神殿での活動
宿で朝食をとり終え、俺たちは今日もギルドへ向かった。掲示板の前に立ち、いつものように依頼票を物色する。
「今日はどんな依頼があるかな……」
「薬草採取は昨日もしたばかりだし……」
「討伐依頼もFランクだと選択肢が少ないんですよね……」
三人で頭をひねっていると、小鈴が一枚の依頼票を指差した。
「あの……これなんてどうでしょう?」
その依頼票にはこう記されていた。
【Fランク依頼】
内容:神殿にて回復魔法の補助
報酬:銀貨5枚(人数分配)
詳細:神殿での負傷者診療補助。神官の監督の元での活動
対象:回復魔法の使用経験がある者(Fランク可)
「回復魔法の補助か……ちょうどユート君とティナさんにぴったりかもしれませんね!」
「確かに私たち向きかも!それに神殿は久しぶりですね!」
「うん、悪くなさそうだな。受けてみようか」
俺も即座に同意した。精霊膜を使った回復魔法がどこまで通用するか、試すには絶好の機会だと思ったのだ。
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受付で手続きを済ませると、担当ギルド員の男性が俺たちを神殿へと送り出してくれた。
「よろしく頼むよ。神殿長様にご挨拶したら、そのまま現場に入ってもらえれば構わないとのことだ」
「了解しました」
「行ってきます!」
「改修工事が進んでるんだね……」
「本当ですね。壊れた部分も随分綺麗になりました」
俺たちはしばらく内部を見学し、ようやく神殿長の執務室を見つけた。ノックをして入室すると、そこには白髪交じりの穏やかな老神官が座っていた。
「お待ちしておりました。回復魔法の補助をお願いしたいと伺っております」
「はい。お久しぶりです。こちらは仲間の小鈴です」
「承知いたしました。では早速ですが、現場のシスターフィーナに同行してください。彼女が詳しい指示をいたします」
言われた通り廊下を進むと、治療院の入口に立つシスターフィーナが目に入った。彼女は、俺たちを見つけると丁寧にお辞儀した。
「ようこそいらっしゃいました。本日はどうぞよろしくお願いいたします」
「お久しぶりです。ユートです。ティナとこちらは小鈴僕の仲間です」
彼女は治療院内の大きな部屋へと案内してくれた。
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「これから治療院の手伝いをしてもらうわ」
あら、大丈夫?と同室の神官が言う
「うん、怪我とか骨折はこっちにまわしてちょうだい」
「助かるわあ。今日も患者が多くて大変だったのよー」
患者が運ばれてくる。腕を骨折しているようだ。
「普通の怪我も骨折もやることは同じよ。やってみて」
回復魔法を、ティナと一緒に使う。
「もう1回。うん。もう1回。うん、これでいい」
シスターフィーナは患者の腕をムニムニ触る
「本当に優秀ね。普通は回復魔法覚えても慣れるまでは何度も失敗するもんだけど・・・・」
これも小鈴が居たからなんだろうな。小鈴に魔法を教えてもらってからヒールはあまり失敗しなくなった。
それで納得してくれたようだ。次々に患者が送られてくる。
傷の具合によって何度ヒールを掛ければいいかわかってきた。
続けて10人ほど診たところで怪我の患者は終わったようだ。
病気の治療をする神官を見ながらきいて見た。
「病気とかはヒールじゃ無理なんですか?」
「病気と解毒はヒールとは少し違うんだよ。
解毒は毒を消さないとだめだし、病気はヒールで効果もある場合もあるけど、病気に合わせた治療が必要なの」
ここでは解毒ポーションで治療しているのよーと神官、その横で病気治療のポーションを作ってる小鈴
次の患者は母親らしき人に抱えられた子供だった。
「風邪をこじらせちゃってるわねー。ヒールをお願いできるかしら」
ティナが【ヒール】をかける。子供は少し楽になったようだ。
「普通のヒールだと風邪には効果がないけど、体力を回復させることができるのよねー」
「あとは何日か寝てればよくなると思うわー。お大事にねー」
母親が礼をいい、子供を連れて出て行った。
「病気と毒を治すのは体内の毒を浄化する感じかしらねー。慣れればできるようになるわー」
病気を治す魔法か。現代社会でも風邪の根本的治療法はないのにさすがは魔法だ。
「よくわからない病気にはとりあえずヒールをかけておくといい。体力さえ戻れば大抵持ち直すから。あとはポーションを飲ませて、それでだめなら運が悪かったと諦めるしかないのよ」とシスターフィーナが言う
「腕のいい治癒術師ならどんな病気でも治せるんだけど、ここじゃ無理ねえ、解毒ポーションも万能ってわけじゃないし・・・」
「腕のいいのはもっと稼ぎがいい所に行くか、ダンジョンがある町や戦争の前線に引っ張りだこだからねえ」
その後、もう何人かの治療を手伝って、その日の治療は終わった。
治療が終わるとシスターフィーナに呼ばれ、
「ティナさんとユートさん。あなたたちの回復魔法とても助かった。毎日来てほしい所」と言われた。
「それに小鈴さんもポーションも作ってもらえると助かると」
「ごめんなさい。Fランクでまだ日銭稼ぐ為に依頼をこなしている最中なのです」「その為でもありますし・・・」
ティナが申し訳なさそうに言うと、「そうよね。そうだったわね。ごめんなさいね」とシスターフィーナが謝った。
「今日はお疲れ様。ギルドには話を通しておくから」
そう言って今日の治療院業務は終了となった。
帰り際に小鈴から「あの回復魔法の込め方、すごく良かったですよ!」と言われた。
精霊膜を使いながら患者の患部に触れ、回復魔法を使うと効果がすこし増えるようだ。ただ消費MPが増えるのが難点だ
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