王都への道
俺たちは指定された場所へと向かった。そこには大きな荷馬車が3台停まっており、武装した護衛たちが周囲を警備している。
「おっ、新人たちか?」
中の4人がこちらに気がついて寄ってきた。ライルさんだCランクパーティー『鉄槌』のリーダーだ、もう一人は無口のアーレスさんだ
コルは軽装備の戦士で大剣を装備。背は170くらい、ごりごりのマッチョになっていた。
ミリーはは身長180くらいのしゅっととした体格で、装備も金属製プレートに盾、剣を持っている。こちらは相変わらずといった感じだ
「ユート!おまえもこの依頼受けたのか?」とコルが話かけてきた
「ああ、王都に行ってみたくてな」俺は答えた
「あ!ライルさん、こんにちは」ティナと小鈴がぺこりとお辞儀をする
「おう、ティナちゃん、小鈴ちゃんか今日はよろしくな」
「・・・そういえば、俺たちが護衛任務で出てる間にオーガ討伐の依頼受けたんだって?」とライルさんが続けて話す
「ええ、倒せそうなパーティが僕たちくらいしかいなかったということで・・・」と俺は返した。
「どうやって倒したんだ?俺らのパーティでもライルさんとアーレスさんの2人くらいしか倒せないのに」とコルが続く
俺らじゃ傷つけるくらいしかできないよなーとコルとミリーはお互い話していた。
「穴掘って魔法で生き埋めにしました、他に方法がなかったので」と俺は話す
ライルさんとアーレスさんは俺ら3人を見て「なるほど・・・確かに生き埋めなら強さあまり関係ないな」とライルさん話す。
普段2人がどうやって倒すのか気になって聞いてみた
「ライルさんやアーレスさんならどう倒します?」
「俺なら剣で首をはねるか袈裟斬りだな、アーレスなら槍で一突きだな」とライルさんは答えた。
・・・そんな会話をしていると、馬車からひとりの老人が降りてきた。
「やあ、君たちが今回護衛してくれる冒険者たちだね」と老人が声をかけてきた。
「はい、よろしくお願いします」俺は頷きながら答えた。
「私は風の翼商会の副会長だ。今回の護衛任務を担当してもらえると聞いて喜んでいるよ」老人は丁寧に挨拶した。
「私はCランクパーティー『鉄槌』のリーダー、ライルだ」ライルが自己紹介する。
「同じく鉄槌のアーレスだ」と無口そうな男が短く名乗る。
・・・そういえば俺たち3人ってパーティ名なかったな・・・あとで考えるか・・・
「俺たちはDランクだが実績はあるつもりだ、まあよろしく頼む」とコルが自信ありげに言う。
「私はミリー、仲間はみんな優秀だから安心してくれ」とミリーが付け加える。
俺たちも次々と自己紹介をする。
「俺はユート、今回は護衛として参加させてもらいます」
「私はティナ、よろしくね」
「私は小鈴です、どうぞよろしくお願いします」
老人は頷きながら聞いていた。「頼もしい顔ぶれだね。よろしく頼むよ」
その後、Dランクパーティの『鋼鉄の盾』と『流星の矢』が挨拶をしていた。
その後、我々は馬車に分乗することになった。
1台目には老人とライルさんが乗ることになっており、2台目にはアーレスさんと俺たち3人。3台目にコルとミリー、そして鋼鉄の盾と流星の矢のパーティが乗ることになった。
それぞれの役割も決められ、1台目の周りを2台目、3台目が固める形で進むことになった
「よし、出発するぞ!」
ライルさんの掛け声とともに馬車が動き出す。町を出ると、すぐに草原が広がっていた。遠くには山々が見え、青空が広がっている。
「王都までは大体10日ほどかかる、特に危険な箇所はないはずだ。何かあればすぐに合図を、あとは途中の村や町で他の商隊と合流しながら進む事になっている」
ライルさんは腕を組みながら説明した。
