第2話 「村の英雄!ウサギとの死闘!」
*この作品には…過度な飲酒描写と喫煙描写が含まれていますので、
苦手な方は ブラウザバックして下さい(震え声)作品中の行為や行動について
よい子の成年は絶対真似しないでください(注意喚起感)
なお、お酒とたばこは20歳になってから…容量・用法を守って
正しく摂取してください(未成年への注意喚起感)
ロイドは村の広場の隅に腰を下ろし、昨日の戦いを思い返していた。
変身中のスカート姿を見た村人たちが逃げ惑う様子が脳裏に焼き付き、ロイドは顔を覆った。
「俺、もう勇者やめてぇ……。なんだよ変態って……俺だってこんな格好いやなのに…。」
宙をふわふわ飛ぶリー・アルがニヤニヤしながら茶化す。
「シャッチョサン、昨日の活躍で有名になったアルよ!変態扱いされても気にしないヨロシ!」
「気にするわ!」ロイドは激しく突っ込む。
「変態だなんて、全然勇者っぽくねぇ!俺の名誉が地に落ちる!」
そんなやり取りをしていると、村の奥から少女が駆け寄ってきた。
村長の娘マイラの依頼
「あなたが、あの変……勇者様ですよね?」
マイラは気まずそうに視線を泳がせる。
ロイドは眉間に皺を寄せた。
「おい、今一瞬『変態』って言おうとしただろ。」
「そ、そんなことありません!」
必死に否定するマイラは、頭を深く下げた。
「お願いです!村を襲っているキラーバニーを倒してください!」
「キラーバニー?なんだそれ。昨日の蛇野郎みたいなやつか?」
「いえ、巨大なウサギの怪物です!家畜を襲い、村を滅ぼしかけているんです!」
リー・アルが軽快に舞いながら煽るように言う。
「シャッチョサン、これぞ勇者の仕事アル!行くしかないアル!」
「俺に拒否権ねぇんだよな……?」ロイドは疲れた顔で聞く。
「当然アル!断ったら電撃アルよ♪」
「結局それかよ!くそっ、わかったよ!」
巨大ウサギとの遭遇
村の外れに向かったロイドたちは、草むらの中に潜む巨大なウサギ型モンスター――キラーバニーと対峙していた。
丸々と太った体、巨大な前歯、鋭い爪。それがのっそりと動く様はどこかコミカルだが、不気味さも隠せない。
「なんだよあのウサギ……悪夢にでも出そうだな。」ロイドが呻く。
キラーバニーはロイドたちに気づくと、牙を剥き出しにして威嚇してきた。
リー・アルが指をさしながら指示を飛ばす。
「シャッチョサン、変身するアル!準備するアルよ!」
「どうせ変身するならスカートやめろってんだ!」
「契約により、それは無理アル!」
ロイドはやけくそ気味に酒瓶を取り出し、中身を豪快にラッパ飲みした。
「変身するのに毎回酒ってのもどうなんだよ……!」
飲み終わったロイドが顔を赤らめながら叫ぶ。
「アル・チュープリズムパワーメイクアップ!」
その瞬間、謎の音楽とともにスポットライトが降り注ぎ、ロイドの体が光に包まれる。気づけば、例のフリフリのミニスカート、網タイツ、ハイヒール姿に変身していた。
マイラは目を丸くし、固まったまま呟く。
「……勇者様、すごく……すごく……恥ずかしそうです。」
「見んな!頼むから見ないでくれ!」ロイドが絶叫する中、キラーバニーが突進してきた。
武器の選定
「早く武器を出すアル!スカートの中を探るアル!」
「毎回これかよ!」ロイドは怒りながらスカートをゴソゴソと探り始めた。
「今回は、どんな酒を飲んだアル?」
「酒……?そういえば、今日は……テキーラだったな。」
「なら武器はこれアル!」リー・アルが杖ではなく、ギラギラと輝くムチをスカートの中から引っ張り出す。
「なんでムチ!?ウサギ相手にムチなんて効くのかよ!」
「効かせるのがシャッチョサンの役目アル!」
ロイドは渋々ムチを握りしめ、キラーバニーと向き合った。
キラーバニーとの死闘
キラーバニーが鋭い爪で襲いかかってきた。ロイドはムチを振り回しながら、必死に応戦する。
「うおおおお!こっち来んな!」
ムチがキラーバニーの足に絡みつくと、モンスターは一瞬動きを止めた。
「よし、今だ!」ロイドは思い切りムチを引っ張り、キラーバニーを地面に叩きつけた。
しかし、キラーバニーはすぐに立ち上がり、今度は飛びかかってきた。
「やばい、こいつ怒ってる!」
その瞬間、リー・アルが叫ぶ。
「シャッチョサン!テキーラの力を信じるアル!」
「酒の力ってなんだよ!」
ムチが光り始め、ロイドの体に熱いエネルギーが流れ込む。彼は自然と呪文を叫んでいた。
「フレイミング・ラビットスナッチ!」
ムチから炎が放たれ、キラーバニーを包み込む。燃え上がる火柱の中、モンスターは悲鳴を上げ、やがて崩れ落ちた。
村人の反応
キラーバニーを倒したロイドは、スカート姿のまま村に戻った。
村人たちは一瞬驚きの表情を浮かべるが、その後すぐにザワザワと噂話を始める。
「やっぱり変態だ……。」
「でも、強い変態だ……。」
「もう村には近づかないでほしい。」
ロイドはうなだれながら呟く。
「俺、なんでこんな目に遭ってるんだ……。」
リー・アルが肩を叩いて励ます。
「シャッチョサン、これも勇者の宿命アル!気にせず次の仕事に向かうアルよ!」
「気にするわ!」ロイドは怒鳴り返したが、結局また村人の視線を浴びるのが嫌で、村を旅立つことを決意したのだった――。