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転移初日 その2
もう半年もたつという感じ。ゆるーく見ていただければ幸いです。
「行くべきは大きな街ってところでしょ。」
トランプが言う。規則書の地図のページを見ながら、
「こういうファンタジーな奴っていうのは町に情報が集まるものなのよ。たぶんそう。」
適応力があるのか、単にお気楽なのか。どうも理由には納得できなかった。
が
「賛成だ。この世界について情報がない。人がいそうな場所に行きたいな。」
こうして地図上最も現在地に近いルドカハに向かうこととなった。
『ルドカハ』
「交易の町として賑わう物流の集散地として知られる。個人からの物品を買う『交易所』があり、各地方の珍品を売り金銭を受ける旅人も少なくない。」
そして、トランプの規則書の方にはどんな物品がいくらで売買されるか、詳しい解説付きで載っていた。
「この世界の通貨を得られるなら、道端のもの、持っていくのがいいわね。」
「なるたけ、高いものだな。」