同行者
「私はその聖泥の古城には向かいません。」
「…え。」
サイムは、はっきりと物いうタイプだとわかっていた。少しは面食らったが、イマイズミにしてみれば同行者の第一候補が辞退する理由を聞かずにはいられなかった。
「理由はなんだ?」
「興味がないからです。」
サイムはイマイズミの顔を見て眉一つ動かさず平然と述べた。簡潔にして明確な拒絶にそうか…と息を漏らすことしかできなかった。
「昨晩、選定から脱落して、皆さんを下から眺めていたのです。神仔様は、その私が同行者たり得る資格があるとお考えですか。」
「通信を解釈するにい、同行者の資格はあ、『創世の星』に選ばられることだとお、考えます。昨日の試験とは別ですう。」
そうなんですか。少し目を細めたサイムは何か言いたげな顔を見せたが、言葉を続けなかった。
「あの、すみま…うえ、ぉ”え”」
「吐いた!この女、吐いた!」
「乗り物酔いしあ”した。すみばぜん…」
「…」
カサネは何の前触れもなく突然に嘔吐した。人の吐瀉物をとはやはり見るに堪えない。サイムの無関心さとカサネの頼りなさを目の当たりにし、イマイズミは同行者を決めた。
「話が逸れてしまいましたがあ、あなたはあ、この3人の内で誰を選びますか。」




