて部屋に戻ろうか」と俺は言い部屋に戻る事にした、だってここで食事を始めると他の目線が気になるからね。

一般に周知されていない料理とかはなるべく部屋で済ませるか、信用できる人とだけにしよう。


部屋に戻り、揚げたての食事を堪能する。


「これはまた美味いな」と俺は言った。

「オーク肉の揚げ物最高だね!」とティナは喜んでいた。

「揚げたてのじゃがいも、とても美味しいです!」と小鈴も感激していた。


「さすが、エーテルが催促するはずだな」と俺は心の中で思った。

そして、食事が終わると、部屋にもどり一緒のベットでいつものように寝る。

小鈴は3尾のしっぽを抱えながら。

ティナは耳をぴくぴくさせながら。


そして翌日の朝


「おはようございます」と俺は皆に挨拶した。


「おはようございます」とティナと小鈴は返事をした。


「さあ、神殿に依頼を果たしに行こうか」と俺は言った。


森の奥まで数日かかる距離だ、薬草は・・・小鈴が知っているそうだ、採取できる所も知っているらしい、神殿関係者が薬草を採取するときに何度かお供をしたことがあるらしい。


「採取はお任せください!」と小鈴は意気込んでいた。

「じゃあ、行こうか」と俺は言い、部屋を出た。


「よーし!行くぞー!」とティナも元気に声を上げた。




こうして俺たち3人は、宿を後にし森へと向かったのだった。


森の浅瀬ではゴブリンやコボルトが、奥に進むにしたがってオークが出没する。まあ、魔物の集落に当たらなければ問題はないはずだ。


「オーガやCランクの魔物に合わなければいいですね」と小鈴は3尾の尻尾をゆらしながら言った。


「オークなら食材にもなるからいいけど、オーガは私達じゃ倒すの難しいし、バイパーやマンティスとかでても困るし・・・」とティナは続いた。


「まあ、とりあえず行ってみようか」俺は先頭を歩きながら答えた。


しばらく歩くと前方から気配を感じた。おそらくゴブリンだろうと思い、構える。そしてすぐに姿を現したのは予想通りゴブリンだった。しかも5匹と数が多い、ティナと小鈴を俺がフォローする形で戦闘を始めた。


「小鈴!魔法を頼む!ティナは右から攻撃を!」俺は指示を出しながら、中央のゴブリンに突っ込んだ。


「雷狐!」小鈴が魔法陣を展開し魔法を放つと、閃光とともに雷の狐が3匹現れ轟いた。その威力は絶大で、一瞬にして3匹のゴブリンが黒焦げになった。

「いっくよー!」ティナも剣を抜き放ち、ゴブリンと突進していく。華麗なステップで敵の攻撃を避けつつ、確実にダメージを与えていた。


俺はウィンドランス!と唱え、風の魔法で出来た槍を手に持ちゴブリンの1匹を相手取った、魔法の槍を突き出しゴブリンの喉を貫いた。鮮血が吹き出す。あとは、ティナの相手をしているゴブリンのみである。

「ティナ!一旦引いてくれ!」俺は叫ぶと、ティナはゴブリンの攻撃を避けながら後方に下がった。俺はチャンスとばかりにウィンドランスを投げゴブリンの腹部を貫いた。

「よし!倒したぞ!」俺は安堵の声を上げた。


「もう終わり?つまんないの」ティナが不満そうな表情を浮かべた。


「まあ、ゴブリンだったからな」と俺は言った。


ゴブリン5匹をアイテムボックスに仕舞い、森の奥へと進んだ。遺体を残しておくと下手するとアンデットになるからな。

まあ、妖狐族が住んでいる森だから大丈夫だとは思うが念のためだ。


・・・そういえばここの森に慣れているから気にしなかったが、他の森はどうなんだろうと気になったので小鈴に聞いてみた。


「ここの森は妖狐族が浄化をしているからアンデットやスライムが居ずらいと聞いていたけど、他の森はどうなんだ?」


「浄化とかされてない地域だとアンデットとかスライムは出ますよ。なので浄化されてない地域だと森も結構危険ですね」と小鈴は3尾の尻尾を優雅に揺らしながら答えた。その姿には妖艶さを感じさせるが、本人にはまったく自覚はないだろう。ティナは大きな耳をぴくぴくさせて、周囲を警戒していた。


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