歩み寄り
-Main story- 4-7
狼鷹への報告を終え、騒動がひと段落したので里へ帰る予定だった。
だが、私の心の中には、まだモヤっとした気持ちが残っていた。
このまま里へ戻ってしまえば、彼らと私の距離は二度と縮まらない。
なんとか仕斗を説得し、村人の生活が少しでもスムーズに始められるようにと復興作業を手伝うことにした。
あたりは一面、煤に覆われて、焦げた臭いが充満していた。
どこから手をつければいいのか呆然とする彼らの前で、私は精霊の力を使い一面に広がっていた灰などを集め始める。
彼らは、先ほどまで声を荒げていた私の行動を怪訝な表情で見ていた。
そんな彼らの視線を感じながらも、私は黙々と作業を続けていく。
聖獣と崇めていた閤央と長に仕える仕斗が私に手をかし作業を進める光景を見て何か思う所があった様だ。
やっと彼らの心が動きだし、一人、また一人と行動を起こし始めていた。
大人達は仮説のテントを建て寝る場所を確保し、子ども達は、近くの林に入り、小枝や木の実などを取りに行くなど食事の準備を手伝っていた。
着々とこの地で再出発する準備が進んでいく。
彼らの生活が落ち着くまで手を貸したかったが、私達には私達の生活がある。
ずっとここで作業はしていられず、ついに帰る時間になってしまった。
「できる限りお手伝いしますので、何かあれば気軽に連絡をください。生活が落ちついたら、立派な社の建設も忘れずにお願いしますね。」
笑顔で挨拶をし、後ろ髪をひかれながら村を発つ。
彼らは何も言わなかったが、私達を頭を下げて見送ってくれた。
そんな彼らの態度は、少しだけ私に心を開いてくれたようで嬉しかった。
帰り道、私の頬を撫でる風はとても爽やかで、心まで穏やかにしてくれていた。




