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異性としての意識

-Main story- 5-5

式典後人々がいなくなるのを待っから、仕斗と後片付けをしていた。

祭事もいつも以上にしっかりと執り行えた実感があり、鼻歌なんか歌いながら気分良く片付けを進めていく。

今晩も宮中でお世話になる予定だったので、明日は冷めた灰などを片付けて、荷車に乗せるだけの状態までにしておきたかった。

仕斗の手も借りながらの後片付けだったので、夕飯の前には浴場へ行き、身体についた煤や煙の臭いを落とせるだけの時間が取れた。


私は着替えを持ち、お風呂に入る為に浴場へとむかっていた。


(緊張もしたし流石に疲れた。無事に終わってよかった。)


ホッとした気持ちもあり、何も考えず浴場の扉をあける。

するとそこには腰にタオルをまいただけの想輝様が立っていた。


「あっ、えっ?……⁉︎」


私の声に想輝様が振り向いた。


「はっ⁇」


そして、想輝様も私が入ってきた事に驚き、互いにすっとんきょう声をあげていた。


「…はっ‼︎ごめんなさい‼︎間違えました‼︎」


私は慌てて扉をしめる。

扉の表記を確認すると、男湯の札がかかっていた。

しっかりと確認していなかったので、女湯の向かいにある男湯の方へ間違えて入ってしまったらしい。


(やらかしてしまった。)


事故とはいえ、想起様の裸をマジマジと見てしまった。

服の上からはわからなかったが、彼は細身な身体なのに、腕や胸周りはガッチリとして、腹筋は程よく割れていた。

お風呂上がりだったのか腰に巻いたタオルは濡れて身体に張り付き、身体の形を強調していた。

いかにも男性という身体つきだ。

髪からは雫がポタポタと落ちていて、いつもキチンと身なりを整えている想輝様と真逆の無防備な姿に色っぽさを感じてしまった。

私の心臓がドクドクと脈うつっていた。


(想輝様も男の人なんだ。)


はじめて想輝様を異性と認識した。

自分の丸みを帯びた身体とは、あまりにも違うものだと実感した。


ふっと昨夜、廊下での想輝様とのやりとりを思い出す。

穏やかな口調だったのに、彼は私の方を見ていなかった。

あの時は、私を嫌っていて目をそらしていたのかと思っていた。

でも、あの時の私は身体のラインが見える服を着ていた。


(もしかして想輝様は目のやりばに困って私の方を見ていなかった?いやっ、それは流石に私の自惚れだろうか。)


想輝様が私を女性としてみることはないだろう。

成人を迎えていても私はまだ15歳だ。

想輝様から見れば私はまだまだ子どもだろう。

私よりも、もっと大人の魅力溢れる女性が周りに沢山いるはずだ。

何より私は想輝様に嫌われている…はずだ。

昨日の私に対して不自然な態度を取っていた想輝様の事を思い出すと、もしかしてっという気持ちが芽生えてしまった。


(いやいや。そんな事ないって!)


自惚れるなっと自分を戒め、今度はしっかりと女湯の表記を確認してから扉を開ける。

だが、さっきみた光景がいつまでも頭から離れない。

身体を洗い、湯船につかっていても、想起様の濡れた髪と筋肉質な身体が頭に浮かんでくる。


(なんでずっと頭から離れてくれないのぉー。)


誰も見ていないのに赤くなった頬を隠すように、ブクブクと顔まで湯船に沈めていた。

しかし、昼間の疲れもあるのか、早々にのぼせそうになってきた。


やばいと思い、出ようとするが、すでに遅かった。

立ち上がり、湯船から出た瞬間、意識が朦朧とし足がもつれ、床に倒れ込んでしまった。

〝しまった!”と思ったのは一瞬だった。

かろうじで受け身はとったが、そのまま意識がスッと途切れてしまった。


『おい‼︎大丈夫か…。…君…運んで…』


誰かの声が所々聞こえくる。

薄らっとした意識が戻るが、まだ頭がはっきりしない状態で、今自分がどんな状況なのか全くわかっていなかった。

すると、急に身体がふわりと宙に浮き、誰かに抱えられている感じがした。


(なんだか安心する。こんなに心地よい気分になるのは久しぶりかも。)


あまりの心地よさに身を預けしまう。

〝この人は私の全てを受け入れてくれる。”

誰かもわからない人に、そんな安心感を私は抱いた。


その後、仕斗の声が聞こえたかと思うと、ふわりとした場所へ下された。

まだ意識はぼんやりとしており、何が起こっているのか状況が把握できていなかった。

ただ、額に何か冷んやりとした感触あり、その冷たさを心地良く感じたのは覚えていた。

だがそれを最後に、私の意識は再び途切れたのだった。

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