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神は勝手なのだと知っている  作者: 神狼 龍王《みたらしだんご》
序章 異世界に慣れる
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第2話 名前

神件(改稿前作品)と 主人公の名前が違います

「きゃあああ!」

わたしは自分でも驚くほどの悲鳴をあげた。


運悪く盗賊に襲われ、一緒にいた父はわたしを逃がすために馬車を降り応戦。その結果を見届けることなく賢い父の愛馬とともに逃げた。父は現在は商人であったが、冒険者の経験もあり盗賊の何人かは父に倒されたはずだ。

しかし、盗賊は数を減らしながらも父を殺したのだろう。どこから調達したのか馬に乗って追いついてきた。


「ハッハッハ。嬢ちゃんおとなしく降参しな。そうすりゃ命だけは助かるぜ」


下卑た笑みとともに盗賊のリーダーは言葉を発する。周りの盗賊も同じような様子でわたしは怖かった。盗賊は少しずつ距離を詰めてくる。あと一息で盗賊が襲いかかると思われた時、父の愛馬が視線をある一点に移した。


瞬間、土煙が発生した。

「なんだ?」「ぎゃっ!」

盗賊のさまざまな声が聞こえる。

やがて、土煙が晴れる。そこには倒れ伏した盗賊と一人の青年がいた。


「なんだ貴様は?」

一人無事だった盗賊のリーダーは青年に問いかける。


「ただの通りすがりさ」

青年は答えた。男性特有の低い、しかし優しい声だった。


「善人ぶんじゃねえよ!!殺す!」


盗賊のリーダーは青年に向かって襲い掛かる。青年は慌てた様子もなく、黙って立っていた。盗賊のリーダーの剣が青年に辿り着くかと思ったが、剣は地面を穿っていた。剣を避けた青年は盗賊のリーダーの背後にまわり、手刀を盗賊のリーダーの首に落とした。盗賊のリーダーは倒れ、そのまま動かなかった。


青年は盗賊の掃討の完了を確認し、わたしのほうへ近づいてきた。


「あ、ありがとうございます」

わたしは青年に反射的にお礼を言う。


「いや〜俺さ、道に迷っててさ。君の悲鳴がありがたかったんだよ」


青年のその少しズレた発言にわたしは呆気にとられたあと、笑顔を浮かべた。


「じゃあ、わたしがお礼に町まで送りますよ」


「助かるよ」


「わたし、レイルです」


「俺はしょうだ」


「えっとショーンさんですか」


「それで良いよ。よろしく」

「はい、お願いします」


わたしはショーンさんと握手をした。

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