第一話 勇者辞めてPMSC(民間軍事会社)始めます その二
少し余裕だと思って時間配分をミスりました。これからもたまにあると思うのでご了承ください。
ここまでの全回想終了!!!!
「カタリナ!!これ以上こんなことをやっていれば俺たちは過労死すること間違いなしだ!!!こんなブラック業務やるぐらいなら俺はこの国を出ていく!!」
ベンチから立ち上がった俺は大声でそう宣言して決意した。
「そ、そんな待ってください!!慧千様がいなくなってはこの国は、、、、」
国を出ていくと宣言した俺を止めるため慌てふためいていた。俺はすこし落ち着いたのでベンチに座り直した。
「そうは言うけどなんか変でしょ、、、、、だって俺一度も聞いてた強力な魔物っていうのに出くわしてないし、魔物の巣っていうのも生活はしてたらしい痕跡はあってもすぐ移動してるみたいだし、完全に何者かに操られているとみて間違いない、だが魔王軍ほどの勢力がまだこの国の封鎖をしているだけで本陣は包囲の範囲をせばめたりしていない。
領土を狙っているならもうとっくに全軍進軍して攻めてくるはず。それなのに本陣から離れた街まで攻撃しに来て、補給なしに魔物の部隊を送る理由がわからない」
この国を包囲している軍隊の敵本陣近くまで偵察をしたことで魔王軍であることが判明した。
陣には魔王軍の軍旗を発見してかなりの軍勢で来ていることが分かった。
装備品も公国よりかなり質の高い物を身に着けていて手練れもかなり引き連れて来ているのを遠くからでも確認したことで一層不思議になったのだ。
「あれほどの数と手練れもいて攻撃してくるのは雑魚ばかり、、、、、、完全に独立した魔物たちが何者かに操られている、それも魔王軍でない誰かに」
手練れを多く連れてきた魔王軍ならこの国を落とすのは造作もないこと。それをせずただ傍観しているだけ、しかも何者かによる魔物を操っているものもいる。魔王軍から逸脱した魔物の群れを操っているものを探し出し、排除するためかと思ったが、、、、、もしくはこの国に何かあるのか、、、、、、
「言われてみれば確かにそうですね、、、、、、」
カタリナはあまり頭は回らないが時々すこぶる頭の回転が速い時がある。今回は悪いほうが出たみたいだ。
そんなことを考えているとあることを閃いた、それは彼女にある提案をしてどう出るかにより今後どうするかを見極めようとした。
「、、、、、、、、、、なあ、この国から一緒に出ないか?」
「え?」
「まともな戦力がないこの国は弱い。もし魔王軍と謎の魔物の部隊が対立して全面戦争になったらこの国が巻き添えを食って、滅んでしまう。それに個人的には君を死なせたくない」
「どうして私を?」
「君はこんな過酷な重労働でも弱音を一つもはかないで頑張っていた。もし一人でやっていたら途中で投げ出していたかもしれない。一緒だったから今までやってこれたんだ。こんな俺にも優しく接してくれた君は俺の支えになっていたんだ」
カタリナはそのまま黙って俺の言うことを顔を見ながら立ったまま聞いてくれた。
「だから君を死なせたくない、一緒にこの国を出よう」
カタリナは少し頬を赤らめたが、何を思ったのかこう言った。
「、、、、、、、、お気持ちはうれしいです、私のことを気にかけてくれて、、、、、、、、でも私はこの国の魔法使い、、、、魔法使いとしての誇りのため、、、、この国の人々のため、、、、途中で投げ出すことはできません。ごめんなさい、、、、、、」
深々と頭を下げた彼女はそのまま俺の返事を待つように頭を下げたまま黙っていた。
「、、、、、、そう言ってくれると思って安心した」
「え?どういうことですか、、、、、、、、、、まさか!!、、、、私を試したんですか!!」
「いや?半分本気だった、出たいといえば一緒に国を出たし、、、だが君は優しいから国の人たちを見捨てないと考えたんだ。そこで断られたら逃げる以外の方法をとるつもりだったんだ」
最初から俺はカタリナのことを信じていたのだ。今まで彼女の近くで一緒に働いていて感じたこと。
彼女は決して悪い人ではないと。
「、、、、、、、、、、、、」
「、、、、、あのぉ、カタリナさん?」
「ずるいです、、、、、、、、、、、、、、ずるいです!!ずるいです!!私がどういう性格か知ってて言ったんですね!!もうほんとにあなたっていう人は――――――!!!!!!」
そういうと俺はカタリナに強めのパンチを体に受けた。意外とめちゃくちゃ痛い!!
「ちょ!痛い痛い!!悪かった!!悪かったから叩かないでーーーー!!!」
「私だってできればあなたと一緒に、、、、、あ!い、今のなし!!忘れてくださいーーーー!!!」
まったくもって困ったものだ。こういう感じで時々ツンデレになり、照れているのがバレると誤魔化しで攻撃してくる。一番ひどいときは炎の球を複数で冗談じゃないくらい打ち込んできて死を感じた。彼女はあまり怒らせないほうがいいのだろうか?
否!断じて否!!たとえ死にそうになっても照れて恥ずかしくなり、顔が真っ赤なかわいい顔を見るためならば躊躇はしない。絶対に!!!
