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コチノクボと思う壺 その1

男の娘に襲われたイマイズミは辛くも相手を倒し、トランプとの待ち合わせ場所であるルドカハの街の入り口まで逃げ延びた。


2人は、安全であろう騎士の国「コチノクボ」に移動していた。

イマイズミは男の娘を倒したが、その時起こった小火は方々へと飛び火し、ルドカハの街は火事の騒ぎが起こる。イマイズミは被害者とはいえ、出火の一端を担っている以上無実では済まされない。

トランプは不満を覚えつつも、男の娘に襲われても道行く者は我関せずで見殺しにされることを考慮し、ルドカハの街を発つことを決めた。


「コチノクボは男の娘が市街で勃象能力を使うことを禁止している。」


「なるほど、宿を取るならその国がいいってことね。」


日が傾き、そろそろ一日が終わろうとしている。安全な寝床が欲しかった。

もうそろそろ足が疲れた。そんなところでようやく「コチノクボ」の国が見えた。


コチノクボは国の周りを大きな壁で囲っている。国に入るためには内と外とを隔てている大きな門をくぐるしかない。門の前には兵士が何人か立っており、その守りの厳めしさは騎士の国の名に恥じない雰囲気を持っていた。


「…」


門前の兵士はただ前を見つめ、人形のように動かなかった。気味が悪かったが、門を抜けることができ、コチノクボに入国を果たした。


コチノクボに入り、城にも見える大きな建物が見えた。その建物へ続く商店通りは大いににぎわっていた。一日の終わりを後悔なく迎える、古今東西、どの世にもみられる人の営みを感じる。しかし、トランプとイマイズミは横目に建物の中の様子を見ていく。


宿の場所を聞き、聞いた所からしらみつぶしに空き部屋がないか確認する。何件目かで聞いた話だが、なんでもこの国の騎士は決まった家を持たないとかで、遠征帰りは空き部屋は滅多に出ないらしい。

もう日が暮れていた。大自然で野生の動物に襲われる心配がないだけマシ、ということで、とうとう2人が街で野宿を覚悟した時、2人に声をかける者があった。


「宿をお探しですか。」


目立たぬ小路からひっそりと声をかけてきた者は中性的な見た目の華奢な子ども。

背中にまとわりつくような不安感。2人は本能的に身構えた。

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