選択の代償(1/3)
運命とは何か?
代償とは何か?
僕たちはその問いの答えを、自分たち自身で見つけることにした。
誰も犠牲にはしない。これは、運命を変えるための最後の戦いだ。
扉の向こうに広がった空間は、まるで宇宙のような無限の闇だった。
その中心に、一つの人影が静かに佇んでいる。
朔が緊張した声で言った。
「あれが……俺たちを操っていた存在か」
人影は静かにこちらを振り向き、低く響く声で語りかけた。
『よく来たな。空閑湊、久野瀬朔、柊真澄。
お前たちがここにたどり着くことすら、運命だった』
真澄が静かに問いかける。
「お前は一体何者だ? 僕たちを何のためにここまで導いた?」
影は嘲笑うように答えた。
『私はただの導き手だ。お前たちの選択の先を見届ける者。
さあ、最終的な選択を告げよう』
その言葉に、僕は強く拳を握った。
「選択……?」
影は静かに告げた。
『天城晃を救いたければ、お前たち三人のうち一人が代償として、この異界に永遠に残らねばならない』
その言葉に、僕らは凍りついた。
朔が低く呻いた。
「そんな馬鹿な……」
真澄も声を震わせる。
「僕たちの誰かを犠牲にしなきゃ、天城を救えないのか……?」
影は静かに頷いた。
『それが運命だ。天城を救うという選択には、必ず代償が伴う』
僕の中に激しい葛藤が湧き上がる。
天城を救うためには、誰かが犠牲になるしかないのか?
しかし、そんな運命を受け入れることが、本当に正しいのか?
僕ら三人はただ、無言で立ち尽くしていた。
その場に、重い沈黙が広がった。




