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森の調査

翌朝、ギルド前には多くの冒険者たちが集まっていた。


「昨晩の報告に基づき、臨時のCランククエストとして森の調査を行います」


ギルド職員が緊張した面持ちで説明する。


「参加者は各自装備を整えて出発してください。安全第一で!」


ギルド員のおっさんが声をかけてきた


「どうだ?調査に参加しないか?Fランクとはいえ、これだけ大人数の調査になるんだ、結構安全だぞ」 


「アイテムボックスや回復魔法や、補助魔法使えるものは貴重だからな、サポートをお願いしたい」


 中の2人がこちらに気がついて寄ってきた。初心者講習会を一緒に受けたコルと、ミリーだ


コルは軽装備の戦士で剣と弓を装備。背は170くらい。細身で愛嬌のある顔をしている。


ミリーはは身長180くらいのしゅっととした体格で、装備も金属製プレートに盾、剣を持っている。


「ユート!おまえもこの依頼受けたのか?」とコル


「ああ、サポートで呼ばれたんだ」


「うちのリーダーのライルさんだ、Cランクのハンターだ」


 ごつい体の人を紹介される。身長は180のミリーよりさらに高い。大きな剣を背中に担ぎ、腕の筋肉が太い。金属の胴プレートはたくさんの傷がきざまれ、年季が入ってることがうかがえる。


