運命の向こう側(3/3)
僕が怪異の力を喰ったことで、その動きが目に見えて鈍った。
朔が再び封印札を展開する。
「今だ!」
無数の封印札が空間を舞い、怪異の動きを完全に拘束する。
真澄も迷わず踏み込んだ。
「もう僕は拒絶しない。君の存在ごと、ここから消えろ!」
真澄の拒絶の力が放たれ、怪異が断末魔をあげながら粉々に消し飛んだ。
僕らは息を整え、ゆっくりと天城に向き直った。
「天城、戻ろう。俺たちは、運命なんかに負けない」
しかし、天城は静かに首を振った。
「お前たちが運命に抗おうとするほど、俺は苦しくなる。
もう、放っておいてくれ……」
そう言って、彼は再び闇の中に姿を消し始めた。
僕は叫んだ。
「天城!俺たちはお前を絶対に見捨てない!」
彼は最後に微かな笑みを残し、完全に闇に飲み込まれた。
彼が消えた後、異界が静寂に包まれた。
すると、突如目の前の闇が渦を巻き、新たな扉が現れた。
その扉の奥から、重く響く謎の声が聞こえた。
『ここから先は、お前たち自身が選べ』
僕たちは顔を見合わせた。
朔が静かに言った。
「……行くしかない」
真澄も頷く。
「もう、迷う必要はないよね」
僕も強く頷き、迷わず扉に手をかけた。
「行こう。俺たちは絶対に運命なんかに負けない」
扉がゆっくり開き、さらなる闇が広がっている。
だが、もう怖くなかった。
僕らには、運命を超える覚悟ができていた。
僕らは、迷いなくその扉の向こう側へと足を踏み入れた。
――僕たち自身の意志で、この物語を終わらせるために。
第9話「運命の向こう側」をお読みいただき、ありがとうございました。
次回、第10話「選択の代償」。
いよいよ物語はクライマックスに突入します。
引き続き、お楽しみください。




