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蝶が舞うその季節に~幼馴染が死んだ。されど俺は少女と旅をする。後悔無くし、過去救い、未来で再び会うために~  作者: 久芳 流


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エピローグ

 それから十年の時が過ぎた。

 俺は今病院の前にいた。

 病院にはあまり良い記憶がない。

 改変される前の記憶が残っている俺にとって病院というのは『死』を連想させる場所に他ならなかった。

 だから今まであまり向かうこともなかったが、今日は違う。


「看護師さん! カコは?」


 焦って受付の看護師に話しかける俺を「ここですよ」と答える看護師。

 クスクスと笑みを浮かべているが、気にしない。

 俺は教えられた病室まで一目散に駆けつける。


「カコ!?」

「あ、キョウちゃん!」


 そして病室に辿りつくと俺はカコを呼び掛ける。

 するとカコも満面の笑みで俺を迎えてくれる。

 両腕で大事そうに抱えるのはやはり――。

 俺は込み上げてくる何かを我慢するように表情を強張らせ、カコの元へ近づいた。


 そう。俺とカコはあれから順調に進み、結婚し、そして今日この日第一子が誕生したのだった。

 仕事の都合で出産に立ち会えなかったが、でも今のカコの姿を眺めるとやはり嬉しさと喜びが募る。


 そして――、


「女の子だよ」


 カコが抱くその娘を見せてくれた瞬間、俺は確信したのだった。


 ⋯⋯あぁ。――あぁ。そうだったんだ。


「どうしたの? 泣いてるの?」


 自然と俺の目から今までどんなに悲しくても流せなかった涙が零れ落ちていた。


「やだぁ、キョウちゃんは泣き虫だなぁ」


 そのことをカコは揶揄い笑う。だけど、俺は気にしない。


「この子の名前、俺が決めていいか?」


 やっと会えた。漸く――会えたんだから。


「え? まぁいいけど⋯⋯」

「ありがとう」


 ちょっと意外そうなカコから俺はその娘を渡してもらい、優しく抱いた。


 そして俺はあの娘のことを思い出す。

 カコを救ってくれた。

 俺の後悔を無くしてくれた。

 俺達の未来を、幸せを強く願ってくれた。

 あの娘のことを。


 その出会いに愛しさを。その出会いに喜びを。そして――、


「この娘の名前は――」

これにて完結です。

ご愛読ありがとうございました。


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