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護衛依頼その後

ライルさんとアーレスさんの動きは見事に噛み合っていた。


ライルさんが正面から斬りかかり狼を引きつけると、アーレスさんの槍が死角から突き刺さる。ライルさんの剣は光のような速さで弧を描き、アーレスさんの槍は獲物を貫く針のように正確だった。



一番大きな狼が咆哮を上げたが、ライルさんの一撃で喉を裂かれ、血を吹き出しながら倒れた。


アーレスさんの槍が風を切る。

「・・・」

無言のまま放った三連突き・・・3匹同時に倒していた・・・


残りの狼たちは逃げようとするが、ライルさんの剣が雷のように振るわれ、道を塞がれる。

「逃がさん!」

ライルさんが叫びながら跳躍し、空中で回転しながら二匹の狼を切り裂いた。着地と同時にさらに一撃、これで四匹。


一方のアーレスは長槍を巧みに操り、前方の空間を支配していた。彼の周囲十歩以内には狼たちが近づけない。

「・・・」

無言のまま槍を振り回し、三匹まとめて串刺しにする。


戦闘は五分ともたなかった。

気づけば15匹の狼が森の地面に倒れ伏していた。血の臭いが立ち込めているが、二人にはほとんど傷がない。


「終わりだ」

ライルさんが剣を収める。額には汗ひとつかいていない。


アーレスさんも無言で槍を肩に担いだ。その目は戦闘前とまったく変わらない平静さを保っている。


「すごすぎる・・・」

俺は呆然と呟いた。他の冒険者たちも同じように息を飲んでいる。


「ユート、ティナ、小鈴」

ライルさんが穏やかな声で呼びかける。

「見学できてよかったな」

その言葉には傲慢さは微塵もない。ただ純粋な優しさだけがあった。


「ハイ……勉強になります」

俺は正直な気持ちを伝えた。

「どうやったらあんな風に戦えるんですか?」


「慣れだ」

ライルさんは肩をすくめた。

「それと、仲間との信頼関係。アーレスとは10年以上の付き合いだからな」


アーレスさんは無言で頷いた。その目には、ライルさんへの深い信頼が映っている。


「それより、商人たちに被害は?」

ライルさんが周りを見回す。

「鋼鉄の盾、流星の矢、怪我人はいないか?」


「大丈夫です!」

両パーティーから安堵の声が上がる。


「よし、進むぞ」

ライルさんが号令をかける。

「ただし、警戒は緩めるなよ。こういう場所は後続の敵がいることもある」


馬車隊が再び動き出した。狼の死体は商人の馬車には乗り切らないらしく、小鈴のアイテムボックス行きとなった、商人には羨ましがられた。アイテムボックス持ちは貴重らしい。


俺たちの馬車も後に続く。

「すごいですね、あの二人・・・」

小鈴が感嘆の声を漏らす。

「ハイ、本当に」


「あのくらいになれるかな?」

ティナが猫耳をピコピコさせながら訊ねる。


同じ剣術を使う身としてティナは気になっているみたいだ。


「私たちは私達のペースで頑張りましょう、ゆっくりと・・・」と小鈴


「そうだな、焦らなくてもいいよ」

俺は二人の頭をもふもふしながら撫でた、やはり獣耳は癒しだ。


「ティナ、小鈴、まずは自分の得意なことを磨こう」

俺は二人に語りかける。

ライルさんとアーレスさんのような動きは無理だとしても、それぞれの強みを活かせばきっと強くなれる。


「ティナは索敵能力と俊敏さがすごいから、それをもっと研ぎ澄ませていこう」

「うん! 私の足と耳は、きっと役に立つ!」

ティナが元気よく応える。


「小鈴は魔法とアイテムボックスだな。この二つは本当に貴重だよ」

「ハイ、頑張ります・・・」

小鈴が控えめに頷く。彼女の三本の尾が優雅に揺れている。


「それで、ユートはどうするの?」

ティナが興味津々で聞いてくる。

「俺は・・・なんだろう」


俺の思考が途切れたところで、「そうだな」と呟いた。

「俺は魔法だな。精霊魔法の練習も始めてるし……」


精霊力を使って操る魔法を練習中だ。まだ完璧ではないが、少しずつ感覚は掴めてきている。


「精霊魔法って難しいよね。私もエルフと猫族のハーフだから使える可能性あるんだけど」ティナが猫耳を傾けながら言う。


「ユートさんは、ハーフ精霊ですから精霊力は使えますからあとは練習あるのみですよね、私も多少使える程度ですが」と小鈴が言う。


「でも、なんで使えないんだろうね?ハーフなのに……」ティナが首を傾げる。


「それはよくわからないな……」俺は少し考え込む。


「・・・特に理由はないんだよねぃ、もともと持ってなかった力だから操り方がわからないんだと思うねぃ、あと私が属性を決めておかなかったのも理由の1つかねぃ・・・」とエーテルの声が頭の中に響いた


「ただの失敗?」


「ただの失敗だねぃ、まあセレスに教わってほしいねぃ」


・・・失敗ってどういうことだ?・・・まあ今更だけども。俺は内心で苦笑いを浮かべた。


まあ、これから覚えればいいだけさ、俺は気持ちを切り替えた。

「当面はアイテムボックスと魔法の使い方に慣れることが目標だな」


「私も、もっと強くなりたい!」ティナが拳を握りしめる。

「私も・・・頑張りますね」小鈴も静かに決意を3本の尻尾を揺らしながら答えた。


「うん、みんなで頑張ろう」俺は二人の頭を再度撫でた。

獣耳が触れ合う感触に心が和む。


これからの旅も、きっと楽しいものになるだろう。


ご購読ありがとうですにゃ

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