「まったく、、、、、、、、そういえばさっき言ってた逃げる以外の方法って何ですか?」
「ああ、方法っていうか手段っていう感じだが、、、、、まず俺の健康状態をどう思う?」
「どうって、、痩せているので大事な体の成分が不足しているのは分かりますが、、は!まさか!!」
この体でまともに戦うのはもともと無謀なのだ。まともな体力が残ってないので通常の戦闘でもまともに戦えない。そこで俺はカタリナに説明をした。
「そう、元々の体力が回復しない今、ブラック業務で勇者を続けて戦っても勝てないんだ。いくら勇者が魔法を使えても疲労して魔力が大してないから攻撃もできない」
「じゃあ、どうするんですか?」
「勇者を辞めるんだ」
「、、、、、、、え?」
そういうと驚いてるらしく口を開けて呆気に取られている。別にこの国から出ていくのではなく勇者を辞めるだけ。
それだけ聞けば問題ないように感じるがこの世界は違う。
勇者は国によって職業として勇者をする者がいたり、国の意向で異世界から呼んだりしている。職業の勇者はそこそこの力を持っていなければなれない。
だがもし勇者になれることができれば加護を受けることができ、それにより魔法などが使えるというおまけまでついてくる。
「勇者を辞めればブラックな仕事をしなくていいから時間ができる。体力も戻って前よりマシな戦いはできるだろ?」
「でも、、、、そんなことすれば魔法が使えなくなるんですよ?」
「そうだな、でも貰った勇者の指輪を壊せば奴らが捜しに来ても見つからなくなる。それに生き物には必ず魔力が存在するんだろ?だったらできないこともないだろ?それにもし使えなくても俺にはとっておきの秘策がある。」
そういうと俺は腰に隠していたあるものを取り出した。
「慧千様それは?」
「銃という武器だ、弾丸と言われる物体を遠くにいる敵に当てるんだ。
銃の種類は100や200もあってこのサイズぐらいのを拳銃と言ってオートマチック、つまり自動で次の弾丸を装填して複数連続で打つことができる優れものだ」
「そ、そんなすごい武器があるなんて、、、、、でもそれをどうやって手に入れたんですか?この世界にはないものですよねそれ」
そう、普通だったらこれは作れない。
いくら銃が好きでも中身はそこまでは詳しくない、つまり構造も知らないから作れないのだ。
「実はこの世界に召喚されるとき、神様っていう人と会ったんだよ、聞いたらこれから大変なことになるから使える能力を授けてくれたんだ。んで、与えてもらった力が、、、、」
「ちょ!ちょっと待ってください!!え、会ったんですか!!神様に!!!」
「異世界に転移する話があるんだから別に神様に会ってもあまり不思議じゃないでしょ?」
「まあ、、、、、それはそうですけど、、、、、、はぁ、、結局その貰った力というのは何なんですか?」
そういうと開き直ったようでさっき言いかけた貰った力の説明をすることにした。
「「創造のスキル」っていうスキルで、なんでも一日一回だけ望んだものを生み出せることができると。でも生み出せるものが人間や魔物を倒して自分が成長しないと大したのは生み出せないみたいなんだ。まあゲームでいう経験値みたいなもんかな?経験値って言ってもわかんないかもだけど」
「はい、、、その経験値?を手に入れれば強いのを作れるわけですね、その銃というのを」
「そういうこと!だから辞める前に経験値を稼いで強力なのを手に入れる!!そして俺は会社を作る!!!」
そういうと俺はベンチから立ち上がり拳を掲げた。
「会社?それは商会か何かですか?」
「そう、商会みたいなもん。そして傭兵の部隊を作ってその兵力を売るんだ」
「よ、傭兵!!い、いくらなんでも無茶が過ぎるんじゃあ、、、、」
驚いたのか無意識にベンチから立ち上がってしまっていた。
「大丈夫、元いた世界にもそういう会社は存在したし、どういうのかは知ってるつもりだ。そしてこの国が救われる唯一の手段、、、、、、俺が組織化した傭兵チームで調査して原因を探る。、、、、、、この計画ならこの国を救える、、、、、、、、、君にも入ってほしい、お願いだ」
そういうと俺は彼女に向かって頭を下げお願いした。やはり彼女には居てほしいと思ってしまっているようだ。どんな目に合うかもわからないのに。
「、、、、、、、、、ここまで言われてしまってはもう私が折れるしかないじゃないですか、わかりました、共にいきましょう」
彼女はやれやれという顔で了承してくれた。それを喜んでしまったのか、俺は少し目に涙が浮かんだがすぐ袖で拭いた
「、、、、ありがとう、それじゃ行こうか」
「どこにいくんです?」
二人ともベンチから離れて外に出る門までの道を進んだ。今の現状を見て二人しかいないのはやばいと考え次の段階に進むことにした。
「例の山賊のところに行って勧誘しに行くんだよ、傭兵じゃなくても誰か入れる必要がある。だからまず山賊を仲間にするんだ、公国にも魔王軍にも属してないから可能性はある」
「もう何も驚きませんよ、、、、、、それじゃあ行きましょうか、、、、、、まったく世話の焼ける人ですね」
そう言ってくる彼女の顔は笑顔で微笑んで笑ってくれていた。
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