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タイトル未定2026/02/02 08:22

翌朝、宿をチェックアウトした俺たちは、王都の北門へと向かった。

そこには既に数台の馬車が集まっていた。

「おっ!来たな!」

ライルさんが手を振って迎えてくれた。

「おはようございます!」

俺たちは挨拶を交わし、馬車に乗り込んだ。

「今日は天気も良いし、順調に行けば夕方には次の村に着くだろう」


・・・そして数日何事もなく町アストレアに着いたのだった。


そりゃそうだろう、何度も魔物の被害に合う街道など使うはずもない。護衛がついているのはいざという時、途中魔物が出やすい森を抜けるためだ。


そして俺たちは商隊と別れギルドへ報告、宿へと戻るのだった。


翌日、さっそくセレスがお供えの催促に来た、お酒とあんぱんをご所望らしい。そしてエーテルからも同じくお酒をお供えしてほしいと催促が来た。


エーテルへのお供えは簡易的な祭壇でも作ってやればいいのだろうか?と考えていたら声が聞こえてきた


「祭壇とか別にいらないねぃ、ただ物を適当に置いて、簡単なお祈りとお供えをしてくれればこっちで回収するからねぃ」との事だ


とりあえず机にお酒を置き適当に祈りをしてお供えをした。


「・・・ぷはぁ、久しぶりのお酒、しみるねぃ~!」


どうやら満足してくれたみたいだ。


俺はセレスへの捧げものを準備した。

「またお酒とあんぱんを用意してくれたのですね!」

セレスが嬉しそうに受け取ってくれる。

「セレスには精霊魔法を教えてもらっていますから。」

俺は微笑みながら言った。

セレスが感謝の言葉を述べる。

「いえ、こちらこそ感謝しています」

俺も頭を下げる。


「ところでユート様、何か新しい事がありましたか?」

セレスが訊ねてくる。

「実は王都に行ってきました、そこで色々と面白い出来事があったんですよ」

俺は王都での冒険譚を語り始めた。

王都での冒険、ダンジョンでの失敗談、色々な話をした。


セレスは楽しそうに聞いてくれていた。

「そういえば、新しい料理のアイデアがあるんですが・・」


俺は思い切ってクリームパンの構想を打ち明けた。

「ほぅ、クリームパンですか・・それは素敵ですね!」

セレスが興味津々の様子で聞き入る。

「でも材料費が高くて……」


俺は悩みを打ち明けると、セレスは考え込むようにして答えた。

「そうですか……それなら私が魔法でなんとかできないか、調べてみます!」

セレスの申し出に、俺は驚きつつも感謝した。


「本当ですか?ありがとうございます!」

俺は深々と頭を下げた。

「いえいえ、ユート様にはお世話になっていますから。それに私にとっても、新しいお供え物ができることは嬉しいことですからね」


セレスは優しく微笑みながら言う。

「それと、最近森の精霊たちも活気づいてきていますよ」

「森の精霊たちが?」

俺は疑問符を浮かべる。

「はい、以前よりも彼らの姿を見る機会が増えました。おそらく春の訪れと共に活動的になってきたのでしょう」


セレスが説明してくれた。


「そうなんですか!」


「そうです、彼らは自然の中で生きる存在ですからね。しかし、その活発化は時に危険を伴うこともあります」


「危険……?」


「はい、森の奥深くには未だに人間の知らない魔物が棲息しています。彼らは通常は私たちに危害を加えませんが、時には突然姿を現して脅威となることがあります」


「そんな……」


俺は不安になった。


「でもご安心を。私たち精霊がしっかりと見守っています。それに妖狐族がこの森を浄化していますから」



セレスの言葉に、俺は少し安心した。


「そうですよね、妖狐族がいるから大丈夫ですよね」


俺は改めて妖狐族のありがたみをを認識した。


「ええ、ですのでユートも十分に注意を払いながら行動してくださいね」

「分かりました」

俺は頷いた。

「では、そろそろ私は戻りますね。またお会いできる日を楽しみにしています」

セレスはそう言うと、空間へと消えていった。

「さて、明日は何をしようかな?」


俺は次の計画を考えながら宿へと戻ったのだった。


翌日、俺たちは集まった。


「さて、今日はどうする?」


俺は二人に尋ねた。


「今日こそはクリームパンを作りましょう!」

ティナが即答する。

「そうですね、まずは材料を揃えましょう」

小鈴が頷く。

「了解、まずは市場で食材を買い集めるか」

俺は立ち上がった。


「はい!行きましょう!」

ティナも元気よく立ち上がる。

俺たちは宿を出て、町の中心部へと向かった。


市場に到着すると、色とりどりの野菜や果物が並んでいる。

「まずはパンに使う小麦粉だな」

俺は小麦粉売り場に向かった。


「あっ!ユート、見てこれ!」

ティナが何かを見つけたようだ。

「どうした?」

俺は彼女の元へ駆け寄る。


「これ!すごく大きなジャガイモじゃない?」

ティナが指差した先には、普通の2倍はあろうかという巨大なジャガイモがあった。

「おぉっ!確かに大きいな!」

俺も驚いた。


「これならたくさんお芋料理ができるね!」

ティナが目を輝かせる。

「でも、こんなに大きいのなんて見たことありませんね」

小鈴が不思議そうに首を傾げる。

