仕斗との団欒
-Main story- 3-7
北の祠から帰り、夕食にみんなで鍋を囲んでいた。
鍋の中には沢山の野菜と肉がグツグツと煮えていて、食欲をさそるいい匂いが部屋に充満していた。
「時雨様どうぞ。しっかり食べて精をつけてくださいね。」
空が私の器に肉や野菜をバランスよく、取り分けてくれる。
「ありがとう、空。」
私は空から器を受け取り、目の前で肉の取り合いをしている二人を眺めていた。
「陸、それ僕の肉。肉ばっかりじゃなくて、野菜もちゃんと食べてよ‼︎」
海が陸がとっていった肉を取り返そうとしている。
「うるさい。俺はお前より動いてんだ。身体が肉を欲してるんだよ。野菜より肉だ、肉‼︎」
腕を高くあげ、箸でつまんだ肉を海が取れない位置まで高くあげている。
しかし、その肉を狙っていた閤央が、シュッと軽やかにジャンプして陸から肉を奪っていった。
「あっ!ゴウちゃんそれ僕の肉‼︎」
「閤央!横取りするな‼︎」
肉を横取りされた二人は、同時に抗議の声をあげていた。
閤央は得意気な笑みを浮かべてから、二人に見せつけるように肉をゴクリと飲み込んだ。
「くぅ~‼︎‼︎」
二人は悔しがり、閤央に飛びかかろうとしていた。
「二人とも‼︎お行儀が悪いですよ。ちゃんと座って食べなさい。」
そんな二人を空が忙しないっと嗜めていた。
そんなやり取りに笑みが漏れる。
やはりこの雰囲気は居心地がいい。
みんなで賑やかにご飯を食べていると、昼間の嫌な出来事を忘れさせてくれた。
こんな穏やかな時間がずっと続けばいいのにっとひっそりと願う。
しかし、私にはそれが許されないらしい。
日が沈み月が輝く穏やかな夜は、馬を走らせ私を訪ねてくる者によって壊されたのだった。




