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社畜、異世界に飛ばされる

「ーーー…………え、ここどこ?」


俺の名前は秋山巴アキヤマトモエ、絶賛彼女募集中の24歳。

沖縄出身の親父ゆずりの彫り深めの顔とちょっとくせっ毛、秋田出身の母さんの色白を受け継いだ黒髪黒目の生粋の日本人である。

目の前にいるのはまるでRPGのお屋敷に勤めているメイドさんみたいな格好をした、赤毛でグレーの目をしたお姉さん。

明らかに日本で見ない容姿に、思わず周りを見渡せば、どこまでも続く青空と、舗装されていない土の道と草原が続いていた。


ーーー


コンビニの袋を揺らしながら、街灯がまばらな住宅街の小道を歩く。

今日も取引先の飲み会に引っ張り出され、しこたま飲まされリバース3回。

酒に弱いわけではないが、今日の飲み会は大事な取引先との飲み会で、潰すまで飲ますタイプのアルハラ系が多く、同期の小島は今頃路上で寝ているはずだ。

取引先を見送り、解散してからタクシーに乗ったが、途中で気分が悪くなったのでおろしてもらい、コンビニでヘパ●ーゼを買って一気飲み。

胃液で傷んだ喉と胃に染みる。


(クソッ、だから取引先との飲み会はめんどくせーんだよ)


首元にまとわりつくネクタイに手をかけ、はぁーーーと大きくため息を吐き、道の角を曲がったその時だった。


ドンッ


おいおい、細い道走るときはそんなにスピード出すんじゃねーよ、なんて運転手に小言を言う間もなく、俺の意識と体はぶっ飛んだ。


ーーー


「ーーー…………え、ここどこ?」


さっきまで居た家の近所の住宅街からはかけ離れた場所と、飲み過ぎによる胃の不快感でまた吐き気がこみ上げた。

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