第10話 夢は叶うとホラを吹く
前前話でようやく50話でした。最早、作者の頭の中でも設定が混乱してきた今日、この頃。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
素人の駄作に苛つきながら、けれど馬鹿にして心の平穏を保ち、時には石ころたちに紛れた原石を磨く。私も読み専だった頃が懐かしく、拙作の完結を四苦八苦しながら目指しております。
新しい作品案を思いつきながら、皆様方がこれからもこの拙作を楽しみにしていると思い頑張ってまいります
金属同士のぶつかり合う音が途切れることなく響いていた。
スペルが矛を納めることはなく、ショーンたちが盾を捨てることはない。
「其は茨の道、汝追い求めたるは愚者の理想。心なき賢者の理想を破り捨てても–」
その言葉はアニヤの口から紡がれていた。
「目指した先に真の幸福があることを信じて、神を裏切り、魔を騙し、仏を斬り捨て–」
トクン…トクン…
ショーンの心に言葉は響く。
「たとえ、すべてが敵になろうとも汝、信念を貫くか」
それは《信念の鏡》の真価。
「勿論だ」
静かにショーンは答えた。
それにアニヤは薄く笑みを浮かべ、
「心象転写」
世界は塗り替えられていく。
「くはははは!!何をしようと無駄なこと、我が城にある限……り…?」
スペルの傲慢な言葉は途切れ、その顔を訝しむように顰めた。
「どこだ?ここは」
世界は澄み渡る青空を見せ、どこまでも広がる荒野を横たえていた。
「俺の心象世界だよ、傲慢の魔王」
スペルの背後に影があった。それは容赦なく、スペルの首を斬ろうと刀を振るう。
「ぐっ…!」
咄嗟に身を捻って躱す。不完全な体勢を余儀なくされ、そこに容赦なく、また刀が振るわれた。
「ぐぅお!?」
どうにか飛び退いたものの、その腹には紅い線が刻まれていた。
「心象世界だと?……馬鹿を言うな!心の広がりたるそれをおいそれと顕現させるなどということができるわけがない!それは最早、魔法でも心のチカラでもない!明らかな異能だぞ!」
スペルの言葉には戸惑いが見え、信じられないと顔を歪めた。
その様子を静かに見やり、ショーンは刀を下段に構える。そして、ゆっくりと口を開く。
「…あぁ、異能だとも。そもそもが心の強奪が可能な俺の心自体がおかしいんだ。当たり前のことだろうよ」
「心の強奪……だと?貴様にそんなチカラがあると言うのか……半魔どころの話ではない、貴様は神の域に踏み込んでいることに……いや、いやいや、違う違う違う!貴様は、貴様は、半魔!人でもなく、魔でもなく、この世に生まれ堕ちたただの夢人!これは心象世界などではない、これはただの複製!なればこそ、我の強さをここに示そう、鏡像の世界すらも侵すがいい!《支配城槍》!!」
スペルのチカラが偽りの心象世界を揺らす。空間に亀裂が入り、ガラスが砕けるような音を響かせながら、支配の槍は姿を現わす。
その全容が明らかになる前にショーンは、強く一歩を踏み込んだ。
「はっ!」
短く鋭い呼気とともに新月が下段より跳ね上がる。
「ぐっ…!」
身を引いて躱すスペルの構わず、上段に上がった新月を間隙なくショーンは振り下ろした。
「馬鹿め!空振り…ぐぁああ!」
新月は蛇竜へと変わりて、スペルの左肩を襲いかかっていた。
刃の方へと蛇竜の姿を戻すことで素早くショーンはスペルに接近した。
ドゴーン!
「グゥ……」
蛇竜は瞬く間に重豪へと姿を変えて、スペルにかかる重力を増幅した。
「さぁ!死んでもらおうか!スペル!」
人が変わったかのように、嗜虐的な笑みを向けてショーンは重力の檻に囚われたスペルへと巨大な戦斧を振り下ろし–
ガキン!!!!
槍によって防がれていた。
世界は未だ青空と荒野の中。しかし、スペルの背後に目をやれば、巨大な城が建っていた。
「侵略完了」
厳かに、誇りを驕りに変えた王は言葉を告げた。
今更ですが、神狼龍王って厨二病丸出しですね。だからですね、読み方はギャグの方向で「みたらしだんご」となることにしました。これじゃ、恥の上塗りですかねぇ?
カンナ「馬鹿なことやってないで、仕事してください、先生」
はーい……