「分かりました」俺は頷いた。「特に何かあれば俺がライルさんところに行けばいいんですね?」
「そうだな」ライルさんは頷いた。
俺は小鈴をチラ見した。「その場合の荷物は任せた」と口パクで伝える。「了解です」と小鈴も頷き返した。
アーレスさんは黙々と座り、時折周りを警戒している。相変わらず無口な性格のようだ。
しばらく進むと、最初の休憩地点に到着した。広い草原の真ん中で、周囲は見通しが良い。ここで昼食を取ることになった。
「各自、食料は用意しているだろうな?」ライルさんが全員に確認する。
「もちろんです」俺は答えた。
俺たちは持参した簡易食料を取り出した。固いパンと干し肉、それに水筒だ。移動中は基本はこんなものしか口にできない。荷物が増えないようにするためでもある普通はだが。
ただ俺たちは2人がアイテムボックスを使えるので食材は結構持ち歩いている、なので追加でスープ等を出していく。
「なんだ、それは?」ライルが不思議そうな顔をする。
「アイテムボックスから出したスープですね、おいしいですよ?皆さんで飲みますか?」俺が提案する。
「いや、悪いな、ありがとう」
ティナと小鈴が嬉しそうにスープをすする。やはり暖かい食事は美味しそうだ。それに比べて、他の冒険者は冷たい保存食を黙々と食べるしかない。なんとなく罪悪感を感じてしまう。
休憩が終わると、再び馬車は動き出した。王都へ向かう道は広く整備されており、特にトラブルもなく進んでいく。
夕方になり、我々は最初の宿泊地点に到着した。小さな湖の畔で、周囲は森に囲まれている。
「ここは安全そうだな」ライルさんが周囲を見回しながら言った。
「だが油断は禁物だ」アーレスさんが低い声で付け加える。
「わかってるよ、アーレス」ライルさんは頷いた。「夜は交代で見張りだ。最初は我々が担当する。次の番は鋼鉄の盾と流星の矢、その次がユートたちでいいか?」
「了解だ」「わかりました」と皆が承諾した。
夜は静かに更けていった。湖の畔は想像以上に寒く、焚き火の炎だけが唯一の熱源だった。
「意外と冷えるな」俺は肩をすくめながら言った。
「そうだな、もう少し燃やそう」ライルさんが薪を追加してくれる。炎が少し大きくなった。
交代で見張りを務めることになり、俺たちの番は夜半過ぎその後すこし仮眠を取る事になった。最初の見張りはライルさんたちだ。彼らの経験豊富な様子に俺は感心していた。
「ユートくんは見張りの経験はどれくらいあるんだい?」ライルさんが唐突に尋ねた。
「そんなに多くはないです。まだDランクですし」
「ふむ」ライルさんは頷いた。「王都は初めてかい?」
「そうですね。実は初めてです」
「そうか、王都はこの辺りとは全然違うぞ。人も多くて建物も多い。それに……」ライルさんは少し言葉を選ぶように間を置いた。「他種族への偏見がある・・」彼は小さくため息をついた。「まあ、まだ幼い猫族に3本も尻尾を持つ妖狐がいれば・・・大変かもしれないな」
ライルさんはティナと小鈴の方を見た。
「そうなんですね……」俺は少し心配になった。
「とはいえ、基本的には冒険者ギルドの支部もあるし大丈夫だろう」ライルさんは安心させるように言った。「それに私らも同行しているしな」
焚き火の炎がゆらめき、時折爆ぜる音が響く。静かな夜だった。
「ユート!そろそろ寝ようよ~」ティナが欠伸をしながら寄ってきた。「明日も長いしさ」
「そうだな、ちょっと寝よう」俺は彼女に従って横になった。小鈴も既に毛布に包まって寝息を立てている。
「おやすみ」俺は声をかけると、目を閉じた。
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