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時越想 〜時を越える想い〜  作者: はらぺこワンコ。
第三章 復興ー北の村ー
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特訓と勉強

-Main story- 3−2

朝食を終え、食後の恒例になっている薬草茶を飲み干した。

まずい味だが、体調が良くなるのは確かだ。

意識が戻った時、私は気を失ってから十日ほど経っていたらしい。

そのため、体力はすっかり落ち込んでいた。

目覚めた日は動くだけで体が痛み、話を聞くのが精一杯だったが、翌日にはまだ痛みがあるものの、何とか動けるようになっていた。


「動けるなら手伝え。」


と、その日から陸のスパルタレッスンが始まっていた。

陸は母から精霊の扱い方を徹底的に教え込まれていて、


『私に何かあった時にはあなたが教えてあげて』


と託されていたという。

動けると言っても、体力の落ちた私にとっては、毎日のようにこなしていた畑仕事ですら大変な作業だった。


「無理してでも動いたほうが体力回復にはいい。」


と陸に言われていたので、休憩を挟みながらも必死に精霊の力を使って作業をこなしていた。

毎日力を使い切るまで動き、夜は横になれば秒で寝られるほど身体を酷使し続けた。


そんな日々を過ごしていたら、自分でも驚くほどに精霊の力を使いこなせるようになっていた。

まだ微調整は必要だが、試行錯誤を繰り返せば、更にできることが増えるかもしれない。

あれこれ考えながら、部屋で支度を整える。


今日の作業に取り掛かるために外へ出て、待っていた陸に声をかける。


「お待たせ。今日は何をするの?」


「空がいつまでも時雨を簡易の小屋で寝泊まりさせるわけにはいかないって、うるさいからな。次は各々の部屋を作ろうと思う。」


陸からの指示を受け、早速作業を始める。

精霊の力で木材を持ち上げ移動させていく。

今ではすっかり慣れたものだが、最初は力の加減が難しく、持ち上げることすらできなかったことを思い出す。

今は、私が陸の指示に従って移動させた木材を、陸が固定していく形をとっていた。陸は慣れた手つきで、手際よく木材を組み立てていく。

そういえば前に一度、空が手伝いを申し出て、陸に即座に断られて泣きそうになっていたことがあった。

何か二人の間であったのだろうか?

今度機会があれば聞いてみよう。


昼の休憩を挟みながら、日が暮れるまで作業を続けていく。

この調子なら、一週間もあれば完成しそうだ。


夕飯前には、先に作り上げていた風呂で汚れた身体を洗う。

力を使う練習だと言われ、お湯を張り続けた結果、気持ちの良い温度にまで調整できるようになった。

今日もクタクタだったが、夕食後には空の授業が待っている。

長としての心得や作法を、一から指導してくれているのだ。

授業中の空は人格が変わったように冷静で的確だった。

海と陸が言うには、その冷静な空が空の本来の姿で、私に普段接している態度こそが特別だというが…。


「時雨様、お疲れ様でした。今日はここまでです。おつかれでしょうから、私の膝枕でおやすみください。」


と、毎回授業後、空に真顔で言われるのだ。

冷静で的確な空が普通だと言われても、私には信じられなかった。


そしてもう一つ繰り広げられるシーンがある。

授業の終わりを察した閤央が寄ってきて、一緒に寝ようと私を呼びにくるのだ。


「閤央!また来たのですか!なぜいつも時雨様と二人きりの時間を邪魔するのですか?」


その言葉を聞き飽きているのか、閤央は空を一瞥しただけで、再び一緒に寝ようと私を誘っていた。

そんな閤央の態度に、空は怒りでわなわなと体を振るわせ、声にならない声をだしていた。

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