手を差し出してきたので握手をする。


力入れすぎだ、手が砕けるよ!見た目もまさに脳筋だけど、仲間を思いやりそうな熱血漢にみえる、顔がハンターの厳しさはあるが笑うと優しい顔にも見える。


「よろしくな坊主」


「は、はいよろしくおねがいします」



「俺は戦士のライル。Cランクパーティー『鉄槌』のリーダーだ、こっちは槍使いのアーレスだ」


だまってコクンとうなずくアーレスさん、アーレスさんは細身の長身でやはり180くらいは身長がありそうだった


ライルさんが大きな手で俺の肩を叩いた。


「おい坊主たち、サポート役で声をかけられたんだってな?」


「はい、回復魔法が使えます」


小鈴が一歩前に出る。


「私も補助魔法で支援できます」


「よし、任せたぞ!」ライルさんが豪快に笑う。


森に入る前、冒険者たちは陣形を整えた。


「俺たちは先頭を行く、お前たちは後方支援だ」とライルさん。


「了解です」


森に入ってすぐ、奇妙な静けさに気づいた。


「おかしいな、こんなに静かだったか?」ライルさんが眉をひそめる。


アーレスさんもライルさんと目線をあわせて頷いていた。


---


「どうやら奥に行くほど魔物の気配が強くなっていますね」


小鈴が三本の尾を警戒するようにピンと立てて言った。


森に入って一時間ほど経過したが、先ほどから微かに聞こえる唸り声や遠吠えが増えてきていた。


コルが緊張した面持ちで言う。


「通常ならこれほどの活性化は考えられません。何かあるはずです」


先頭を行くライルさんが手を上げて全員を停止させた。


「待て。前方に何かいる」


茂みの向こう側に大きな影が見え隠れしている。


ライルさんが静かに近づいて偵察すると……。


「なにか、魔物がでたようだな、まあ偵察に出ているハンター達で対処されるだろう」


「はい……」


とライルさんが戻ってきて言う。普通のゴブリンじゃなく、少し大きく強敵のようだ。


「あの大きさはゴブリンウォーリアーの可能性が高い」コルが警戒の表情を浮かべる。


「まあみてな、前衛のハンター達の戦いぶりを」ライルが剣の柄をポンと叩いた。


ティナが小さな声で聞く。


「どのくらい強いんですか?」


「通常のゴブリンの三倍以上の戦闘力があると考えろ」ミリーが冷静に答える。


「しかも群れで行動することが多い」



「前衛が対応できるようだな」とライルさんが笑顔を浮かべる


「いくぞ!」


ライルが号令をかけると、前衛のメンバーが武器を構えて突進した。


ゴブリンウォーリアーの一団が待ち構えていた。


「いくぞ!鉄槌の一撃を見せてやる!」ライルさんの咆哮と共に戦闘が始まった。


黙ってついていく、アーレスさん

---


鉄槌のメンバーたちがゴブリンウォーリアーと交戦する中、私たちも後方支援に徹する。


「ユートさん、左翼に回復が必要です!」ティナが叫ぶ。


「了解!ヒール!」俺は精霊膜を通じて魔力を循環させながら回復魔法を送る。


小鈴はすでに魔法陣を描き始めていた。


「防御結界を張ります!プロテクトサークル!」


周囲に薄い光の幕が広がる。鉄槌のメンバーたちは確かな動きでゴブリンを仕留めていく。


コルとミリーもそれぞれの武器を振るい、見事な連携を見せている。


特にコルの素早い弓矢はゴブリンの動きを止める効果があった。


「コルさんすごいです!」


「まだまだ序の口だ!」


コルが軽やかに笑う。


ミリーの剣技は剛胆でありながら洗練されており、ゴブリンの攻撃を完璧に捌いている。


「鉄槌」の名に恥じぬ強さだった。


ゴブリンウォーリアーを引き裂く剣技のライルさん、その背中を守るように槍で貫いていくアーレスさん

-ーーーーーーーーーーーーー


激しい戦闘の中でも、「鉄槌」の統率力は圧倒的だった。剛剣で切り裂いていくライルさん


回りを冷静に見ながら指示を出しながら追随するアーレスさん


コルの射撃が確実に敵を足止めしていく。


ミリーのおぼつかないな剣技は見るものをほほえましくさせる。


「これがCランクの戦い……」俺は息をのんだ。


「さて獲物達をアイテムボックスに入れてくれ」


ライルさんはゴブリンウォーリアーの死骸を渡してくる


それをアイテムボックスに入れる小鈴


俺はコルに矢筒を渡しながら


「僕等は前衛の荷物になるような物資の輸送ち支援で呼ばれたんですよ」


「そういうことです。戦闘はお任せします」とティナが応じる。


「心配するな、坊主。お前たちの魔法は十分戦力になっている」ライルが豪快に笑う。


 2時間ほどで目的地についた。木々の間から木漏れ日が漏れている。


体をほぐすとすぐに出発となった。斥候担当のパーティが周辺を調査するようだ。


みな無駄話をやめて真剣な顔をしている。森につくと一本の細い道があって、それを辿って行く。


おれはライルさんにくっついてきょろきょろしながら歩いていたが危険危険と聞いていたが、少し拍子抜けした。




 ふいにライルさんが止まる。背中の大剣に手をかけている。声をかけようとすると手で制された。すぐに他のパーティが動き始めたので行軍を再開する。




「今のは?」と、聞いてみる。




「前のほうで戦闘があったようだな。すぐに終わったみたいだが」


どうやら、オークが出たようだ、すぐに片付いたが、アイテムボックスに収納しに行く小鈴


ライルさんはそれを見送って斥候が帰るのを待っている。斥候がすぐに帰ってきて、ライルさんに何かを告げた。


「みんな集まれ」とライルさんが大声で呼びかけるとすぐにぞろぞろと集まってきた。


「斥候によるとオークの群れが出たようだ、前衛3名負傷。中腹の道を防いでいるので、それ以上奥には行けないそうだ」


前衛の回復に向かってくれと


「うちら鉄槌パーティも先行して中腹に向かう!他のパーティは援護してくれ!」


そう言ってすぐに歩き出した。道の途中で戦闘を起こっているパーティーがあった。怪我をした人は俺とティナが治療する。

「どうだ?」


「かなり消耗しているけど、まだ大丈夫」とコルが答える。


「前衛交代で行ってくるよ」とミリー。


「じゃあぼくが後衛の補助に入る」とアーレスさん。

「よし」


「坊主たちもついて来い」ライルさんに言われてついていくことにした。


森の中を歩いていると次第に血の匂いが漂ってきた。


そして金属同士がぶつかる音が響いてくる。


「くそっ!多すぎるぞ!」


誰かの怒声が聞こえる。木々の間から見えたのはオークの群れだった。


およそ二十体はいるだろうか。前衛が必死で持ち堪えているが数で押されている状態だ。


「これじゃまずいな」ライルさんが舌打ちする。


「いくぞお前ら!」


ライルさんが叫ぶと、パーティ全員が前に出た。オークの一体に斬りかかる。


「ガアァッ!」


ライルさんの剛剣に切られたられた個体は悲鳴を上げながら倒れる。


そして俊敏な突きでオークを貫いていくアーレスさん


続いてコルが放った矢が別の個体の足に突き刺さった。


「グフッ……」


その個体は苦悶の表情を浮かべながらアーレスさんの餌食になっていった。


そしてまた一体また一体と次々となぎ倒していく。


「すごい……」俺は思わず呟いた。


「当然だろう」ライルが当たり前のように言う。


「ああいう魔物共は数で押せば勝てるってことだよ」コルも続ける。


「ほれ、手伝えって!回復と補助はお前らに任せるからな!!」ライルに言われて慌てて前に出る。


「おい!来るぞ!」とミリーが叫ぶ。


ここは私が、と小鈴が前に出て魔法で捕縛する。


ライルはオーク止めを刺した


「よくやった」とライルさんが声をかける。


「ありがとうございます」



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