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神は勝手なのだと知っている  作者: 神狼 龍王《みたらしだんご》
序章 異世界に慣れる
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第1話 現状確認

「なぜに……こんチクショーー⁉︎」


男は草原の真ん中で叫んだ。

気が済んだのか、現状を確認しだす。


男の容姿は、一言で言うなら黒だろうか。

短い髪も瞳も衣服までもが黒に統一されていた。唯一その肌だけは白かった。

背は高いわけでも低いわけでもない。中肉中背のどこにでもいそうな顔立ちの日本人だ。しかし、この世界に日本という国はない。この男はある程度は目立つことになるだろう。


「金貨が一枚、銀貨が十枚、銅貨が百枚……」

男が金銭を確認する声が聞こえる。


この世界において金銭は白金貨、金貨、銀貨、銅貨の四種類である。価値としては銅貨百枚で銀貨一枚、銀貨百枚で金貨一枚、金貨百枚で白金貨一枚だ。単位はなく、価値も変動が多い。このことを男は神から常識として与えられている。当然、金銭以外の常識も与えられている。


(冒険者協会か、ここに所属して暮らすのが手っ取り早いな)


男は与えられた常識からそう結論し、歩き出そうとして硬直する。


「ここは…どこだ?」

呆然と呟いた男はしかし、正気に戻ると叫んでいた。


「なんなんだよ!あの神はーーー⁉︎」








それから数分後、男は歩いていた。あてもないのでただ真っ直ぐに。そして、違和感を覚える。


(いつもならへばっているはずだ。それに道はなく、慣れない草原を歩いているのだ。おかしい)


男は思い立ち、足に軽く力を入れて跳んだ。


「はあーーあ!」

男は困惑に叫んだ。軽めのはずの跳躍でおよそ人には不可能な高度に移動していたからだ。

着地も問題はなく、衝撃をしっかり吸収して音を少したてる程度で地面に降り立つ。


「きゃあああ!」


その直後、女性のものと思われる悲鳴が届く。

男は道案内の確保に、悲鳴の方向へと走り出した。

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