ティナの猫耳
朝、宿の部屋で目が覚めると、俺の上にティナが乗っかっていた。寝ぼけ眼で目を開けると、そこにいたのは猫耳が生えたティナだった。
てしてしと手で顔を洗うしぐさをしながら、こちらに顔を向けた。
「おはよう!」ティナは元気よく挨拶した。
俺は驚いて飛び起きた、ティナの耳が出しっぱなしなのが気になった。
「お、おはよう……」俺は戸惑いながら挨拶を返す。
「昨日のこと覚えている?」ティナが尋ねてきた。
「もちろんだよ」俺は答えた。もふもふの猫耳とか忘れるわけがない。
昨日は高LVの動物が居ることやティナが猫族なのが衝撃的だった、もふもふかわいい。
「私ね、もう隠すのやめようと思うんだ」とティナは宣言した。
「そっか。いいんじゃないか?」俺は微笑んだ。
「えへへ♪ありがとう!」ティナは嬉しそうに笑いながら顔を手でごしごしこすっていた、なんだか猫っぽい。
白色で、ふわふわな猫耳、小鈴の狐耳と同じくもっふもふだ、あれかあれなのかもふもふライフを送れと言うのか。
意外と回りにもふもふの人が増えるのかな?とか、紅葉さんももふもふだったもんなあとそんな事を考えながら
「ところでさ、猫耳っていつも出ているものなの?」俺は質問した。
「ううん、普段はスキルで隠していたの。でも今はその必要がないから」とティナは答えた。
「そうなんだ。似合ってるよ」と俺は褒めた。
ティナは照れくさそうに笑った。
「ところで、今日は何をするつもり?」ティナが聞いてきた。
「そうだな……まずは昨日の薬草採取の続きとあと訓練ををしたいな」と俺は答えた。
昨日の高LVのウサギとの遭遇で、小鈴に頼り切りなのを実感したのだ、もっと訓練をしないとな。
「いいね!私も付き合うよ!」ティナは快諾してくれた。
ティナも昨日は吹き飛ばされたのを気にしているのだろう。
「おはようございます、薬草採取と訓練ですね」と小鈴も賛同してくれた。
小鈴が朝食の用意をしてくれていたみたいだ、感謝感謝。
俺たちは朝食を済ませると、早速行動を開始した。
草原では薬草採取を行い、その合間に訓練も行った。薬草については、昨日より多く見つけることができた。
小鈴曰く、その辺の雑草でも低級ポーションは作れるんですよとの事、薬草を選ぶ理由は魔力に馴染むか、あと味の問題らしい。
訓練では、お互いの戦闘スタイルについて話し合いながら、連携の確認や技術向上に努めた。
即席パイルバンカーならあのうさぎを打ち取れるだろうか?でも高LVだもんな・・・・
ティナは猫族ならではの俊敏性を活かした接近戦を中心に、時には剣術も織り交ぜながら戦っていた。
隠すために魔力を常に使っていたのをやめたおかげで、身体能力強化にMPをもっと割けるようになったのは影響が大きいらしい、前衛でがんばるそうだ。
小鈴は妖狐魔法でサポートしつつ、隙あらば自身も攻撃に参加していたもちろん体術でだが、魔法は威力がありすぎる。
小鈴は小柄なのに回し蹴りとか結構な威力がある・・・体術もある程度できるそうだ。
普通のゴブリンくらいなら首をへし折れますよとのこと、普段は俺やティナの訓練にならないので控えてると。
俺は精霊膜と魔法を組み合わせた技を磨いたと思いたい、基本魔法で殴るか蹴るかの方法しかないのが難点だ。
槍術とか習ったほうがいいだろうか?剣術は適正がないのでオワコンだが・・・ファイアーランスを手にもって振り回すとかありかもしれない、おそらく精霊膜使っていれば魔法を手に持つ事も可能なはず。
・・・やはり基本が大事、体術を学ぶべきかもしれない・・・ギルドで教えてもらえるだろうか?基本ギルドでは剣術や槍術、弓矢なの刃物を使うのが一般的だ
「皆さん、とてもいい訓練になりましたか?」と小鈴が話して、訓練を頑張ったことを褒めてくれた。
「ありがとう。でもまだまだだよ、自分の力量のなさを実感したよ」と俺は謙遜した。
小鈴にとっては俺たち2人はまだまだ子供扱いだろうなあ、まあ年下なのは事実だが
「えぇ、私もこれからもっと強くならないとね!」ティナも決意を新たにしていた。
訓練は順調に進んでいったが、ティナの動きが昨日よりやけに機敏になっていることに気づいた。
「ティナ、昨日より動きが速くなってないか?」俺は疑問を投げかけた。残像が見えそうなくらいの動きをしていた。
「え?そうかな?いつも通りだと思うけど」とティナはとぼけた。
「いや、明らかに違う。何か隠してるでしょ?」俺は追及した。
「あー、バレちゃったかぁ」とティナは苦笑いした。
「実はね、猫族特有の俊敏ってスキルがあるんだけど、これを使ったらこんな感じになるんだよ」とティナは説明した。
「へぇ〜!すごいなぁ!」俺は感嘆した。
「まぁね。でも、それだけじゃないんだよね」とティナは意味深な表情を浮かべた。
「どういうこと?」俺は興味津々だった。
「それは秘密!でもいつか教えてあげるね」とティナははぐらかした。
「もったいぶらないでよ〜」俺は不満げに言った。
「しょうがないなぁ。じゃあ特別に少しだけ教えてあげる」とティナはニヤリと笑った。
「実は……私、獣化ができるんだよ!」ティナは声を潜めて告白した。
「獣化?それってどんな能力なんだ?」俺は食いついた。
「簡単に言うと、猫耳だけじゃなくて全身が獣人化するの。足とか手とか」ティナは得意げに言った。
「え!?マジで!?」俺は驚愕した。
「嘘じゃないってば!ほら見ててよ!」ティナはそう言うと、目を閉じて集中し始めた。
すると、ティナの全身から白い毛が生え始め、手足が大きくなり、爪が鋭く伸びていった。まさに獣人の姿だった。
「これがもう一つの私なんだ」ティナは誇らしげに宣言した。
「すげぇ……本当に獣人になってる」俺は呆然と眺めていた。
「どう?かわいいでしょ?」ティナは自信満々に顔をてしてしと肉球のついた手で指さしていた。
「うん、超カッコかわいいよ!でも、なんで今まで隠してたの?」俺は疑問に思った。
「だって恥ずかしかったんだもん……それに、この姿になると理性が保てなくなることがあるからさ」ティナは正直に答えた。
やはり猫っぽくなっちゃうのだろうか?マタタビとかあるなら用意してみたい。あとボール投げとかしてみると面白そうだ。
「そっか。そういう事情があったんだね」俺は納得した。
「まあね。でも、これからは堂々と見せられるように頑張るよ!」ティナは前向きだった。
「応援してるぜ!」俺はエールを送った。
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