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境界を越えて（2/3）
僕らの攻撃が一斉に影へと向かう。
僕の力が影の一部を喰い、朔の封印札が影の動きを止め、真澄の拒絶がその存在を押し返す。
天城もまた、必死に自分の因果を抑え込みながら、僕らを援護した。
しかし、影の力はあまりにも強大だった。
『その程度の力で、私を倒せると思うか！』
影が放った衝撃波で僕らは吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。
「くそっ……！」
朔が呻き、真澄も苦痛に顔を歪める。
天城は力なく膝をついた。
「やっぱり……俺の力じゃ何も変えられないのか……」
天城の絶望的な呟きに、僕は顔を上げた。
「そんなことない！俺たちはここまで来たんだ！
絶対に諦めない！」
しかし影は勝ち誇ったように僕らを見下ろす。
『運命を変えることは許されない。お前たちはここで終わる』
その言葉に僕らは一瞬、希望を失いかけた。
だがその時、天城が震える体を起こし、ゆっくり立ち上がった。
「俺は、ただの器じゃない。
もう誰かの運命を背負うだけの存在じゃない！」
彼の体から淡い光が溢れ出した。
それは彼自身の、初めて目覚めた『力』だった。
「俺自身の運命を、今ここで変える！」
天城の放った力が影を一瞬怯ませる。
僕らは再び立ち上がり、その隣に並んだ。
「よし、もう一度だ！」
僕らの絆が再び強く結ばれ、力が一つに融合する。
影は苛立ったように咆哮した。
『運命に抗う者たちよ……これ以上は許さん！』
しかし、僕らの覚悟は揺るがなかった。
ここからが本当の戦いだ。
僕らは再び、影に向かって走り出した。
――すべてを終わらせるために。
