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第4話

   

「今度、お父さんにも彼を紹介するね」

 亡くなる前日の夜、彼女はそう言っていたのだ。

 眩しいほどの笑顔でね。詳しい話なんて何も聞かずとも、幸せいっぱいなのは十分に伝わってきた。

 あの時の祥子の様子は、今でも目に焼き付いている。

 そんな幸せな人間が自殺するなんて、どう考えても不自然だろう?


 ……うん、私も重々承知している。これだけでは感情論に過ぎない、と。

 もちろん(ほか)にも理由はあるのだ。

 それは祥子のスマホだ。

 墜落現場の慰留品にも見当たらず、その後の遺品整理でも出てこなかった。

 祥子のスマホは、完全に消えてしまったのだ。


 君は知らないかもしれないが、娘は生前、頻繁にスマホを見ていたよ。「防水対策もバッチリ!」と言っていたから、おそらくお風呂にも持ち込んでいたのだろうね。

 文字通り、肌身離さず持っていたわけだ。そんなスマホが出てこないのは、明らかに不自然だろう?

 つまり、祥子のスマホを意図的に持ち去った人物が存在する、ということ。その人物こそが、祥子を突き落とした犯人に違いない!


 わざわざスマホを隠すくらいだ。きっとスマホの中に、犯人の手がかりが残っていたのだろうね。

 メールあるいはラインのやり取りとか、一緒に撮った写真画像とか。それが誰だったのかを考えると……。

 ほら、私は先ほど「娘は生前、頻繁にスマホを見ていた」と言っただろう? だけど高校時代はそれほどでもなかったし、大学に入った当初も同じだった。祥子がスマホにかじりつくようになったのは、おそらく恋人が出来て以降の話だ。

 だからスマホに残された手がかりも、恋人関連に違いない。つまり犯人は、祥子の恋人だったのだ!

   

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