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王都への護衛依頼

ギルドを出る頃には日が傾き始めていた。橙色の光が町並みを照らし、帰路を急ぐ人々の姿がちらほらと見られる。俺たちも宿に向かって歩き始めた。


「王都までは馬車で10日ほどだったな」と俺は確認する。


「ハイ、その通りです」小鈴が答える。「途中にいくつかの小さな村を通りますが、特に危険な地域はありません」


「よし、しっかり準備して行こう。新しい食材が手に入ればいいな。」俺は頭の中で色々な料理を思い描きながら言った。


宿に戻ると、俺たちは翌日の準備を始めた。必要な装備を整理し、持ち物を確認する。ティナは新しい服の準備をし、小鈴は魔法道具の点検を行っている。俺は地図を広げ、道中のルートを確認していた。


「ユート、こっちの地図の方がわかりやすいよ」ティナが猫耳をピンと立てながら小さな巻物を持ってくる。


「本当だな、ありがとう」俺は地図を受け取り、丁寧に広げる。そこには王都までの街道が詳細に描かれていた。主要な町や村の位置関係も明確に示されている。



翌朝、俺たちは早起きしてギルドへ向かった。護衛依頼を探しに来たのだ。王都までは通常10日程度かかる道のりだが、単独で行くよりも依頼を受けて馬車に便乗したほうが安全で効率的だ。


朝のギルドは活気に満ちていた。冒険者たちが掲示板の前で熱心に依頼書を吟味している。俺たちも混ざって依頼を探す。


「王都方面の護衛依頼はないかな……」俺は依頼板を凝視しながら呟いた。


「護衛依頼なら朝のうちが狙い目ですよ」背後からマリーさんの声が聞こえた。


「マリーさん!」俺は振り返った。「王都方面への護衛依頼を探してるんだけど」


「ちょうど良いタイミングです」マリーさんが微笑む。「昨日届いたばかりの依頼があるんです」


彼女は受付カウンターから一枚の依頼書を持ってきた。


「こちらは商人ギルドの大手『風の翼』商会からです。王都まで商品を輸送する馬車の護衛を募集しています」



【護衛依頼】

・目的地:王都アルディニア(片道約10日)

・護衛期間:往復約20日間

・募集人数:8~10名程度

・報酬:一人あたり金貨1枚(成功報酬)


「おお、これは良さそうだ」俺は依頼書を読みながら頷いた。


「そうですね。今回の依頼は商人ギルドの大手なので信頼性も高く、報酬も良心的です」マリーさんが説明を続ける。「王都までの旅程で高品質な砂糖も確保できるかもしれませんよ」


「それは嬉しい情報ですね」小鈴が目を輝かせる。


「護衛対象は大型の荷馬車3台編成で、主に食品や調味料を運搬するとのこと」マリーさんが依頼書の続きを読む。「出発は明後日の朝6時、ギルド前集合です」


ティナが猫耳をピンと立てて質問した。「危険なルートを通るんですか?」


「この季節の西回りルートは比較的安全と言われていますが、盗賊や低級魔物の出現は想定されます」マリーさんが慎重に答える。「だからこそ複数パーティの合同護衛なんです」


「なるほど」俺は考え込んだ。「他の護衛パーティの情報はありますか?」


「すでに数組の応募があります」マリーさんが手元のメモを見ながら言う。」Dランクパーティの『鋼鉄の盾』と『流星の矢』が参加予定です」


「それなら十分な戦力ですね」小鈴が三本の尾を揺らしながら評価する。


「よし、この依頼を受けることにしよう」俺は決断した。「ティナと小鈴も問題ないかな?」


「もちろん!」ティナが元気よく答える。「王都での買い物も楽しみだしね!」


「ハイ、私も賛成です」小鈴も微笑む。


マリーさんは依頼書に俺たちのサインを書き込むと、手配書を作成してくれた。「それでは、明日までに準備を整えておいてください。集合時間厳守でお願いします」


「了解しました」俺は手配書を受け取りながら答えた。


ギルドを出た俺たちは、宿に戻って旅の準備を始めた。とは言ったものの、所持品はほとんどアイテムボックスに入れっぱなしなので身軽だ。必要なのは少しばかりの食料くらいだ。


「出発の時は馬車に一緒に乗り込むんですか?」ティナが猫耳を揺らしながら訊ねる。


「恐らくそうだと思う」俺は考えながら答えた。「人数が多いと分散して馬車に乗るだろうな」


「いざとなったら荷物をアイテムボックスに入れさせてもらおう、そうすれば荷馬車に空きができて乗ることができるさ」


「ハイ、それなら移動中も楽ですね」小鈴が頷く。


夕方になり、準備を終えた俺たちは宿の食堂で夕食をとった。メニューは簡単な煮込み料理と固パンだったが、王都ではもっと美味しいものが食べられるかもしれないと期待が膨らむ。


食事を終えると、俺たちは部屋に戻って旅の計画を話し合った。


「王都に着いたらまずどこに行く?」俺は尋ねた。


「やっぱり市場かな?」ティナが提案する。「新しい食材を見てみたい!」


「それもいいですね」小鈴が同意する。「それに、お酒や砂糖も買わないといけませんからあとは武器とかですね」


彼女の三本の尾が揺れる。


「そうだな、せっかく王都に行くんだからしっかり見て回ろう」俺は頷いた。


翌朝、俺たちは早めに目覚め、最終的な準備を整えた。アイテムボックスの中身を確認し、忘れ物がないか確かめる。


「準備完了!」ティナが猫耳を立たせて宣言する。


「ハイ、問題ありません」小鈴も三本の尾を揺らしながら頷く。


出発の時間が近づき、俺たちは宿を出てギルドへと向かった。日はまだ昇りきっておらず、町は朝靄に包まれている。冒険者たちが続々と集まってきているのが見える。


「おはようございます!ユートさんたち!」マリーさんが満面の笑みで挨拶してきた。


「おはようございます、マリーさん」俺は挨拶を返す。「依頼内容に変更はありませんか?」


「はい、問題ありません」マリーさんが答える。「『風の翼』商会の馬車隊は既に到着しています」



ご購読ありがとうございますsにゃー

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