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いつもの依頼

ギルドへ向かい依頼表を見る。常時依頼の薬草採取が掲示されていた。


「薬草採取の依頼ですね。」小鈴が目を輝かせる。三本の尾が期待に揺れた。


「うん、いつもの依頼だね!」ティナも同意する。


「じゃあ採取に行こうか」


いつもの草原へ到着した。見渡す限りの草原が広がり、爽やかな風が吹いていた。


遠目に森が見えるが魔物の姿は見えない、せいぜいウサギがいる程度だ。


薬草は採取しやすい位置にあるので問題なくある程度の数を採取できた。


残りの時間は小鈴が丁寧に採取していく一方、俺は少し離れた場所で拳を構えている。


ティナは周りの警戒に当たってくれている。


「よし、いきますか」


俺は精神を集中させて土の魔力を体に巡らせるイメージで拳に魔力を溜めていく。


すると全身に淡い光が纏わりついた。


「ストーンアロー!」と唱えながら拳を地面に叩きつけると衝撃波が広がった。


草むらが激しく揺れ動く。俺は周囲の様子を伺いながら何度も試した。


ティナが興味深そうにこちらを見ていた。


「すごい威力だね」


「これなら戦闘でも使えそうだな」


「なるほど、拳で殴りながら魔法をゼロ距離で使う分には詠唱はなくてもいいですね!」小鈴が満足げに頷く。


3本の尾が誇らしげに揺れた。


「・・・でも普通ゼロ距離で使うと拳もダメになっちゃうんですよね、精霊膜のおかげでしょうか?」と小鈴


午後になると雲行きが怪しくなり雨が降り出した。ポツポツと大粒の雨が落ちてくる。


「急いで帰ろう!」ティナが叫ぶ。


「了解!」


雨宿りを兼ねて急いで町に戻った俺たちだったが服はすでにぐしょ濡れだ。


すぐさま宿屋に戻ったが冷たい風が体温を奪っていく。


「うぅ……寒いね」とティナが震える。


「小鈴!早く乾かしてくれ!」


「分かりました!」小鈴はすぐさま「狐火!」と唱え魔法を展開してくれる。


俺たちはその魔法で温まりながらの中で一息ついた。濡れた服の気持ち悪さも少しずつ和らいでいくようだった。


「早く乾くといいですね」と小鈴は言いながら続けて魔法を使い続ける。


三本の尾は温かさで緩んでいるように見える。


「ユートの装備はどう?」とティナ。


「ああ、問題なさそうだ、ティナのほうはどうだ?」と俺は答える。


「私も問題ないかな」とティナが答える


雨の影響で濡れてはいるものの動きにくさはなかった。


「よし!これで一安心かな」ティナは胸を撫で下ろす仕草をする。


「そろそろ夕食にしましょう!」小鈴が提案する。三本の尾が嬉しそうに揺れた。


「そうだな、腹減ったし」と俺も賛成する。


俺たちは食堂に向かった。雨に濡れた冒険者たちで賑わっている。


注文を取り終え料理が運ばれてくるまで待ち時間がある。


ふと窓の外を見ると通りを行き交う人々の姿が見える。


傘を差している人も多いが急いで駆け抜ける人もいる。雨は小降りになっているがまだまだ止みそうにない。


店内は暖かくホッとする空間となっていた。


小鈴の魔法のおかげで体はすっかり温まった。


テーブルの上の皿からは湯気が立ち昇り食欲をそそる香りが漂ってくる。


スープの優しい匂いに混じって焼きたてのパンの香ばしさも感じられる。


野菜炒めの鮮やかな色合いも目に楽しい。


俺たちは各々料理を楽しみながら談笑しているうちに夜を迎えることになった。


ご購読ありがとうございます。

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