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第一話 ❷

最近立ち入っていなかった道に入り込んだせいか。

私がたどり着いた場所は道路の目の前ではなく、崖の下だった。

「私が向かった村の端は道路で、こんな場所じゃない…」

高くそびえたつ崖を見上げると、大粒の雨が視界を邪魔する。

思わず顔を下に戻すと見窄らしい、屋根もつけられていない地蔵がいた。

そして、その地蔵と目が合った。

「ぁ。」

ぞくっと悪寒が走ると同時に急に雨の勢いが増した。


急いでここを離れなきゃ。


確かにそう思ったが、あの地蔵から視線を移動できなくて、足が動かなくて、暫くそこから動けなかった。


「速く!急いで!動いて!」


と頭の中に響く警戒の声。

そしてそれを打ち消すほどの轟音が聞こえた。

音の方向である上を向いた。

真っ暗だった。

そして雨が止んだ。

再び轟音がなった。

私の身体が軟体動物のように曲がって潰れた。

頭が地面に叩きつけられた。

意識が、無くなった。



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