コチノクボと思う壺 その11
1問目:この建物にいる男の娘は何人?
レギンの回答:4人
2問目:レギンの勃象はどんなの?
レギンの回答:水中遊泳
3問目:ここまで嘘はつかなかった?
レギンの回答:クラオス・ノウ #fault!(勃象能力者の名前)
「これがお前の回答だ。」
「ああ、そう答えた。堂々と結末を迎えようではないか。」
レギンは壺の蓋を開ける。陶器と陶器が擦れる音が無機質の無音の空間に溶け込む。
「紙の背には番号が振ってある。それぞれの質問に対する答えだ。」
レギンは思う。
こいつの書いた事が合っているはずがない。未来を読む?ふざけるな。神仔様の御力を侮辱する行為だ、冗談であっても許さない。
少し力む手で半分に折られた1の紙を取り出す。1問目の答えだということか。
「開くぞ。」
1問目の答えを覗く。『4人』と書いてある。1問目の答えは合っている。
レギンは鼻から大きく息を吐く。動揺を見せてはいけないと考え、背筋をもう一度伸ばし自分を大きく見せた。
「…合っている。2枚目を見るぞ。」
同じく半分に折られた2の紙を取り出す。この男が私のスタンドを知っているはずがない。嫌な予感を振り切り、紙を開く。…
『イルカ』
「水中遊泳、合っていますねえ。あなたの勃象名ですねえ。」
「神仔様!」
レギンの座る後ろから紙の中身を見ていた。レギンの背後に現れたローブにイマイズミは驚き、その中の顔を覗く事しかできなかった。
「あと一枚ですねえ。これが正しくレギンの言うことを当てられていたのならあ、すごいことかもしれませんねえ。」
レギンはこの時に、緊張を覚えた。何をしたのかはまったくもって不明だが、こいつ、もしかして、3問目の答えを当ててくるのではないだろうか。
「神仔様。では、3枚目の紙を開きます。」
…
……
息をのむ。レギンは戦う相手に感心と尊敬が混じったような恐れの感情を覚えることは稀なのだ。イマイズミ、何をしたか知らないがどうして3問目をまともに回答しない事を分かったのだ。
「『NO』だ。ラストネームだけだが合っているだろう。クラオス・ノウ、そう答えたいたもんな。」
膝を崩して座るレギン、イマイズミと目線を交差させる。目を瞑ると後ろの人物に話しかける。
「神仔様。私の中で合格者が決まりました。」
「最初から言っていたはずです。あなたに任せると。」
ありがとうございます。そう言うと、レギンは拍手で大きな音を出す。建物が大きく揺れている。




