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初めての王都

王都へ向かう馬車の中で、俺たちは今までの旅を振り返っていた。


「長いようで短かったな」俺は窓の外を見ながら呟いた。


「そうだね〜、でもいろんな経験ができたよ!」ティナが猫耳を揺らしながら答える。


「ハイ、たくさんの人と出会えましたね」小鈴も三本の尾を優雅に揺らしながら頷く。


特に印象的だったのは、ライルさんとアーレスさんの戦いぶりだった。あの時の鮮烈な記憶は、俺たちにとって大きな刺激となった。


「あんな風に強くなれるかな?」ティナが真剣な表情で問いかける。


「ティナちゃんは素早さが武器だし、私は魔法で支援できるから……」小鈴が考え込むように言う。


「ユートさんは魔法も使えるけどまだまだだもんね」


「そうだな、精霊魔法の練習も続けないと」俺は決意を新たにした。


会話をしているうちに、馬車は王都の門に近づいていた。巨大な城壁が視界に入り、その威容に圧倒される。


「わぁ、すごいね!」ティナが驚きの声を上げるそして城門に長い列ができているのを目撃した。


「あれが王都の入口ですか?」小鈴も窓から身を乗り出すように見る。


「ああ、王都に入るには検査があるからな」ライルさんが説明する。「商人や旅人の身分証や荷物を確認するんだ」


馬車列に並び、順番を待つ間、俺たちは緊張しながら身なりを整えた。ギルドカードを準備し、何か質問されても答えられるよう準備をする。


「緊張しますね」小鈴が小さく言う。


「大丈夫、俺たちには何もないし」俺は彼女を励ました。


ようやく俺たちの順番が回ってきた。兵士が身分証を確認し、荷物を軽く調べる。


「通行料は銀貨3枚だ」兵士が告げる。


そして、身分証を見た所、まじまじと俺ら3人をよく見ていた、やはり珍しいらしい


ハーフ猫族に、ハーフ精霊、そして妖狐族


俺は手持ちのお金を支払い、馬車は門を通過した。


「やっと入れたね!」ティナが嬉しそうに言う。


「ハイ、でも王都は広いですから、迷子にならないように気をつけましょう」小鈴が忠告する。


王都の中に入ると、その規模の大きさに言葉を失った。石造りの建物が立ち並び、幅広の道路を行き交う人々で溢れている。


「これが王都か……」俺は感嘆の声を漏らした。


「すごいね〜、いろんなお店がたくさんある!」ティナが目を輝かせる。


「ハイ、冒険者ギルドや魔法学院もあるみたいですね」小鈴が地図を広げながら言う。


この新しい土地での生活が始まろうとしていた。期待と不安が入り混じる感情を抱えながら、俺たちは王都の中心部へと向かった。


王都の中心部は活気に満ちていた。馬車は商人ギルドのある広場に到着し、ここで別れることになった。


「お疲れ様でした」商人が馬車から降りてくると、俺たちに礼を述べた。


「無事に届けてくれて感謝します」ライルさんが代表して答える。


商人との手続きが終わり、報酬を受け取った。これで一時の収入になる。


「これで、王都での活動資金ができるな」俺は金貨を見ながら言う。


「そうだね〜、でもまずは拠点を見つけないと」ティナが猫耳を揺らしながら答える。


「ハイ、宿を探しますか」小鈴が思案顔で言う。


商人ギルドでの仕事が終わり、俺たちは冒険者ギルドの場所を聞いてみた。


「王都の冒険者ギルドはここから北に向かった所だね」近くにいた商人が教えてくれた。


「ありがとうございます!」俺は礼を言って、二人と一緒に歩き始めた。


王都の道は広く、きれいに舗装されている。道行く人々は様々な服装をしており、他国の文化も垣間見える。


「いろんな人がいるね〜」ティナが興味深そうに周りを見る。


「ハイ、王都だからいろんな地方から来た人が集まるのでしょうね」小鈴が説明する。


冒険者ギルドは思った以上に大きい建物だった。入り口には看板があり、「冒険者ギルド・王都支部」と書かれている。中に入ると、多くの冒険者たちで賑わっていた。


「ここが王都の冒険者ギルドか……」俺は内部を見回しながら感心する。


「受付に行こう!」ティナが急かすように言う。


受付カウンターに行くと、女性職員が笑顔で迎えてくれた。


「いらっしゃいませ、初めての方ですね?」


「はい、王都に来たばかりなんです」俺が答える。


「それは歓迎します。王都での冒険者確認をお勧めします」彼女は手続きの説明を始めた。


まず身分証明としてギルドカードの提示を求められた。


「ギルドカードはお持ちですか?」


「はい、ここにあります」俺はカードを取り出した。


ティナと小鈴も同様にカードを提出する。職員はカードを確認し、何か端末のようなものに情報を入力している。


「王都では新たな登録が必要になります。手続きにお時間を頂きますので、しばらくお待ちください」


「わかりました」俺は椅子に座り、待つことにした。


待っている間、俺たちはギルド内の掲示板を見たり、他の冒険者たちの様子を観察したりした。王都の冒険者たちは装備も立派で、レベルの高さが窺える。


「みんなすごく強そうだね〜」ティナが小声で言う。


「ハイ、特にあのパーティはBランクみたいですね」小鈴が指摘する。


しばらくして、女性職員が呼びに来た。


「お待たせしました。確認が取れましたので、王都での活動が認められます」


彼女はギルドカードを返却してくれた。王都特有のマークが刻印されている。


「これで王都での依頼を受けられますね」職員が笑顔で言う。


「ありがとうございます!」俺は新しくマークされたカードを受け取った。


ギルドカードを受け取った後、俺たちはギルド内を改めて見て回ることにした。掲示板には様々な依頼が貼られており、ランク別のコーナーに分かれている。


「王都の依頼は種類が多いな」俺は掲示板を見ながら感心する。


「そうだね〜、薬草採取からモンスター討伐まで色々ある!」ティナが猫耳を揺らしながら答える。


「ハイ、特に護衛任務が多いみたいですね」小鈴が掲示板を詳しく見ている。


俺たち三人で話し合い、王都での初仕事はDランク向けの依頼から始めることにした。王都に慣れるためにも、あまり難しくない内容を選ぶことにしたのだ。


「この薬草採取の依頼はどうだろう?」俺が一つの紙を指差す。


「あ、それいいかも!森での探索は久しぶりだしね」ティナが同意する。


「ハイ、森の魔物も弱いと書いてありますし、良さそうですね」小鈴も賛成する。


依頼票を持って受付に行き、正式に依頼を受ける手続きをした。


「薬草採取の依頼ですね。目的地は王都の北にあるアルトリアの森です」職員が説明する。


「王都を出て1時間くらいで着くみたいです」小鈴が補足する。


「それじゃあ明日から行くか」俺は決断した。


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