プロローグ 神の勝手
お久しぶりです?
「ここはどこだ?」
俺は白い、果てしなく白い空間にいた。
俺は高3の帰宅部で、いつものように不良に気をつけて下校していたはずだ。
「やあ!」
不可解な状況に頭を悩ましているところに声がかけられる。振り返るとそこには、日本人の顔立ちなのだが、金髪碧眼の少年がいた。そして、なによりも理解に苦しむのはその少年がタネも仕掛けもなく浮いているところだ。
「誰だ?」
至極まっとうな問いが口からこぼれる。
「ぼくは、君たちのいうところの神ダヨ!」
こいつ、頭いかれてんのか
「失礼だなぁ。いかれてないよ」
神だと名乗る少年は不満そうに言葉を発する。
「さてと、君には異世界に転移してもらうよ」
そうかこれは夢なのだと反射的に思った。俺はラノベを読むのだからこんな夢を見ても不思議ではない。
「いーや、これは夢なんかじゃない。現実さ」
「なに?」
思考を読まれた俺は反射的に言葉を発する。
「まぁ、詳しいことは話せないからこっちで勝手に進めるよ。大抵のものは揃えるからさ。君はあっちで逞ましく生きてゆけば良いだけさ。簡単だね」
少年はそう言うが、地球での俺の扱いがわからない。それでは親や兄弟、友人を心配させることになる。
「あーそれは大丈夫だよー。君のコピーが生活してるからさ」
それは大丈夫と言えるのか?俺の精神的に良くないと思うが。
「まあまあ、そんなのはさ受け入れるしかないヨ。だって転移は決定事項だもの」
俺は逃げられないようだ。
「さてと、それじゃー行っといで」
「おい、ちょっとまっ……」
俺は間髪いれず異世界に飛ばされた。
予定は未定