「これは珍しい品種なんでしょうね」

俺は店主に声をかけた。


「すいません、この大きなジャガイモはどこ産ですか?」


「あぁ、これは北の山岳地帯で取れる特別な品種なんですよ」

店主が答えてくれた。


「北の山岳地帯?」


俺は聞き返す。


「ええ、あそこは寒くて厳しい土地だけど、その分作物が大きくなるんです」

店主が説明してくれた。


「なるほど、それでこんなに大きくなるんですね」


俺は感心した。

「じゃあこれを買います!」


油を用意できればコロッケとか大量につくれそうだ、卵は買ってあるしポテトサラダもいいかもしれない。


市場で巨大なジャガイモに驚嘆し、食材を満載した小鈴のアイテムボックスが「そろそろ限界です……」と呻くほどの買い物を終えた俺たちは、意気揚々と宿に戻った。ティナは新調した革鎧の背中の部分に刻印された小さな翼模様を指でなぞりながら、「ねえユート、クリームパンって『羽』みたいだよね!」と妙な連想を繰り広げている。小鈴は買ってきたばかりの真新しい解体用ナイフをそっと鞘から引き出し、「切れ味を試したい獲物がないかなあ……」と物騒な独り言。相変わらずのコンビだ。


厨房スペースを借りる許可を得ると同時に、ふと気になることが頭をよぎる。「そういえば、王都では小麦粉もかなり質が違った気がするな……」と呟けば、宿の主人がすかさず割り込んできた。

「お客さん、王都の麦粉なら当然さ! アストレア産より粒が細かくて甘みが強い。だけどねえ――」皺だらけの手で磨りガラスのようなパンチングボードを示す。 「この地方の粗挽きの方が『土の恵み』が生きるんだ。発酵途中で自然な酸味が出てくるからね。試してみなされ!」


なるほど、と頷く私の横で、ティナがいそいそと小麦粉袋を開け始めた。


「ユート! これね『五芒星印』って書いてある! 魔法的な小麦粉かなあ?」


「星印は品質基準だよ……多分」苦笑しながら生地の配合を始める。温湯に砂糖と天然の酵母を溶かし、小分けにして粉に少しずつ混ぜていく。これが発酵のキー。ただし――


「砂糖が王都と同じく貴重品なんですよね……」小鈴が指摘する。私たちは無言で頷いた。王都滞在中に痛感した価格差は否めない。仕方なく控えめな量を使用する。


釜戸に火を入れながら休憩。テーブルの隅でセレスの透明な瞳が好奇心いっぱいに輝いている。


「ユート、あの白い塊が膨らむのですか? 空飛ぶ綿毛のようですね♪」

「そうだよ。うまくいくと3倍くらいにふんわりするんだ」

「私も……触れても良いでしょうか?(ふわふわして触りたいだけ)」


許可するとセレスは躊躇いなく指先で生地を突っついた。その瞬間――


ポオォン!!!!


キッチン全体に響く破裂音。生地が粘土のごとく跳ね上がり、壁一面にこびりついた!


「ぎゃああ!」「せ……精霊魔法ですか!?」

「違う~! 触った途端『プシュウ』って!(焦りながら掌を見せる)」


茫然自失の三人+一人?を見かねた小鈴が「冷気」で飛び散った生地を冷却。白いモヤが漂う中、宿の主人が怒鳴り込んできた。


弁解の末、追加の小麦粉代と掃除代金を請求されてしまう始末……。ティナが震える声で「精霊パワー……料理禁止令出るかも……」と呟き、小鈴は3本の尻尾をゆらしながら微笑んでいた。しかし肝心のセレスは「ごめんなさい! でも……あわあわ楽しい! またやりたい♪」と反省ゼロ。前途多難だ。


気を取り直し二回目の生地づくり。今度は慎重に、セレスには「触らない・応援役に徹する」約束を取り付けた。


そしてパンの生地ができ、中身のクリームを作っていく


生クリームと砂糖を混ぜ合わせながら、「これだけでも十分美味いんだよなあ」と独り言。濃厚な味と比べればまだ水っぽいが、初めてにしては及第点だろう。 ティナが横で卵黄とバターを捏ねながら「うん! 美味しそう! 早く食べたい!」と鼻息荒く叫んだ。


窯で生地を焼き、焼き上がりを待つ。甘い香りが部屋中に広がる中、セレスがそわそわと釜戸の隙間を覗き込み「膨らんだ! 天使の羽根のよう……」と歓声を上げる。やがて表面に黄金色の照りが走り、見事なふくらみが現れた。


「成功だな!」

「おお~! これがクリームパン?」

「香ばしくて甘い匂い……堪らないです」


焼き立てを一つ取り、真ん中を切り開く。ふわっと立ち上る湯気。そこへスプーン一杯のクリームを流し込むと、柔らかなパン生地が優しく包み込む。完成! 試食タイム。


一口噛むと、懐かしい味が口いっぱいに広がった。


「うまい! 生地のもちもち感とクリームの濃厚さがマッチしてる!」

「ふわふわで、中身もとろっとしてて最高!」

「甘すぎず、ミルク風味がちょうどいいです」


それぞれが夢中で頬張る。セレスも空中で両手を小さく叩きながら「とっても幸せ!」と笑顔満開。ちなみに俺自身も舌鼓を打ちつつ、思わず日本時代を回想。あの職場の昼休み、疲れた体に染みわたるあんぱん&カフェオレの記憶が蘇る。


これでセレスへのお供えは十分だろうと考える、まあお供えって感じではなくなったが。


その日はあんぱんとクリームパン作りで1日を終えた、アイテムボックスに入れておけば当面は持つだろう。


明日からはまたギルドで依頼を探そうと小鈴とティナと話ながら就寝した。

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